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【ライブレポート】5つの鼓動が重なり、一つの生命体となる。きみとバンド新体制ツアー「NEW STORY」、赤羽で鳴らした“確信”の音。

2026年6月28日(日)、赤羽ReNY alpha。この場所で、5つの音が重なり合い、新たな生命の鼓動が打ち鳴らされた。 今年2月、松里音杏(Ba)と菊池あず(Syn)の加入が発表され、大きな転換点を迎えた「きみとバンド」。彼女たちが開催した新体制ツアー「NEW STORY」の東京公演は、単なるライブの枠を超え、新体制が放つ“確信”を刻みつける一夜となった。かつて3人で立った赤羽のステージに、5人という最強の布陣で帰還した彼女たち。その進化の軌跡と、熱狂の渦に包まれた赤羽の情景を、ここにレポートする。

5人のアンサンブルが証明した、紛れもない“バンド”の現在地

赤羽ReNY alphaのフロアを埋め尽くしたオーディエンスの熱気が、開演直前のわずかな静寂の中で、まるで沸点へ向かう水のように揺れていた。2年前、この地で3人の「きみとバンド」が描いた景色を、私たちは知っている。
しかし、今のステージに立つのは、大野真依、清原梨央、森田理紗子、松里音杏、菊池あず。5人のプレイヤーが揃った今、この場所は単なる「帰還」の地ではない。彼女たちが新体制として、紛れもない「バンド」であることを証明するための、新たな出発点だ。


SEが鳴り響き、メンバーが定位置につく。大野が叩き出す力強いビートが、張り詰めた空気を切り裂いた。

1曲目の「BACK LIGHT」。突き抜ける森田の歌声と、それを支える清原のコーラスが重なった瞬間、確信した。この5人は、もう止まれない。新メンバー・松里の重低音と、菊池のシンセが加わることで、バンドの音像はより立体的になり、以前よりも強固な「生命体」としての輪郭を成している。フロアの腕が突き上げ、おいおいと声を上げるオーディエンスの姿が、それが決して過信ではないことを物語っていた。


続けて「はなればなれ」を間髪入れず熱いパフォーマンスで披露すると、清原が口を開く。「めっちゃ、人がいる!」。ステージからフロアを見渡した清原の瞳が、驚きと喜びに満ちて輝く。新体制初となる東京でのワンマン。過去にこの地に立った時は3人だった「きみとバンド」が新たなメンバーと共にこの場所に帰ってくることができた。バンドとして、信頼できる仲間と共に立つその事実は、彼女たちにとって何物にも代えがたいNEW STORYの幕開けだ。

「ツアーは3カ所目! ぶち上げていかないと!」「盛り上がる準備はできていますか!?」とフロアを煽ると、ライブは「キミコネクト」へとなだれ込んでいく。

森田が「もっと!もっと!」と煽るとオーディエンスはその言葉に呼応するように、熱く声を出し、クラップをフロアに響かせる。
彼女たちのバンドアンセム、お立ち台の上で小気味なギターソロを清原は鳴らすと、会場のボルテージはさらに上昇する。完璧な立ち上がり、「きみとバンドの音楽とな何たるか」をステージ上で体現し続ける。「High!な曲を!」とスタートした「So High!」では、〈High!〉という掛け声の中で飛び跳ねるオーディエンス。最高の一体感を武器にきみとバンドはライブを駆け抜けていく。

5つの個性を束ねる“歌”の力――挑戦的な新曲『OFFBEAT』がもたらした新境地

ライブは中盤戦。森田が「大変お待たせしました」と口を開くとこれから新曲が披露されることがアナウンスされた。沸き立つオーディエンスに丁寧に楽曲について語る森田の姿。続けて「難しすぎて披露するまで時間がかかってしまった」と気持ちを吐露すると、始まった新曲「OFFBEAT」。その鳴り音はソングライターである森田理紗子がメンバー託した挑戦状のようにも聴こえた。


難易度の高いサウンド、ギターのアルペジオが繊細に鳴り響くと森田の歌声が波紋のように広がり、音像が開けていく。
これはきっと彼女たち自身の歌、5人それぞれの血が音の細部まで通い、バンドとして新たな命が息吹く。一つの生命体となったその音の葉が、フロアに押し寄せ、その音にオーディエンスは熱狂する。その熱狂の中で、この場にいるすべての人間が彼女たちの進化を全身で浴びていた。

新曲が披露できたことを喜ぶと、「ラスト2曲です」と再びギアを入れ直した5人。

定番曲「恋のモンスター」が鳴り響くと、ツインギターが織りなすポップでカラフルなアンサンブルが赤羽の空気を塗り替える。

フロアのシンガロングは一つの合唱となり、駆け抜けるBPMと、菊池あずのシンセの煌めきが、聴く者の心を昂ぶらせた。そして本編ラストの「∞YAKEN」。


多幸感に満ち溢れたこの場所で、森田が「赤羽好きやけん!」と叫ぶその声に、フロアから特大のクラップが応える。
曲のラストはドラムの大野を中心にメンバーが寄り添い、最後の一音を掻き鳴らす。
あの姿は、きみとバンドが正真正銘のバンドだということの証明。ステージの中心で5人で一礼する姿は、新体制の「確信」そのものだった。

境界線を飛び越えて――バンドの枠に収まらない、5人のエンターテインメントの極致

ライブの本編が閉じても、漂う幸福の余韻。オーディエンスたちは「アンコール、アンコール」と声を枯らしながら、彼女たちの登場を待つ。
再び姿を現した5人に拍手喝采が送られると、冷めやらぬ熱気に圧倒される5人。



MCでは、本ツアーの追加公演が11月からスタートすることがアナウンスされ、大きな歓声がフロアを包んだ。


さらに熱気が高まった赤羽ReNY alphaで彼女たちは楽器を置き、パフォーマーとしての顔を魅せる。息の揃ったダンス、扇子を手に舞い踊る和の演出。
バンドという枠を超えた、彼女たちの新たなエンターテインメントの形を提示しつつ、きみとバンドは最後の最後までフルスロットル。

ラストの「ヲタロック」でこの日一番の一体感が生まれる。彼女たちがフロアに撒いたキラキラ光る指輪、そしてシュシューー。その光が会場を彩り、最高の空間が創出される。全力で楽しみ、全力で駆け抜けたきみとバンドのオンステージ。「またライブハウスで会いましょう」。

そう言ってステージを去った彼女たちの背中は、これまでより広く、より力強い未来を見据えていたはずだ。


Photo:熊 博之
Text:笹谷淳介


きみとバンド|プロフィール きみとバンドは、SNSを中心に人気を拡大しているガールズバンド。2020年に愛媛県で結成され、その後メンバー全員が上京。東京を中心に全国で活動している。 ドラムの大野真依、ギター清原梨央、ボーカル森田理紗子の3名に加えて、2026年2月には新メンバーとして、···

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