この日お披露目されたのは、現役&元アイドルが集結した実力派で1年間限定アイドルユニットの“SAISON”。
虹色の飛行少女の山岸奈津美をはじめとする7名で結成されたラブリーな王道アイドル“LOVEME”。
そして、“日本最強のコンカフェ嬢”の呼び名を持つ岩瀬唯奈がプロデュースするロックアイドルユニット“RALF”。
個性あふれる3組それぞれのお披露目ライブの模様をリポート!
ハードなロックサウンドに女の子のガチ本音を乗せて歌うRALF
3組同時お披露目ライブ、1組目として先陣を切ったのは“日本最強のコンカフェ嬢”岩瀬唯奈が全面プロデユースを務めるガチロックアイドルユニットRALF。
メンバーはライブ配信アプリのミクチャと合宿からなる過酷なオーディションを経て合格を手にした黒音れも、桜乃みく、水瀬マナ、望月おんぷ、柚木沢るなの5人だ。
客電が落ち、期待感でいっぱいの会場に流れたのは“ガチロック”の名に恥じないラウドなサウンド。
メンバーたちの“オイ!オイ!”の煽りが響く。
「いくぞー!」の声に合わせて登場したのは、全身真っ黒でかわいくもセクシーな衣装に身を包んだ、従来のアイドルとは一線を画したいでたちのメンバーたち。
頭の“けもみみ”はグループ名の由来でもある“狼になりたいうさぎ”のごとく、狼の耳のようにもうさぎの耳のようにも見える。
クールさと可愛さが同居する登場のイメージそのままに1曲目の『レイトマジョリティ』、2曲目の『下剋上アリス』とロックなナンバーを畳み掛けていく。
“追従者”という意味のタイトルを持つ『レイトマジョリティ』では周りに合わせ流されて生きる女の子を皮肉ったかのような歌詞が並び、『下剋上アリス』では下らない上司(先輩?)に対し「一発おみまいしちゃおうか」と歌う。
“女の子の感情をどストレートに”というコンセプト通り、どストレートでリアルな女の子の感情にパワフルでロックなサウンドが加わった彼女たちのパフォーマンスは、その相乗効果で観るものに強いインパクトと個性を植え付けていく。
このまま強いイメージの曲が続くのかと思いきや、名前とともにメンバーカラーを紹介した短いMCを挟んで始まった3曲目はガラリと雰囲気を変えたポップなナンバー。
“RALFで一番可愛い曲です”とメンバーが言うだけあって「可愛くなっちゃダメですか?」と、前半2曲とは全く毛色の違うラブリーな出だしで始まるこの曲だが、実はその内容は “アップデート”していく女の子の本音を歌ったもの。
アイドルにとってタブーとも言える話題に真正面から切り込んでいく。……このユニットの“可愛い”はどうやら一筋縄ではいかないようだ。
そこから続くラスト曲は『色のないセカイ』。
「私の色は私が染めていく」と歌うRALFのコンセプトを体現したような曲で、これは自分を持って自由に生きていくという彼女たちの強い想いを込めた宣言のようにもとれる。
パワフルなロックサウンドと言葉の端々に本音が覗く歌詞、そして強く時に可愛く訴えかけるパフォーマンスで饗された全4曲のRALFお披露目ライブ。
女の子の本音をどストレートに描く楽曲群は、個性強めのビジュアルとあいまって、自由に強くありたいと願いながらも安定した群れから外れることを恐れている全ての女の子たちの共感を呼び起こすだろう。
暴力的に可愛い、愛されるために誕生したラブリー王道アイドルLOVEME
2組目はLOVEME。
“たくさんの人に愛されたい”という純粋な女の子の気持ちをコンセプトにした7人組のアイドルユニットだ。
虹色の飛行少女からメンバーの山岸奈津美がメンバーとして兼任していることでも話題になっているこのユニットの特徴は、ラブリーな魅力が詰まった、“THE 王道アイドル”感にある。
軽快なSEと“L・O・V・E ラブミー いくよ♪”の声と共に登場したLOVEMEの一曲目はグループ名そのままの『LOVEME』。
王道アイドルとして可愛いを追求したという平松可奈子デザインのキュートなピンクの衣装に身を包み、ポップなメロディに乗せて軽快に歌い踊る彼女たちの姿は、まさにアイドルど真ん中!
歌詞にも「いつだってわたしはここにいるよ」、「信じて大丈夫 離さないで」といったファンに向けて、好きな相手に向けての前向きな言葉が並ぶ。
それは、キラキラのアイドルオーラを放つパフォーマンスとともに、これから彼女たちが魅せてくれる“明るさや楽しさしかない未来”を差し示しているかのようでもある。
続く2曲目は『恋する乙女』。恋する女の子の可愛く一途な想いを綴ったキャッチーな楽曲だ。
耳馴染みのいい楽曲と、ファンと一緒に楽しめそうな振りやパートが散りばめられたこの曲は、ライブで盛り上がる一曲になるに違いない。
小休止となるMCパートでは山岸が、“たくさん愛されたい”というコンセプトを受け、“たくさん愛されるよう、私たちからもたくさん愛を届けていきたい”と語り、それぞれが独自のキャッチコピー、ニックネームとともに自己紹介。
夢に向かう自分たちの気持ちを込めた曲という3曲目へと繋げた。
3曲目は前半2曲とはうって変わって切なげなメロディが印象的なミドルテンポのバラード。
ピンクのペンライトが満ちる会場にいる一人ひとりに向けて「私だけを見ててくれますか?」、「繋いだ手を絶対に離さない」と歌うその歌は、これからキラキラしたアイドルとして生きていくことへの決意表明であり、アイドルである彼女たちからファンへ向けたメッセージソングでもあるのかもしれない。
最後となる4曲目はアップテンポで疾走感のある『フレンチトースト』。
ぴょんぴょんと弾けるようなステップと目まぐるしく変わるフォーメーションの中、変わらない笑顔で歌い踊り、ライブを締めくくった。
コンセプト同様、可愛さと耳に残るキャッチーな王道のラブソングに加え、アイドルである彼女たちからファンへのメッセージが込められた楽曲で綴られたLOVEMEのお披露目ライブ。
舞台を去るその瞬間まで笑顔を絶やさず、最後の最後までラブリー全開な彼女たちの姿に多くのファンが心をわしづかみにされたことだろう。
しなやかで大人パワフルな魅力を放つ、高熱量の時限アイドルSAISON
3組合同お披露目ライブのラスト、満を時して現れたのは真っ白な衣装に身を包んだSAISONだ。
元AKB48の鈴木まりやと岡田彩花、虹色の飛行少女として活動中の愛迫みゆと林あやのなど、アイドル経験者や現アイドルが集結して結成されたSAISONは、1年という限られた時間の中で、限りあるからこその“熱量”や“必死さ”、“本気さ”を見せていくユニットだという。
その言葉通り、印象的なピアノから始まる1曲目に披露したのは、のっけからエモさ全開のナンバー『夢見るアビス』。
1年限定ユニットである自分たちをも歌ったような歌詞を乗せ、パワフルで風格さえ感じさせるパフォーマンスを展開する。
続くロックナンバー『Sing A Hope!!』でもその力強さは変わらない。
「何百回も転んだって 何千回も立ち上がって いつか見たい景色があるから」と拳を振り上げながら歌う彼女たちに呼応してファンも拳を上げる。
早くもファンとの一体感までも手にしたステージングで、あっという間に会場をSAISONの熱に飲み込んでいく。
MCで“私たちの全てをこの1年に”というコンセプトのもと1年間突っ走っていくと愛迫が宣言してはじまった3曲目。
『始まりのLast』というこの曲は、「始めよう 最後の終わりを」という歌詞にあるように悔いのない終わりに向かって進む彼女たちをそのまま表したようなアツさを伴っている。
その高い熱量を維持したままライブは続き、ついにラスト4曲目の『My ONLY SAISON』でバーストする。
力強さとしなやかさが共存し調和した『My ONLY SAISON』。
表現が難しいであろうこの曲のパフォーマンスは、まさにこの限られた時間の中で全力全霊をかけてアイドルを生きる彼女たちの想いと熱が詰まっているように思えた。
7人全員がソロパートを担当し、個々の魅力と個性を生かした構成でありながら塊としてのまとまりも持つ。
その姿は、お披露目とはいえ全員がすでに何年ものステージ経験を持つSAISONならではのものなのかもしれない。
彼女たちがこの1年でどんな成長と活躍を見せてくれるのか、今から楽しみだ。
黒を基調とした衣装でパワフルでありながら女の子の危うさや弱さも見せるロックアイドルユニットRALF。
ピンクを基調とした衣装で可愛さ全開、王道アイドルとしてまっすぐにファンに訴えるLOVEME。
そして純白の衣装に身を包みダイナミックかつしなやかなパフォーマンスで魅せるSAISON。
カラーも方向性も全く異なる3組の合同ライブは、お披露目とはいえそれぞれが持つ魅力を出し切った、饗宴とも呼ぶにふさわしいものとなった。
これから3者3様の活躍を見せていくであろう彼女たちに今後も注目していきたい。
各ユニットが出演するライブやフェスも次々と決定中。
SNSや公式HPで推しユニットの情報をチェック!
TEXT 川畑貴美代(マイリブズ)
セットリスト
RALF
1. レイトマジョリティ2. 下剋上アリス
3. キラキラアップデート
4. 色のないセカイ
LOVEME
1. LOVEME2. 恋する乙女
3.だって、私アイドルだから
4.フレンチトースト
SAISON
1. 夢見るアビス2. Sing A Hope!!
3.始まりのLast
4. My ONLY SAISON