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【ライブレポート】People In The Box、ライブDVD先行上映会で語った撮影裏舞台



 People In The Boxは波多野裕文(Vocals &Guitars)、福井健太(Bass)、山口大吾(Drums)のトリオ構成によるロックバンド。2007年にミニアルバム『Rabbit Hole』をリリースしデビュー、2008年に現在の構成となり、2009年にミニアルバム『Ghost Apple』でメジャーデビューを果たした。2017年はCDデビュー10周年イヤーとして10th Anniversary album『Things Discovered』のリリースをはじめとしてライブなどで精力的な活動を行っている。

 この日先行上映されたLIVE DVD『Cut Five』は、10周年イヤーとしての活動の、第二弾リリース作品となる。波多野は今回、音源化される前の曲を、ライブで披露した映像が収録されていることもこの作品のポイントであることをアピールしている。映像は、2017年1月27日にめぐろパーシモンホールに行われたライブの模様を収録したもの。それぞれ10曲の演奏を行った第一部、第二部のステージの様子がこの日映像で披露されるとともに、上映後は、時々笑いもこみ上げるアットホームな雰囲気の中で、ステージ/編集裏話を語るトークショーが行われた。

以外に盲点のこだわり!?「表情」



 トーク中のキーワードとしてまず上がったのが「表情」。ライブの自分のプレーしている姿を見て、福井は「こっぱずかしいですね」と口にする。すると波多野も同様に「すごく恥ずかしい」というコメント。「自分で演奏しているところを見ていると、どうしても『もっとこうしたい』みたいな、案外純粋に楽しめない感じがしますよね」と厳しい意見。対して「バンドとして俯瞰で見ると『すっげーカッケーな』って」とバンドとしての姿には満足しているようだ。



 ところが、この映像に関して「編集のときのカット希望、多かったですよね?」と山口の物言いが。その中身は、「MCはすべてカット」、「『気持ちの悪いニヤケ』が何か所か合ったものを確実にカット」というもの。なんと「秒数まで指定して」とカットしたという徹底ぶり。山口は「(波多野は)自分の笑顔に対して厳しい」と語りながらも「なんか自撮りみたいなのもしますよね…」とツッコミを入れ笑いを誘う。



 対して波多野は「(全身)全霊で楽しんでいるときの笑顔って、後で見ると悪だくみしているみたいで(笑)。そのギャップを解消したいんですよね」と返答。このコメントでも笑いが出るが、案外ミュージシャンには同じように感じる者も多いのではないだろうか?その意味では、意外にも大きなポイントでもある。

「間違いはないが、良い音を選択する」演奏の修正部分、演奏自体の評価



 また表情と同じくらい指摘が多かったのが、演奏の修正。DVDでは、演奏部分の音の修正を行ったという。一方で山口はドラムに関して「音が出てないところもありますからね」と語るも「編集とかできないですからね」とあまり修正は行わなかった模様。全体的には山口個人から見て「僕は直さなくてもいいと思ったけど…」と印象を語りながらも、ギター・ベースに関しては修正があったようだ。

 波多野は「本当は間違っていないんです。でも自分的に、この音じゃない方がいいとか、そういうのが出てきちゃうんです。だからレコーディングが好きなんでしょうね」とコメント。彼らにはライブ盤、スタジオ盤というジャンルの分類も難しいのかもしれない。こういったDVDを見ることとは対照的に、実際のライブを見に行くことにも大きな意味が感じられる。何しろその時々で、千差万別のプレーを見て、聴くことができるのだ。People In The Boxのファンは注意しておきたい。


 一方山口は、このときのライブが初日だったので「手ごたえとしてはあったけど、課題は多かったですね」とコメント。、ホールという環境が久々だったこともあり、細かく音作りをしたものの、本番のプレーはかなり難しい状況だったと振り返る一方で、ライブ前に波多野と山口がラジオに出演したことも功を奏して、演奏内容は良かったと回想する。またこの他、映像で山口が「昏睡クラブ」を演奏するときに、パーカッションの一部として使用したおもちゃ「叫ぶ! びっくりチキン」についても触れ、その見栄えの検討に苦労した点や、冬場に音が出なくなったときの対策などのユニークさにも触れ、会場を沸かせた。

メンバー個々のこだわり 「角度」は重要ポイント!?



 「リハーサルをやっているときに(カメラなんかが)目に入ってくることはあるけど、始まると結構忘れちゃいますね」と、意外にも映像収録自体にはプレッシャーを感じていないという波多野。しかしそこに山口が「必要以上に鏡を見るでしょ?」とツッコミ。そこに福井が「あまり見ない」とそっけなく答える。その言葉に、山口は「健太は、ライブ中に自分が引かないパートに入ると、(照明のないところへ)動くんですよ」と指摘する。


 さらにアーティスト写真を指さして「いや、見てくださいよ、この角度!」とツッコミを入れ、会場は大爆笑。ちなみにこのアーティスト写真のイラストは、大人気コミック『東京喰種トーキョーグール』の作者、石田スイが描き下ろしたもの。波多野は「DVDタイミングということもありつつ、10周年というのもありつつだったので、描いてもらうかということだったかと…」とこだわりのアーティスト写真となっていることを明かしている。

 そして最後にDVDの見どころとして波多野は、特典映像として収録されている「『ダイゴマンが行く! ~空から蕎麦が降ってくる~ 』ですね。蕎麦を打ってますから、あれは面白いですね」と特典映像をアピール。福井は「やっぱり僕は角度と(ステージの)定位置から退くという引き際の良さ」とトークで出てきたポイントを敢えてコメント。山口は「前作の『Cut Four』よりも、パッパッと曲に行くん(展開するん)ですよね。『Cut Four』って正直、疲れたでしょ?だから疲れないで何度も観てください」と前回作品と比較しての見どころを述べ、この日のトークショーは終了した。

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