デビュー40周年記念のコンサートツアー『masayuki suzuki taste of martini tour 2020/21 ~ALL TIME ROCK 'N' ROLL~』の大阪公演開催!
“ラヴソングの王様”こと鈴木雅之のアーティストデビュー40周年記念のコンサートツアー『masayuki suzuki taste of martini tour 2020/21 ~ALL TIME ROCK 'N' ROLL~』の大阪公演が、7月7日(水)フェスティバルホールにて開催された。昨年デビュー40周年を迎え、春から全国ツアーを開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響の為全公演中止に。一年越しとなる今ツアーは、今年の4月3日より昨年予定していた会場と同規模での”リベンジ”開催されているアニバーサリーツアーだ。
『40年分の想いを今夜届けますからね』
ファーストMCで駆け付けたファンと生中継で観戦している全国のリスナーにそんなメッセージを伝えた鈴木雅之。40周年記念アルバム『ALL TIME ROCK 'N' ROLL』は、シャネルズ/ラッツ&スターの楽曲のセルフカヴァーや、デビュー前から歌い続けてきた洋楽カヴァー、最新オリジナル曲を盛り込んだ内容でリリースされているが、リリースツアーも兼ねた本公演も正に”ALL TIME”と呼ぶにふさわしいセットリスト、メドレーを含む全20曲が披露された。
コンサートの終盤、鈴木の『紹介しましょう!私のソウル・ブラザーNo.1、桑野信義!!』という呼びかけでサプライズ登場したのは、シャネルズ/ラッツ&スターのメンバーである盟友・桑野信義。
突然の桑野の登場に会場は、駆け付けた超満員のオーディエンスからの割れんばかりの大きな拍手に包まれていた。
桑野は昨年コンサートツアーに参加予定だったものの、大腸がんを発症・その後の闘病の為、今年に振り替えられたツアーへの帯同を断念していた。
今年の3月に桑野による病の公表の際に、鈴木は自身のレギュラーラジオ番組内で『ステージに一緒に立つ日が来るように、オレたちもずっと、ずっと待ち続けたいと思います』とメッセージを残していたように、鈴木も待ち望んでいた復帰となった。
ステージ上で桑野は『長かったです。本当に今こうして立っているのが、夢のようです。だって正直もうステージに立てないと思っていましたから』と赤裸々に語る。
『リーダー(鈴木雅之)に、そろそろファイナルになってしまうからちょっとでも良いから来い、と言われて・・・』とコメントをするものの、演奏を披露する前に『この御挨拶で私は帰らせていただきます』と、会場中の大きな笑いを誘っていた点も、実に桑野らしいカムバックとなった。
桑野信義を迎えて最初に披露した楽曲は、「Ultra Chu Chu Medley」。この曲は、桑野が在籍していたシャネルズのシングル曲「ハリケーン」「街角トワイライト」「憧れのスレンダー・ガール」「週末ダイナマイト」を再構成したメドレー楽曲。
この粋な選曲でのパフォーマンスは、今ツアーすべてに帯同している、こちらもシャネルズ/ラッツ&スターのオリジナルメンバーである佐藤善雄と共に披露という、さながらグループの再結成を思わせる演出には、会場のファン達の熱狂的な盛り上がりと共に、多くの涙にも包まれた感動的な瞬間となっていた。
その後、「め組のひと」「ランナウェイ」「夢で逢えたら」と、シャネルズ/ラッツ&スター時代の代表曲を共に披露。最後は鈴木と桑野は肩を寄せるように共にステージを後にし、この日最大の拍手喝采の中本編が終了した。
そしてアンコールでは、昨年衝撃的なコラボレーションを果たし世間を賑わせた鈴木愛理と共に、関連動画再生総数6,000万を超える大ヒット曲となった「DADDY ! DADDY ! DO !」と、同じくTVアニメ『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』のオープニングテーマ曲である「ラブ・ドラマティック」の2曲を披露。
”W鈴木“によるダンス振付を披露しながらのパフォーマンスで、会場中を笑顔に包み熱狂の渦に巻き込んだシーン実に印象的だった。
最後のMCで鈴木は、『ラヴソングを歌い続けて40年とプラス1年。その長い時間の中できっとみんなも俺自身も、色んなことがあったよね。(中略)マスク越しのみんなが、だんだん表情が笑顔に変わっていく瞬間を見ていた時に改めて思ったよね。
やっぱり”音楽は心のワクチン”なんだと思いました。そんなラヴソングをこれからもずっと歌い続けていきたいと思っています!』とファンに向けてメッセージ。最後の楽曲「ポラリス」を熱唱し大団円の中ライヴはフィナーレを迎えた。
40年のヒストリーを約2時間に凝縮したような充実の内容で、鈴木雅之にしか到底なしえない圧巻のパフォーマンスを魅せつけて、強いメッセージと共にファンに届けた一夜となった。
Photo by 岸田哲平