ワンマンツアー千秋楽!!
NICO Touches the Wallsのワンマンツアー「NICO Touches the Walls TOUR 2017 "Fighting NICO"」が、5月6日の浦安市文化会館公演をもって千秋楽を迎えた。2月にスタートした今回のツアーは、新作のリリースを伴わないものであることからセットリストを含めメンバー曰く“好き勝手”な内容に。
ホール公演には共同プロデューサーとしてNICOの作品に参加する浅野尚志がサポートで入り、ギター、バイオリン、キーボードとさまざまな楽器でNICO Touches the Wallsの新旧のナンバーに新たな彩りを添えた。
追加公演として実施された光村龍哉(Vo, G)の地元である浦安でのツアーファイナルは、ひと際気合いの入った一夜に。光村が手回しサイレンを鳴らし、対馬祥太郎(Dr)が躍動的なビートを刻む物々しい新曲でライブの幕開けを飾ったバンドは、古村大介(G)のエッジーなギターが炸裂する「B.C.G」や、坂倉心悟(B)が重いグルーヴを生み出す「そのTAXI,160km/h」と激しいナンバーを畳み掛ける。
のっけから攻撃的な姿勢を見せつけ、オーディエンスを圧倒していった。
光村は「浦安が生んだロックスター、光村龍哉率いるNICO Touches the Wallsです」と冗談めかしながら、「みんなを連れてきてしまいました」と凱旋公演に集まったファンを歓迎。
「エネルギーを余すことなく浦安に残していこうと思ってますんで、最後まで好き勝手楽しんで帰ってください」と宣言すると「Diver」を皮切りに中盤のブロックに突入する。ライブの定番曲から最近あまり披露されることのなかったナンバーまでバラエティに富んだ楽曲で構成された中盤戦の中で、特に異彩を放っていたのは「GUERNICA」。
めまぐるしく展開していく10分を超える楽曲を、メンバーはときに音をぶつけ合い、ときに丁寧に音を重ね、息を合わせながらプレイする。観客は固唾を呑みながら5人のセッションを見つめ、曲が終わると同時に大きな歓声と拍手をバンドに贈った。
「ランナー」で穏やかなひと時を作り出すも、あとは前半戦以上に起伏のある流れに。浅野が弾くバイオリンによってアイリッシュ音楽の要素が強まった「天地ガエシ」や「MOROHA IROHA」でオーディエンスを踊らせたかと思えば、「渦と渦」ではホールを爆音で満たす。
さらに本編の最後には古村のドライブ感のあるギターリフやキャッチーなメロディが印象的な新曲を投下し、ひたすら「Fighting NICO」というタイトルにふさわしいステージを見せつけた。
アンコールの1曲目を飾ったのは、4人だけの演奏による「波」。それぞれの音が寄り添うように優しく響き観客を酔わせていく。その後、浅野が再び合流し5人でセッションを披露。なおアンコールのMCで光村は、“1125(イイニコ)の日”である毎年11月25日の恒例イベント「1125」を、今年は千葉・幕張メッセで実施することを告知。
さらに「僕たちまだまだ続いていきますので、どうぞこれからもご贔屓に」とさらなる躍進を誓う。そんな言葉を曲で表現するようにバンドは「マシ・マシ」をラストに奏で、実験的かつ攻撃的な要素に満ちた「Fighting NICO」をクライマックスに導いた。
セットリスト
01. 新曲02. B.C.G
03. そのTAXI,160km/h
04. バイシクル
05. 手をたたけ
06. Diver
07. 夢1号
08. GUERNICA
09. Aurora (prelude)
10. TOKYO Dreamer
11. ランナー
12. 天地ガエシ
13. MOROHA IROHA
14. 妄想隊員A
15. 渦と渦
16. 新曲
<アンコール>
17. 波
18. THE BUNGY
19. ストラト
20. マシ・マシ
Photographer:yuka jonishi