「Charisma.comです、ごきげんよう 2018」 2018年01月27日 Zepp Tokyo
1月27日、Charisma.comがZepp Tokyoにてワンマンライブ「Charisma.comです、ごきげんよう 2018」を開催した。このライブを最後にCharisma.comは無期限活動休止。ゴンチ(DJ)はユニットを脱退し、アーティスト活動を引退した。おなじみのDJブースの両隣にある真っ白な棺桶、上空に浮かぶ骸骨姿のいつか(MC)とゴンチの遺影、おどろおどろしいBGMが異様な雰囲気を演出するなか、場内が暗転。SEとして流された木魚の音がダンサブルなビートに変わったところで棺桶の蓋が開き、真っ黒な衣装を纏ったいつか、ゴンチが登場した。1曲目は、ベストアルバム『Charisma.BEST』に初収録された新曲「りぼん」。歌詞に合わせて中指を立てるいつかに早速歓声が集まっていった。観客の手拍子とともに突入した「お局ロック」では、真っ赤な脚立がステージに運び込まれ、いつかがそれにもたれたり上ったりしながらパフォーマンス。脚立の頂上に上ったいつかは、観客を見下すような視線で<最後でもないよく見とけ>とアドリブを加えていく。続く「sodaiゴミのkoi」では終盤にいつかがマイクを置いてダンスを披露。ゴンチの「ごきげんよう」という挨拶を機にスタートした「豚」は、レーザー光線でタイトルを大きく描く演出も強烈なインパクトを残していった。
「999」のあと、最初のMCへ。いつかは「ようこそお越しくださった。終わりにして始まりのライブ、みんな準備できた?」と挨拶。頭上で手のひらを合わせる“とんがりポーズ”をするよう観客に促すと、フロアの光景を前に「あれ、今日は従順だね!」と上機嫌で反応し、そのまま「とんがりヤング」をスタートさせた。そこから「Like it」「ペインオフ」「AUTOMADE」「メンヘラブス」と間髪入れずに連投。各曲はフルサイズではなく、曲の一部分同士をテンポよく繋げていくような構成。ベストアルバムには収録されていない初期の楽曲を含んだ選曲は、観客を大いに喜ばせていた。また、いつかがDJブースに移動し、二人が横並びになった状態でのパフォーマンスとなった「NOW Remix」「等身大グレー」「ジェンガジェンガ」「LOOKER」「ベルサッサ」もメドレー形式で披露。ステージ後方のスクリーンや舞台セットの棺桶には映像が投影され、まるでプロジェクションマッピングのような状態に。彩り豊かな空間で繰り広げられたノンストップのダンスタイムは、観客を一層熱狂させていった。
二度目のMCでは、『Charisma.BEST』について、いつかが「でも反省した、私口悪すぎるって。でもみんなにはあのアルバムを好きになってもらいたい」とコメント。ゴンチは、いつかからの「どの曲が好き?」という質問に「全部好き」と答えたものの「特に好きなのは?」とさらにツッコまれ、たじたじになっていた。「じゃあやさしい曲のゾーン始めますね」(いつか)と、「OLHERO」からはバラードを連続で披露。いつかがキーボードを弾きながら歌唱した「グララ」も、スポットライトを浴びながらしっとりと歌い上げた「not not me」も、観客はステージをじっと見つめながら聴き入っている様子だった。「黄昏各位」を終えたところで昂揚感を誘うビックバンドのサウンドが鳴りわたると、「心して見とけ、Zepp Tokyo! 出でよ、ゴンチ!」といつかに呼ばれる形でウエディングドレス風衣装のゴンチが登場。大歓声が湧き上がるなか、二人で掛け合いをするような形で「婿においで」を披露した。
サビのフレーズを会場全体で合唱した「もや燃やして」まで連続で届けると、この日三度目のMC。いつかに促されたゴンチが「みなさん盛り上がれますかー⁉」と観客を煽ったところで終盤へと突入していく。歌詞に因んでゴンチが手袋からレーザー光線を発射させた「こんがらガール」、ハンドマイクに切り替えた二人が棺桶の前で踊った「イイナヅケブルー」など畳みかけ、いよいよ本編最終曲に。「最後の曲になりました」と告げたいつかは、残念そうな声を上げる観客を「うるさい! 一緒に歌うんだ!」と制し、「アラサードリーミン」をスタート。観客の合唱に「超いいアラサーだったね、本当にどうもありがとう!」と笑顔を見せ、ステージを去っていった。
昨年春のツアーから恒例になっていたように、本編が終わると、観客はアンコールを求める手拍子の代わりに「メキメキmore」を合唱。再びステージに表れたいつか、ゴンチは改めてこの日を以って無期限活動休止期間に入ることに言及した。アーティスト活動を引退するゴンチはゴンチ「みなさん本当にありがとうございました。これからもCharisma.comをよろしくお願いします!」と挨拶。ゴンチは「休止ということは必ず動き出すということですからね」と前置きしつつ、「私たちはみなさんのことを応援してますけど、私たちのことも末永く応援してください」と力強く語った。
「あの曲はみんなの曲だから」と観客のタイトルコールを機に「メキメキmore」をスタート。盛大な合唱を巻き起こし、場内が温かな空気に包まれたものの、「といった感じで終わるわけもなく、私たちらしくこの曲で今日を締めたいと思います!」とラストに切れ味抜群の「HATE」を披露した。再び棺桶の中に戻っていったいつかとゴンチは、ゲストミュージシャンなし、ダンサーなし、二人きりで全32曲に及ぶステージをやりきったのだった。