同公演は11月14日にリリースした1stALBUM『Montage』を引っ提げ、10月19日の仙台enn 2ndを皮切りにスタートした全国ツアー。各地方では、対バン形式でライブに挑んでおり、それぞれの場所で熱き闘志を燃やした。5本目の東京公演ではワンマン形式で開催となった。
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Lenny code fiction『Montage』インタビュー
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レニーらしい空間の演出
11月14日に『Montage』がリリースされた事もあり、レニーにとって特別な日が続く事になったに違いない11月15日という記念すべき日。ファンにとっても『Montage』を手に取った次の日に、生の演奏を感じる事が出来たのは、とても贅沢な事だっただろう。
その様子を物語るように、開演前のフロアでは幸せそうな笑顔や声が多く飛び交っていた。その上、レトロ調のBGMが場内に流れており、映画好きで知られる片桐航(Vo.Gt)(以下略:航)の細やかな演出を感じさせた。まるで、今から始まるLenny code fictionの世界へ惹き込まれていくようだ。
開演時刻が過ぎ、照明が暗転。するとステージ上のスクリーンには、『Montage』の曲名を漢字2文字で表現した、プロモーションビデオが流れていく。SEである『Montage』がバックで大きく鳴り響くと、KANDAI(Dr)が観客のクラップに導かれるようにステージへ。
KANDAIの轟くドラムソロで一気に、観客の心を鷲掴みにすると、kazu(Ba)、ソラ(Gt)が続けて登場。スポットライトがメンバーそれぞれを光輝かせながら、楽器隊による迫力ある巧みな音の空間を彩っていく。
そして、フロントマンである航がステージに姿を現すと、「5本目、東京ワンマンライブ、duoぶちあげていきましょう!よろしく!」と威勢の良い声を放つ。今宵の幕開けとなったナンバーは、『Montage』の2曲に収録されている、魅惑的な攻撃ナンバー『Snatch』だ。同曲を象徴させるような赤い閃光が場内を、目まぐるしく照らす。その中で宣戦布告感をたっぷり詰め込んだリリックで、彼等なりの挑発をやってみせた。
「手加減なしで、ぶっ飛ばして行きますよ。これが俺達の真骨頂!ライブっていうのはこういうもん。ぶちかまそうぜ!」と航が観客を煽ると、『Montage』のリード曲『Enter the Void』を投下。ハロウィン感を意識した怪しさを漂わせる同曲で、レニー流の勇ましさを、見せつけた。
序盤からアクセル全開のナンバーを続々披露すると、ここでMCへ。航はフロアを見渡しながら「気持ちいい~!!楽しくね!やばいわ~」とライブが迎えた喜びを露わにする。
続けて、同ツアーが成功している訳を考えたという航は「リーダーのkazuが泥酔してないから(笑)」と茶目っ気たっぷりに、kazuとのエピソードを明かした。
その後も、バンド人生で味わった悔しい思いを語ると「俺がバンドを始めた瞬間に歌いたいなって思った景色と、歌いたいなって思った曲が全部繋がっている気がします!」と熱きメッセージを届け、『Make my story』へ突入。聴いてくれた人が主人公であって欲しいと願う、彼等なりの想いを披露した。
続けて、出会いの一瞬を歌った『Ruby’s day』で暖かみのある大切な時間を生み出してくれていた。
俺達のやりたい事を全力でやっていきます。
後半戦では、音色へのこだわりを存分にアピールした『欲を纏う』を披露。「心動かすものだけ見ていたい 目に余る 慰めじゃなく」というフレーズを情熱的に歌い上げ、彼等なりの音楽という“欲”と“衝動”を叩きつけた。
熱を帯びる楽曲で攻めたあと、ソラのアルぺジオがそっと場内に鳴り響く。その音を筆頭に、kazu、KANDAIの厚みのあるサウンドで感涙のバラードナンバー『オーロラ』へ。淡い白と暖かみのある黄色の明かりがステージを照らし、その空間の中で航は人々の心に突き刺す切ない声と想いを放った。
後半のMCでは、ソラが『Montage』の裏話について語り始めた。「『Vale tudo【MAKE MY DAY】』でため息が入るんだけど、そこでため息選手権をやったんです。誰が一番エロいため息を出せるかやったんだけど…」と話すと、続けてKANDAIが「ソラが1番で俺が3番だったんだけど、航が「1か、3ね!」って言って選択肢がなかったんだよ!!(笑)」と面白エピソードを明かした。
それに対しkazuは「ため息をやったあと、ミキシングルームでめっちゃでっかい笑い声が聴こえたよ!!(笑)」と当時の出来事を振り返った。
その後も、レニー流の挑発ナンバーを立て続けに炸裂。乱れるように拳を振り上げる空間が広がった。
再びのMCで航は、最近のインタビューで「今回のアルバムで優先したものは、みんなが求めているものですか?それとも自分が本当にやりたいことですか?」と問われたことを話始める。
「俺はその場ですぐに、求められているものを全部詰めましたと言いました。昔バンドを始めた18歳の頃だったら、自分のやりたい事しか入れてねえっす。って答えていたと思う。知識もなかったから俺の出来る事を詰めて曲が届けばいいと思っていた。でもそれが求められているものと違うし、それは俺の技量だけだった」と吐露した。
「自分のやりたいことだけじゃなくて、俺のやりたいこととみんながやりたい事、欲しいものが一致できるバンドになりたいと思って、このライブ、アルバムを作りました。本当に大切に作ったので、大切に聴いてください」とアルバムへの想いを熱く述べた。
続けて「そんな想いで、俺が初めて大切やと想って、人の為を想って書いた曲をやります」と更に熱意のある言の葉を投げかけると、『Flower』へ突入。レニーが作る明日への光、人々の心をそっと救い出してくれるそんな気持ちを、送り届けてくれた。『Flower』という曲名の通り、フロアでは沢山の笑顔が咲き誇っていた。
最後に航は「10年後、20年後、どっかすげーステージでやっても『Montage』ツアーで来てくれた人たちが、来てくれなかったらまじで寂しいから、それまで求められたものを書くために、俺達のやりたい事を全力でやっていきます。本当に今日はありがとうございました!」と感謝を述べ、『Montage』のラストを飾っている『Twice』で最高のフィナーレを迎えた。
本編は終わりを告げたが、ステージのスクリーンには、古い映画に出てくるような幼い外人の少女二人が新聞を読んでいる映像が流れる。その中で『Lenny code fiction LIVE TOUR 2018-2019 "Montage"』のファイナル公演を、2019年2月2日に渋谷CLUB QUATTROで行う事を発表。
レニーらしい映画のような告知の仕方に、観客も嬉しそうであった。
Lenny code fictionがもたらしてくれた、喜怒哀楽という人間そのものの感情。彼等がくれる音楽は人々に一筋の光をくれる、そんな希望のようなものを感じる一夜だった。
TEXT:橋本美波
PHOTO:タカハシハンナ
SERINA
Lenny code fiction LIVE TOUR 2018-2019 ”Montage”セットリスト
1.Montage(SE)2.Snatch
3.Enter the Void
4.KISS
5.Romance
6.Make my story
7.Ruby’s day
8.Key -bring it on, my Destiny-
9.Colors
10.欲を纏う
11.オーロラ
12.Showtime!!!!
13.Alabama
14.Rebellious
15.Vale tudo【MAKE MY DAY】
16.Flower
17.Twice