エリック・ベネイ 初のベスト・アルバムを発売
1996年にデビュー・アルバム『トゥルー・トゥ・マイセルフ』を発表。ニュー・クラシック・ソウル/ネオ・ソウルのムーヴメントにも乗ってディアンジェロ、マックスウェルと共に人気を博し、1999年にはフェイス・エヴァンスをゲストに迎えたTOTOのカヴァーであるシングル「ジョージー・ポージー」が大ヒットを記録し、日本での人気を決定づけたリアル・ソウル・ヴォーカリスト、エリック・ベネイ。1996年から2010年まで在籍したワーナー・ブラザーズ、リプリーズ時代の楽曲を厳選した、日本独自企画の初のベスト・アルバム『ザ・ベスト・オブ・エリック・ベネイ』のCDが5月23日に発売される。
今回のアルバムの聴きどころの一つは、エリックのオリジナル・アルバムには未収録で、もともと1997年にリリースされたアメリカの人気コメディ番組「リヴィング・シングル」のサウンドトラックに収録されていた、スティーヴィー・ワンダーのカヴァー「スーパーウーマン」。
この曲はボニー・ジェイムスのサックスをフィーチャーし、今は亡き名プレイヤー、プロデューサーのジョージ・デュークがアレンジ、プロデュースを手掛け、キーボードも担当している。
先日、来日したエリック・ベネイはジョージ・デュークに関して、この共演が彼のキャリアの中で大きな役割を果たしたことを語っている。
「早くしてこの世を去ったジョージ・デューク、彼とスタジオに入るのは夢がかなったことのひとつ、僕が最も印象に残ったのは彼が自分のすごさをひけらかしていなかったこと、音楽的偉人と一緒にスタジオにいても居心地良く過ごせるように、僕を落ち着かせてくれた、彼は僕を音楽的におじけさせることもできた、でも全然彼は違った、彼は素晴らしいソウルの持ち主さ」
また、近年多くのK-POPアーティストに収録楽曲がカヴァーされ、再評価されている彼の異色作『ハリケーン』でタイトル曲「ハリケーン」と「ザ・ラスト・タイム」を共作したデイヴィッド・フォスター関しても、以下のように語っている。
「ザ・ラスト・タイムはデイヴィッド・フォスターと初めに書いた曲の一つ、デイヴィッドが“ほら、僕はサビを思いつくのうまいんだ、君が残りのメロディーさえ書いてくれればね”と言ったのを覚えてるよ、この曲はそんな感じだった、デイヴィッドが座ってピアノで初めのリフを弾きながら、サビの部分を口ずさんだ。ザ・ファースト・タイムだって、あのデイヴィッドの声で言ったんだ、あとは僕とデイヴィッドの娘のエイミーとで歌詞を埋めながら、メロディーを書いたら、時代を超越する美しい曲になったよ」
元々のタイトルはザ・ラスト・タイムではなく、ザ・ファースト・タイムだったという興味深い事実がエリックの口から、語られた。また、こんなコメントも寄せている。
「デイヴィッド・フォスターとスタジオで仕事が出来て素晴らしかった、僕が子供の頃、アルバムのクレジットに彼の名前を見たらすぐに買って、そのアルバムから、プロダクションやアレンジを学んだものさ、今やこの世界で僕の最良の友人の1人さ、アルバム『ハリケーン』は今でも世界中で人気のあるアルバムさ」
最後には、日本のファンに以下のメッセージを寄せてくれた。
「このベスト・アルバムはとても素晴らしい、みんなに聴いてほしくてうずうずしてる、僕と記憶の旅にいざなう機会をくれるよ、とても美しい記憶やストーリーがあったからね、過去20年をおもうとこれらの曲は旅のおみやげのように愛してる、君も好きになってくれるとおもう、また次のベスト・アルバムで20年後に会おう、まあ次は20年でなくて、5年後くらいかな」
ザ・ベスト・オブ・エリック・ベネイのトレーラー映像はこちら