(一)
月つきの沙漠さばくを、はるばると
旅たびの駱駝らくだがゆきました。
金きんと銀ぎんとの鞍置くらおいて、
二ふたつならんでゆきました。
(二)
金きんの鞍くらには銀ぎんの甕かめ、
銀ぎんの鞍くらには金きんの甕かめ。
二ふたつの甕かめは、それぞれに
紐ひもで結むすんでありました。
(三)
さきの鞍くらには 王子様おうじさま、
あとの鞍くらには お姫様ひめさま。
乗のった二人ふたりは、おそろいの
白しろい上着うわぎを着きてました。
(四)
曠ひろい沙漠さばくをひとすじに、
二人ふたりはどこへゆくのでしょう。
朧おぼろにけぶる月つきの夜よを、
対ついの駱駝らくだはとぼとぼと。
沙丘さきゅうを越こえて行ゆきました。
黙だまって越こえて行ゆきました。
(一)
月tsukiのno沙漠sabakuをwo、はるばるとharubaruto
旅tabiのno駱駝rakudaがゆきましたgayukimashita。
金kinとto銀ginとのtono鞍置kuraoいてite、
二futaつならんでゆきましたtsunarandeyukimashita。
(二)
金kinのno鞍kuraにはniha銀ginのno甕kame、
銀ginのno鞍kuraにはniha金kinのno甕kame。
二futaつのtsuno甕kameはha、それぞれにsorezoreni
紐himoでde結musuんでありましたndearimashita。
(三)
さきのsakino鞍kuraにはniha 王子様oujisama、
あとのatono鞍kuraにはniha おo姫様himesama。
乗noったtta二人futariはha、おそろいのosoroino
白shiroいi上着uwagiをwo着kiてましたtemashita。
(四)
曠hiroいi沙漠sabakuをひとすじにwohitosujini、
二人futariはどこへゆくのでしょうhadokoheyukunodesyou。
朧oboroにけぶるnikeburu月tsukiのno夜yoをwo、
対tsuiのno駱駝rakudaはとぼとぼとhatobotoboto。
沙丘sakyuuをwo越koえてete行yuきましたkimashita。
黙damaってtte越koえてete行yuきましたkimashita。