手首足首てくびあしくび 落おとして
曲まがる腕膝うでひざ 剥はがして
頸くびと頭あたまを 離はなして
月つきの転ころがる匣はこの中なかに
敷しき詰つめる
閉とざさぬ眼球ひとみ 映うつしたのは
僕ぼくにはけして見みえぬ何なにか
いつもと変かわらず妬ねたましく
その子こを少すこし憎にくみました
ああ何故なぜあなたは
僕ぼくにほんとの痛いたみ
教おしえてくれなかったの
母かあさん
床ゆかに広ひろがる真まっ赤かな海うみと
おんなじように
涙なみだの粒つぶも熱あついのですか
性せいはどっちに向むかうの
雄おすも雌めすにも成なりたくない
成なれはしない
微笑ほほえみ行ゆき交かう人ひとたちは
僕ぼくにはけして知しらぬ誰だれか
また今日きょうも人形にんぎょうを抱だいて
気きづけば壊こわしているのです
床ゆかに広ひろがる真まっ赤かな海うみと
おんなじように
涙なみだの粒つぶも熱あついのですか
性せいはどっちに向むかうの
雄おすも雌めすにも成なりたくない
成なれはしない
微笑ほほえみ行ゆき交かう人ひとたちは
僕ぼくにはけして知しらぬ誰だれか
また今日きょうも人形にんぎょうを抱だいて
気きづけば壊こわしているのです
ああ何故なぜあなたは
僕ぼくにひとつの愛あいも
授さずけてくれなかったの
母かあさん
胸むねに溜たまった真まっ赤かな膿うみに
息いきを詰つまらせ
あなたのなかへ
戻もどしてください
手首足首tekubiashikubi 落oとしてtoshite
曲maがるgaru腕膝udehiza 剥haがしてgashite
頸kubiとto頭atamaをwo 離hanaしてshite
月tsukiのno転koroがるgaru匣hakoのno中nakaにni
敷shiきki詰tsuめるmeru
閉toざさぬzasanu眼球hitomi 映utsuしたのはshitanoha
僕bokuにはけしてnihakeshite見miえぬenu何naniかka
いつもとitsumoto変kaわらずwarazu妬netaましくmashiku
そのsono子koをwo少sukoしshi憎nikuみましたmimashita
ああaa何故nazeあなたはanataha
僕bokuにほんとのnihontono痛itaみmi
教oshiえてくれなかったのetekurenakattano
母kaaさんsan
床yukaにni広hiroがるgaru真maっxtu赤kaなna海umiとto
おんなじようにonnajiyouni
涙namidaのno粒tsubuもmo熱atsuいのですかinodesuka
性seiはどっちにhadotchini向muかうのkauno
雄osuもmo雌mesuにもnimo成naりたくないritakunai
成naれはしないrehashinai
微笑hohoeみmi行yuきki交kaうu人hitoたちはtachiha
僕bokuにはけしてnihakeshite知shiらぬranu誰dareかka
またmata今日kyouもmo人形ningyouをwo抱daいてite
気kiづけばdukeba壊kowaしているのですshiteirunodesu
床yukaにni広hiroがるgaru真maっxtu赤kaなna海umiとto
おんなじようにonnajiyouni
涙namidaのno粒tsubuもmo熱atsuいのですかinodesuka
性seiはどっちにhadotchini向muかうのkauno
雄osuもmo雌mesuにもnimo成naりたくないritakunai
成naれはしないrehashinai
微笑hohoeみmi行yuきki交kaうu人hitoたちはtachiha
僕bokuにはけしてnihakeshite知shiらぬranu誰dareかka
またmata今日kyouもmo人形ningyouをwo抱daいてite
気kiづけばdukeba壊kowaしているのですshiteirunodesu
ああaa何故nazeあなたはanataha
僕bokuにひとつのnihitotsuno愛aiもmo
授sazuけてくれなかったのketekurenakattano
母kaaさんsan
胸muneにni溜taまったmatta真maっxtu赤kaなna膿umiにni
息ikiをwo詰tsuまらせmarase
あなたのなかへanatanonakahe
戻modoしてくださいshitekudasai