世界はまだ 歌詞 六文銭 ふりがな付

母ははは患わずらう人ひとに体温計たいおんけいを当あてている
父ちちは実現じつげんしない橋はしの図面ずめんを引ひいている
暗闇くらやみで目めを瞑つぶる愛あい 雨水あまみずで薄うすまった愛あい
世界せかいは昨夜さくや 愛あいに満みちてた

姉あねは知しり合あいの子こを引ひきとって育そだてる
弟おとうとはシャッターの無ないカメラを手てに街まちに出でる
電話でんわの途中とちゅう息いき殺ころす愛あい 歌うたとは無縁むえんの愛あい
世界せかいは今朝けさ 愛あいに満みちてた

兄あには慣なれない銃じゅうを人ひとに向むけていた
妹いもうとは恋人こいびとの盗ぬすみを手伝てつだうとさらりと言いう
灰皿はいざらでくすぶる愛あい 天窓てんまどを逃にげだす愛あい
世界せかいは午後ごご 愛あいに満みちてた

女おんなが枯かれかけた花はなに水みずをやっている
男おとこが薬屋くすりやを出でて無理むりに車道しゃどうを渡わたっていく
疑うたがいと瓜二うりふたつの愛あい 風下かざしもで項垂うなだれる愛あい
世界せかいは今夜こんや 愛あいに満みちてた

あなたはブロッコリーをよく噛かまずに嚥のむ
わたしは爛ただれた顔かおの理由りゆうを敢あえて知しる気きもない
愛あいとは知しらず投函とうかんした愛あい 横顔よこがおが誰だれでもない愛あい
世界せかいは明日あすも愛あいに愛あいに満みちてた