一寸おたずねします 歌詞 越路吹雪 ふりがな付

一寸ちょっとおたずねします
どこかで私わたしをみかけなかったでしょうか
ラッシュアワーの人ひとごみに
チラッと笑わらって消きえたきり私わたしの所ところへ帰かえりません

いつもいっていましたっけ
どうぞ押おしつぶさないで
いつもいっていましたっけ
私わたしを忘わすれないで
ふりむけば去さりゆく人ひとの 後姿うしろすがたばかりで
前まえもただいっぱいの人ひとの 背中せなかだけが見みえる

だれも私わたしに顔かおを見みせない
笑わらっているのか泣ないているのか
声こえもたてず 波なみのように
去さりゆく背中せなかばかりで
いつもいってましたっけ顔かおのないのが怖こわいと

一寸ちょっとおたずまします
どこかで青空あおぞらを見みているのかも知しれません
十九じゅうくの時とき 落おとした愛あいをさがして
あなぼこをのぞいているのかもしれません
そうです誰だれを見みても「ごきげんよう」という女おんなでした
やさしくて人ひとの悲かなしみまで涙なみだをこぼし
学校がっこうの屋根やねに登のぼって
毎晩まいばん 星ほしと話はなしもできる女おんなでした
近所きんじょの人ひとの名なも顔かおも 全部ぜんぶ心こころにとめて
だれか死しねば くやみにゆく気きのいい女おんなでした

一寸ちょっとおたずねします
どこかで私わたしをみかけなかったでしょうか
十九じゅうくの時とき落おとした愛あいをさがして
あなぼこをのぞいているのかもしれません
一寸ちょっとおたずねします
どこかで私わたしをみかけなかったでしょうか