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STARMARIE O-EASTを4度目にして初のSOLD OUT! 悲しき怪人の謎へ耽美に迫った「FANTASY CIRCUS ~第一幕 幻木町の怪人~」【ライブレポート】




 STARMARIEが2月19日(金)、渋谷TUTAYA O-EASTにて「FANTASY CIRCUS ~第一幕 幻木町の怪人~」を開催した。平日にも関わらず、この日のチケットはSOLD OUT。超満員の会場で、STARMARIEは怪しくも悲しい怪人の物語を綴った。
ライブ直前の貴重なインタビュー内容とあわせてご覧ください。



■ライブレポート



 会場は事前にTwitterで公開されていた「幻木町」の地図に沿って展開。女性専用エリアは「幻木町4丁目」、ドリンクカウンターは「スナックみどり」と遊び心とともに、実際に幻木町に居るような現実味を与える。フロアの横に設置されたスクリーンには、無機質なベルとともに「幻木町町長」の候補者となる13名の候補者のデータが表示されていた。さしずめ、観客は投票に訪れた町民だろうか。ライブを観に来たはずなのに、登場人物の一人になったかのような錯覚。会場に入った時には既に、STARMARIEが描き出す「幻木町の怪人」の世界へと誘われていたのかもしれない。

 開演時刻を少し過ぎたとき、ナレーションの合図とともに幕が開く。壮大なBGMとともに登場したSTARMARIEは、宙をじっと見つめていた。そして、『狂おしき月下の舞踏会』から物語は動き出す。時には淑女のようにスカートの端を持ってロンドすれば、時には力強くステップを踏んで見せる。続く、『プリンセスとコメディアン』ではキュートながらもどこかお道化たようなダンスで冒険へと導き出す。



 ニュースキャスターになりきり『グッモーニンッ!!ハマムラSHOW』を報じると、再び暗転。曲間では、「幻木町の怪人」というかつて存在した「幻木町」という町で起きた事件が綴られていく。幼い頃に父親が失踪した主人公は、父親の行方を調べるうちにこの事件へとたどり着き、幻木町へと足を運ぶ。町は選挙の直前。この町では選挙のたびに立候補者たちが不可解な死を遂げる伝承があるという。そして、”年をとることがなくなった町長”との出会い。果たして幻木町の怪人とは誰なのか……。

 ここで、この日の鍵となる『幻木町の怪人』へ。緊迫感あふれるサウンドに乗せ、ハードかつ目まぐるしく展開されていくダンスを披露。ここからこの事件の真相、そして父親の失踪の謎を探るように、『屋上から見える銀河 君も見た景色』『ガイコツたちのメンデルスゾーン』『綺麗なレオナの肖像画』を披露。



 休みなく全力のダンスを披露する彼女たちだったが、『ブレアと天才科学者の功罪』『魔力が消える!』では横一列に並び、胸に手をあてて真っ直ぐに歌声を届けた。そして、『浦薬剤研究所の新薬実験』『本田教授のダイイングメッセージ』『三ツ星レストラン・ポールからの招待状』と再び激しいジャンプやターンを織り交ぜたダンスを披露。妥協することない全力のステージに、フロアも熱を高めたのか、拳を突き上げる人やダイブする人の姿も見られた。



いよいよ投票日が訪れる。赤い照明が怪しく瞬くなか『サーカスを殺したのは誰だ』は、ホラーアトラクションを思わせるメロディに乗せ、”誰なんだ? 誰なんだ?”と事件の真相へと迫っていく。重いドアが閉まる音とともに外界を隔てると、『幻木町の怪人』のラスサビへと突入。事件の新相が明らかになる時が来た。

実は幻木町の町長はとうの昔に自殺しており、「幻木町」は町長が作り出したまやかしの世界だった。そして、この町長こそが主人公の父親だったのだ。そんな父親を町長にするべく殺人を犯していたことを思い出した主人公。一体、仮想世界を作り出したのは誰だったのか……。この物語は、父親を町長にするべく殺人を犯してしまった悲しき怪人の物語だった。これまでの楽曲の全てがリンクしたとき、思わず鳥肌が立ってしまった。



ダークファンタジーな『モグラミステリーツアー』が”人はみな行き先を知らない”と迷宮へと誘えば、『FANTASTIC!!』が”道がなければつくればいい”と訴えかける。STARMARIEの楽曲は、「死」をテーマにしたものが多いが、そこから発展して「生」や「人」というものがなんなのかと考えさせてくれる。そして、一秒たりとも休むことなくステージでその歌声とパフォーマンスを届け続けた彼女たちの姿には感銘を受ける。全力で楽しめることはもちろんだが、その姿や楽曲から学ぶことも沢山あるステージだと思う。

『さよならお弁当』『メクルメク勇気!』を披露すると、ラストはこの日初披露となった『ステラとスバル 宇宙のラブストーリー』。5人の奏でるハーモニーが柔らかに、そして突き抜けるように会場へと響き渡った。ここまで一切のMCなくステージを去った5人。最後まで物語の語り手として、「幻木町の怪人」に幕を下ろした。



STARMARIEがステージを去った後、ライブ冒頭と終盤のナレーションとして、STARMARIEとともに物語を綴っていたのは、アニメ『ラブライブ!』の高坂穂乃果役で、「μ’s」のメンバーでもある声優の新田恵海が担当していたことが発表されると、会場には大きな歓声が巻き起こった。さらに、ファンクラブの発足、TVアニメ『鬼斬』のタイアップが決まったことが発表されると割れんばかりの歓声が会場に満ちた。

『ママは天才ギタリスト』『お化け屋敷に就職しよう』から幕を開けたアンコール。Tシャツに着替えて登場したメンバーが、この日への思いを語ってくれた。EASTで単独公演を行うのは自身3回目。初のSOLD OUTの光景に喜びを訴えながらも、平日でとても不安だったと語った松崎。次の赤坂BLITZ公演について、「みんなが来てくれると信じています。私はここに居る人の顔を覚えているので、4/27に居なかったら悲しみます」とネガティブな気持ちを払拭して真っ直ぐに訴えた。続く中根は、平日にもかかわらず来てくれた人はもちろん、台湾から来てくれた人に向けて台湾語で感謝を伝えると、「これからもいい景色をお届けします」とメッセージを届けた。アイドル活動を初めて8年間で一番いい景色を観れていると切り出した木下は、アイドルが増えた現状を語ると、「好きなアイドル誰? って聞かれたら” STARMARIEです”って胸を張って言えるようになりたいし、今もうちょぴっとなってると思います!」とポジティブにコメント。

そして、「事務所の大きさに関係なくここまで育ててくれた社長! ありがとうございます!」と感謝を伝えた。EASTをSOLD OUTさせる夢が叶って嬉しいと語った高森は、前回の新宿BLAZE公演から声帯結節を患っていたことを涙ながらに明かした。

続けて、3人で活動していた頃に歌が苦手だった高森は、「STARMARIEの曲を良く伝えるために自分の歌パートはいらない」と社長に申し出たことがあることを明かすと、「それは逃げだった」とコメント。「今はSTARMARIEのために頑張りたいから、一生懸命向き合っていきます」と決意の眼差しとともに訴えた。最後に、渡辺は兄弟が就職活動に成功し母親が長年の夢を叶えることを伝えると、「次は私が叶えなければならない!」とコメント。自分のため、応援し続けてくれた家族の為にも頑張るとの思いを伝えた。



ファンからサプライズで花束がプレゼントされる場面もありながら最後は、未来への希望を感じさせる『名もなき星のマイホーム』で笑顔のままに締めくくられた。「FANTASY CIRCUS ~第一幕 幻木町の怪人~」という公演を振り返ると、「幻木町の怪人」という全体を通してのストーリーの中に、STARMARIE のストーリーや1曲1曲に込められたストーリーが込められていたように思う。まるで人間のドラマを観るようなライブだった。これで第1幕だというのだから、この先のストーリーはどうなっていくのだろうか? 今はこの日の余韻を味わいながらも、彼女たちが綴る次なる物語の始まりを待ちわびたいと思う。


Photo by でこい
TEXT:河内香奈子




■ライブ直前インタビュー


 2月19日(金)、渋谷TSUTAYA O-EASTにて「FANTASY CIRCUS ~第一幕 幻木町の怪人~」を開催したSTARMARIE。SOLD OUTの会場で、見事大成功を収めました。UtaTenは、ライブ直前のSTARMARIEの楽屋へと潜入し、インタビューを実行。ほどよい緊張感と期待が立ち込める中、ライブへの意気込みを伺った。

――先ずは、SOLD OUTおめでとうございます。

全員:ありがとうございます!

――TSUTAYA O-EASTでの単独公演は4度目。初のSOLD OUTの知らせを聞いたときの率直な感想を教えて下さい。

木下:凄く嬉しかったのはもちろんですが、SOLD OUTしないと次のステップに進めないと前々から言われていたので、一番最初はほっとしました。

渡辺:SOLD OUTしたって聞いた時に「本当に本当なの!?」と、嬉しい気持ちとたくさんの人の前でライブが出来る楽しみと不安とでこんがらがりました。でも、本当に嬉しかったです。

中根:単独公演のSOLD OUTは前回の新宿BLAZEに続いて二度目なんですけど、EASTはそれよりも沢山入る会場だし、事務所の主催ライブも沢山させていただいていたので、難しいとは思いつつも、SOLD OUTできてお客さんには本当に感謝です。そして、前回の単独公演からさらに色んな方にSTARMARIEを知ってもらえたという結果を残すことができて本当に嬉しいです。

高森:STARMARIE は今8年目で、私はその結成1年後に加入したんですけど。その7年前からEASTは沢山立たせてもらっているステージで、STARMARIEの一番の危機と言われていたのんちゃんとの2人の時もEASTでワンマンライブをやっていたりと、本当に色々な思い出が詰まっている会場なんです。いつかSOLD OUTしたいというのが夢だったので、本当に嬉しいです。

松崎:とても嬉しかったのと、今回は当日券もなくてなんだか格好いいなぁって思うんですけど。正直、先行でSOLD OUTさせるくらいにならないといけないと悔しさも感じました。なので、次回は先行一回で売り切るくらいになりたいなと思います!

――この日、アニメ『鬼斬』のタイアップが発表されますね。STARMARIEとしては、アニメ『カードファイト!! ヴァンガードG』以降2度目のタイアップ。どのような曲に仕上がっているのでしょうか?

高森:曲はとても元気で明るい曲なんですけど、歌詞に「魑魅魍魎」が登場したりと、これまでのSTARMARIEの歌詞にはないワードも入っているんです。今回はいつもSTARMARIEの作詞をしてくれる社長の楽曲ではないのですが、これまでとは違ったSTARMARIEの表情が見せることができて楽しんでもらえるんじゃないかと思います。

――最後にライブへの意気込みをお願いします。

中根:今回はセットもかなり凝っているんですが、私たち自身もよりよいパフォーマンスをします! 頑張ります!

木下:今回の単独はセットも凄いしスタッフも多く、私たち自身も覚えることが多くていっぱいいっぱいな部分もあって正直不安もあるんですけど。会場に居る皆さんよりも楽しむことを第一に考えて全力でやりたいと思います。

高森:今回はステージが本当に豪華で、STARMARIEの歴史の中で一番大規模なライブに仕上がっています。私たち自身も準備期間をたくさんとってこの日に挑んでいます。あと、グッズにもメンバーの案を取り入れていたりして。本当に今回の単独に懸ける思いが強いことはお客さんにも伝わっていると思うんですけど。ステージを観て、「STARMARIE今年はいくな!」って思ってもらえるように頑張りたいと思います。

渡辺:EASTでのワンマンは私は加入してから3回目。今までのどのワンマンよりも最高のものにしたいですし、STARMARIEはこれからどんどん上に行くんだぞ! っていう意思が示せるようなライブにします! 頑張ってきます!

松崎:今回は細かいところまで凝ったステージだし、メンバーが演技するシーンもあったりと、普段観れないSTARMARIEの姿があると思います。なので、細かいところまでチェックして楽しんでもらえたらと思います!


 STARMARIEの皆さん、ライブ前にも関わらずありがとうございました! 


インタビュー:河内香奈子
◆STARMARIE「FANTASY CIRCUS ~第一幕 幻木町の怪人~」セットリスト
1.狂おしき月下の舞踏会
2.プリンセスとコメディアン
3.グッモーニンッ!!ハマムラSHOW
4.幻木町の怪人
5.屋上から見える銀河 君も見た景色
6.ガイコツたちのメンデルスゾーン
7.綺麗なレオナの肖像画
8.ブレアと天才科学者の功罪
9.魔力が消える!
10.浦薬剤研究所の新薬実験
11.本田教授のダイイングメッセージ
12三ツ星レストラン・ポールからの招待状
13.サーカスを殺したのは誰だ
14.幻木町の怪人
15.モグラミステリーツアー
16.FANTASTIC!!
17.さよならお弁当
18.メクルメク勇気!
19.ステラとスバル 宇宙のラブストーリー
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EN-2.お化け屋敷に就職しよう
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