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【インタビュー】「どんな困難も、最強の装備とこの仲間となら笑い飛ばせる」。強くてにゅーげーむが泥臭く紡ぐ、『強FES!!』の先に見据える武道館への物語

10年という歳月は、めまぐるしく変化する現代のアイドルシーンにおいて果てしなく長い。「TA女子」として泥臭く10年間の歴史を積み重ね、その経験値と武器のすべてを引っ提げて「強くてにゅーげーむ」へと改名。しかし、再スタートを切った彼女たちを待っていたのは、決して順風満帆な道のりばかりではなかった。 体制の変化やいくつもの試練に直面しながらも、彼女たちは一度も下を向くことなく、本音でぶつかり合い互いを補い合う固い絆を胸に、SUMMER SONICをはじめとする大型ステージで大きな爪痕を残してきた。100組のアイドルを巻き込む主催イベント『強FES!!』の富士急ハイランド開催、そしてその先に見据える日本武道館という大きな夢まで——どんな困難も「もう一回」と力強く笑い飛ばして突き進む、彼女たちの泥臭くも眩しい魂の軌跡に迫る。

「とりあえず集まった」少女たちが、命を燃やす場所を見つけるまで

──まずは自己紹介と、それぞれのアピールポイントからお願いいたします!

ミスエル・サキ:強くてにゅーげーむのミスエル・サキです!アピールポイントは、この深いエクボと、とにかく声が大きいこと!楽屋の廊下の端から端まで普通に喋っているだけで声が突き抜けるらしくて、「あ、今サキさん来たな」って一発でバレちゃうレベルなんです(笑)。

うじえちゃん:ライトブルー担当のうじえちゃんです!アピールポイントは、よく喋ることと一発ギャグが大好きなところです!よろしくお願いします!

クロノ・ネコノ・ナナコ:黒色担当、身長145センチのネコ耳ギャンブラーアイドル、クロノ・ネコノ・ナナコです!毎日パチンコに通い詰めています! ギャンブル大好き!よろしくお願いします!


──アイドル界でも最近、ギャンブル好きを公言される方がオープンになっていて興味深いですね。

ミスエル・サキ:確かに、増えましたよね?!

クロノ・ネコノ・ナナコ:隠さず堂々と言える時代になって良かったですよ……(笑)。


──(笑)。では、皆さんがアイドルや音楽の世界を目指したきっかけについても伺わせてください。サキさんはいかがでしたか?

ミスエル・サキ:私はもともと、ももいろクローバーZさんが大好きで!高校生の時に友達とダンスを完コピして踊ったりしていたんです。最初は「ももクロに入りたい!」って本気で思って歌詞もフリも完璧に覚えたんですけど、冷静に「あ、私ってアイドルキャラじゃないな…」と気づいて(笑)。でも歌うことが大好きだったのでスクールに入ってオーディションを受けて、色んなご縁が重なって今のグループに行き着いた感じでした。

うじえちゃん:実は私たちの所属事務所の社長が、もともとボーカルレッスンの先生だったんです。そこに「歌を習いたい」って集まってきた女の子たちに「ちょっと一緒にアイドルやってみない?」って声をかけたのがすべての始まりだったんですよね。


──なるほど。最初から歌唱力を磨くために集まった皆さんだったのですね。うじえちゃんのきっかけはいかがですか?

うじえちゃん:私は小学生の頃、本当にやりたいことも夢も何もない子どもだったんです。みんなが「ケーキ屋さんになりたい」とか書いている中でボケーっと生きてて。でも小学6年生の時に『ミュージックステーション』で同世代の松井珠理奈さんがキラキラ輝いているのを見て、雷が落ちたような衝撃を受けたんです。「私も誰かを笑顔にしたい!」って。そこからオーディションを受けまくったんですけど落ち続けて…まずは歌をしっかり学ぼうとボーカルスクールに入ったのがきっかけでした。


──まさに「とりあえず集まった」ところからスタートしたわけですね。ナナコさんはどういった経緯で加入されたのでしょうか?

クロノ・ネコノ・ナナコ:私はもともと2.5次元舞台やミュージカル、特に『美少女戦士セーラームーン』が大好きで。「セーラー戦士になりたい!歌って踊って人の心を動かしたい!」と思って事務所に入ったんです。それで前身グループ「TA女子」のライブを初めて観に行った時……本当に衝撃を受けて泣いちゃったんですよ。


──TA女子のライブに強く心を揺さぶられたんですね。琴線に触れた楽曲を覚えていますか?

クロノ・ネコノ・ナナコ:「とりあえずなにかやってみようよ!」という曲です! 歌詞の中に〈挫けることも涙することも誰だってあるさゼッタイ だけどそうそれは3万ピースの背景の1ピースさ〉という歌詞があって……!

うじえちゃん:人の人生はおよそ「3万日」と言われていて、辛いことや折れそうな日も、人生という壮大なパズルの大切な1ピースなんだよっていうメッセージが込められた曲なんです。

クロノ・ネコノ・ナナコ:そうなんです!その歌詞を聞いた瞬間、「なんて素晴らしい曲を歌うグループなんだろう」って感動して。「私もこの人たちと一緒に、誰かの心を動かしたい!」と思って加入を決めました。

装備と経験値をすべて引き継ぎ、強くてにゅーげーむ

──前身の「TA女子」から、10年の節目で「強くてにゅーげーむ」へと改名された経緯について改めて教えていただけますか?

うじえちゃん:最初はお話した通り、「とりあえず集まった女子」。前身の「TA女子」というグループ名も「とりあえず集まった女子」の略なんです。そこからスタートして、10年間、コロナ禍も含めて泥臭くライブと向き合い続けてきたら、ファンの方から「もう“とりあえず”の熱量じゃないよね」って言っていただけるようになった。

10年という節目のタイミングで一新しようと改名を決めた時、プロデューサーがげーむ好きということもあり、「RPGで一度全消去するんじゃなく、これまでのレベルも武器も防具も全部引き継いだまま最強の状態でスタートする『強くてにゅーげーむ』って、今の私達にぴったりじゃない?」と提案してくれて、この名前になりました。


──積み重ねてきた10年の重みと実績があるからこその素晴らしいネーミングですね。サキさんは改名のお話を聞いた時、どう感じられましたか?

ミスエル・サキ:ぶっちゃけ最初は「TA女子ってなんかちょっとダサいな…」ってずっと思ってたんですよ(笑)。活動を重ねるにつれて曲もライブスタイルもカッコいいロック調に進化していたので、グループ名とのギャップを感じていて。だから「強くてにゅーげーむ」に変わった時は、「これからは堂々と強くカッコよく胸を張っていける!」ってめちゃくちゃモチベーションが上がりました!


──ライブでの圧倒的な臨場感も皆さんの大きな魅力ですが、具体的に他とは違う“強み”はどこにあると考えていますか?

ミスエル・サキ:私たちは毎回「二度と再現できない生きたライブ」をしているという自負があって。一般的と言ったらアレですけど、アイドルのライブってあらかじめ決まった音源、CD出しの音源でセトリ通りにライブをすることが多いと思うんですけど、私たちはプロデューサーが現場でPC出しの音源でステージ上の私たちと“阿吽の呼吸”でリアルタイムにライブを作っているんです。

私がセトリを組むのですが、フロアの空気感を見て「今日の客席の熱量ならラストはこの曲じゃない!」と感じたら、ライブ中に突然「すみません、曲変更します!」って止めて別の曲に切り替えることもあります。


──ライブって生モノだし、そのこだわりは素晴らしいと思います。ただ、メンバーやスタッフの皆様にも凄まじい臨機応変さが求められるのでは?

ミスエル・サキ:そうなんです!でもメンバーもスタッフさんも即座に対応してくれる。だからこそ日によって全く違うドラマが生まれますし、二度と同じライブは作れないのが強みですね。

うじえちゃん:「強くてにゅーげーむとは?」と聞かれたら、“雑食”って言葉が合うかもなと思いますね。本当に楽曲もめちゃくちゃ幅が広くて! 一つのジャンルに偏るのではなく、いろんな楽曲をさまざまな魅せ方で皆さんにお届けできる。だからこそ、ライブハウスや野外フェスなど、場所を問わず、その場にあった魅せ方、「強くてにゅーげーむとはこういうグループだ!」と胸を張ってパフォーマンスできる。ここは強みだと思う。


──素晴らしいですね。ナナコさんはどうですか?

クロノ・ネコノ・ナナコ:ふたりが全て言ってくれた感が否めませんが……。個人的には、何度負けても立ち上がって強くなっていくグループだなと思っています。そんな姿を皆さんに曝け出すことで、「明日も頑張ろう!」という活力を与えられるグループなのかなって。


──なるほど。ナナコさんがライブをする際にテンションが上がるシチュエーションってありますか?

クロノ・ネコノ・ナナコ:うーん、今パッと光景がフラッシュバックしてきたんですけど、やっぱり私たちのライブってファンの方の熱量もすごいんですよ! 「手を上げて!」と煽れば一斉に手が上がりますし、ファンの方同士が肩を組んで揺れながら私たちのライブに呼応してくれる。

ミスエル・サキ:あと、一緒に歌ってくれるしね。

クロノ・ネコノ・ナナコ:そう! 以前、「Continue。」という楽曲をライブで披露した時、うじえちゃんが落ちサビの後、フェイクを入れるんですけど、そのライブでは喉の不調でフェイクができなくて……。

うじえちゃん:あったね! でも何故かフェイクが聴こえてきたんだよね。ファンの方にも「今日も、歌ってたね〜!」って言われて(笑)。でも私、フェイクは歌ってないんですよ!誰が歌っていたかというと、そのライブに来てくれていたファンの皆さん。高い原キーの音でフェイクを歌ってくれていて(笑)。

クロノ・ネコノ・ナナコ:それってすごいことじゃないですか!? 熱量がないと絶対にできないライブだと思うんです。だから、結構面白いんですよ、私たちのライブは。面白いし、楽しいし、元気になれる!


──その熱いパフォーマンスが評価されて「SUMMER SONIC」などの大きなステージも経験されていますが、そうしたステージに立ち続けられる“強さの理由”って? 3人が感じていることはありますか?

ミスエル・サキ:やっぱり「誰も置いていかないライブ」を徹底していることですね。初めて来てポツンとしている人がいたら「あ、そこ大丈夫?もっと前においで!」って直接声をかけたり、客席に降りてレクチャーしたり。いつでも世界一あたたかいフロアを作ろうと意識しています。

うじえちゃん:内面的な話をすると、10年近くずっと一緒にいるからこそ、本音でしっかり言い合える関係性が大きいと思います。グループって些細なすれ違いで解散してしまうことも多いと思うんですけど、私たちは違和感があったら絶対に話し合う。だから喋らなくても「あ、今こう思っているな」って伝わる阿吽の呼吸があるんです。……まあ、私の体型の変化にもすぐ気づかれて、「今日お尻いいね」とか「なんか今日小さくなった?」とか言われるくらい全部を知り尽くされてるんですけど(笑)。

クロノ・ネコノ・ナナコ:本当にそうだよね(笑)。個人的には、私自身がプライベートで結構やらかしがちな人間なんですけど……それをいつもこの2人と、プロデューサーやマネージャーが優しく補って助けてくれるんです。支えてくれる全員への感謝があるからこそ、この強さが生まれてるんだと思います。

7人から3人へ——試練の波を越えて咲く、魂の推し曲

──改名後の時間は、体制変更を含めて激動の日々だったかと思います。振り返ってみていかがでしょうか?

うじえちゃん:再スタートを切った時は7人だったのですが、少しずつメンバーが減り、今の3人体制になりました。「ここからだ!」という時にうまくいかない歯痒さもありましたね。ノリに乗っていくだけではなく、げーむだって一筋縄ではいかないじゃないですか。試練があるからこそ面白い。10年の絆と経験値があるから、大変なことも全部楽しさに変えられています。

クロノ・ネコノ・ナナコ:本当に怒涛の“激情”の日々でしたね。歌割りも増えて、体力や喉の限界と戦う日々。私たちの曲って結構難しいんですよね。だから改名してからの3年間は、“激情”。激しく感情が揺れ動きながらも、ここまで成長できたかなと思います。


──過酷な道を歩んできた皆さんだからこそ響く、『推し曲』と心に残るフレーズをこれまでリリースした楽曲の中から教えていただけますか?

クロノ・ネコノ・ナナコ:私は、「指さされヒーロー」。冒頭の<ちょ、なにしょげてんだらしくないじゃないか さあほら顔上げて>というサキちゃんのフレーズを聞くだけで、自分が落ち込んで病んでいる時に2人がそっと手を差し伸べてくれた光景が浮かんできて……毎回泣きそうになります。本当に大好きな曲です。

うじえちゃん:私は、最新曲の「Continue。」。実は昨年、身内が亡くなったり色々なことが重なって極限まで落ち込んで、「もうアイドルを辞めようか」と本気で悩んでいた時期にできた曲で。歌詞のすべてが自分に突き刺さったんです。

特にラストの〈届けたい夢がまだあるから 挑み続けるよもう1回!!〉というフレーズ。ライブで「もう一回!」と叫ぶたびに、「どんなに倒れても、あと一回だけ立ち上がろう」と思える。私と同じように苦しんでいる人やアイドル仲間にも、もう一度立ち上がる勇気を届けたいです。

ミスエル・サキ:私は、自分が作詞を担当した『Shining wave』です。〈終わりなどない道の果ての行く末 挑み続けた先の色を知りたくて〉という歌詞を書きました。夢への道に終わりなんてなくて、自分が諦めない限り続いていく。10年間挑み続けてきた私たちが、その果てにどんな景色を見ることができるのか。自分たちの人生の結末をこの目で見届けるために、私は走り続けています。

渋谷サーキットから富士急ハイランドへ、目指すは武道館、そしてアイドル界全体の底上げ

──“挑み続ける”という3人の姿勢は、主催フェス『強FES!!』からも感じ取ることができるというか。昨年渋谷を舞台にアイドルとファンの皆さんを巻き込んだサーキットフェスが、今年は舞台を富士急ハイランドへ移動し、総勢100組のアイドルが集結します。

うじえちゃん:はい! 未だに実感が湧かないくらい凄まじいことになっています!富士急ハイランドさんの敷地内に特設ステージを作っていただくんです。去年は100組全出演者さんの楽屋に挨拶に行ってコラボ動画を撮るなど泥臭く熱量を伝えてきたのですが、その姿勢を評価していただけて。「強にゅーさんのイベントならぜひ出たい!」と言ってくださる素敵なアイドルさんばかりで本当に感謝しかありません。

ミスエル・サキ:富士急さんは入園無料! 一般の行楽客の方々にも観ていただける最大のチャンスなんです! 色んな素晴らしいアイドルがいることを知ってもらいたいですし、私たちも最高のライブを届けます!


──今から楽しみですね! 最後に、グループとしての今後の目標と展望をお聞かせください。

うじえちゃん:目標は「日本武道館でのワンマンライブ」です!そして何より、自分たちだけじゃなく、光が当たり切れていない素晴らしいアイドル仲間たちと一緒に、アイドル界全体を底上げしたい。どんなに泥臭く小さなスタートでも、ここまで来れるんだぞっていう希望の光に、私たちがなりたいんです!

ミスエル・サキ:どんなに体制が変わっても応援し続けてくれたファンやスタッフに「ここまで来たよ!」って武道館の景色を見せたいです。アイドルという枠を超えて、「強にゅーの曲を聞いたら明日も頑張れる!」と思ってもらえる存在として、命ある限りこのストーリーを走り続けます。10月10日、『強FES!!』富士急ハイランドで皆さんを待っています!

TEXT 笹谷淳介
PHOTO 若狭健太郎(krayG monkey)

10年の時を超え『強くてニューゲーム。』強くてニューゲーム。 ハシビロ・光、ミスエル・サキ、クロノ・ネコノ・ナナコ、うじえch、オカ・エリの5人からなる、本格派ロックアイドル。 前身グループ10年の活動を経て、経験とステータスは引き継いでリスタート。 前身グループ豊洲PIT単独公演!! ···

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