“切ない恋愛ソング”というイメージからの脱却
──『アイマイ』が8月14日にリリースとなりましたが、今のお気持ちはいかがですか?
まるり:今までは、失恋ソングや、なかなか幸せになれない女の子というような歌が続いていて、まるりといえば“切ない恋愛ソング”というイメージが付いていたと自分でも思っていました。『アイマイ』も切ない曲ですけど、今までと少し違う感じにしたいと考えていたんです。より「女の子に届け!」という想いでリリースしたので、いつもよりは女子力高めな失恋ソングになっていて、女の子からの反応が多かったと思います。私としては、新たな1歩が始まったという感覚ですね。
──女の子からの反応が多かったということですが、どういった反応だったのでしょうか?
まるり:プリンセスっぽいという反応が多かったです。ジャケ写もプリンセスが泣いているイラストで、今まではバンド・サウンドが多かったんですよ。エレキギターでギターソロがあったり、激しいドラムサウンドみたいなもの。今回はハープやバイオリン、ピアノといった優しい音を多く入れたので、女の子からの反応がいつもより多くて、切ないけどカワイイみたいな感じで、「失恋したけど、やっぱり恋って楽しいよね」という言葉をもらいました。聴いた後に、「恋してる自分カワイくない?」みたいに思ってほしいです。
対話で見つけた、まるりの新しい世界観
──初めて女性プロデューサーのCHIHIROさんと制作されたそうですが、制作時にどのようなやりとりがありましたか?まるり:数えきれないぐらい、めちゃめちゃやり取りをしました!とにかく私の恋愛観とかを夜中に長文でLINEしたり、カフェでお話をさせてもらったんです。自分の体験してきた恋愛と少し離れた恋愛ソングに対して今までは想像で書いていた歌詞も少しあったんですが、「もっとリアルな曲にしたくない?」という話になったんです。タイトルは『アイマイ』だけど、曖昧すぎる表現じゃなくて、とにかく分かりやすく共感できるような真っすぐな表現にしようというやり取りがありました。
それから、ただの失恋ソングにはしたくなくて、今までとはガラッと変えたい、女の子に届けたいという想いもすごくお話させてもらった上で、「それなら、まるりちゃんにしか出せない世界観ってなんだろうね」というのを追求していたら、すごく時間がかかっちゃいました。CHIHIROさんと会って、一緒にやりましょうとなってから、このタイミングのリリースでしたが、ただ曲を作るだけではなくて、「まるりといえばこれだよね」という自分のコンセプトを一緒に考えてもらいました。
──その「まるりといえばこれだよね」の具体的な内容はどういったものですか?

まるり:本当にずっと見つからなかったのですが、周りの友達やマネージャーさんに私の第一印象を質問したんです。そしたら、「おてんばなプリンセスっぽい」という風に教えてくれて、「ちょっと待って!それめっちゃよくない? そうかも!」と気づいたんです(笑)。
女の子っぽいものがすごく好きで、今日も鞄の中にはピンクのものばかりですし、実家も、今の住んでいるところもピンクとか白いものばかりなんですよ。それから、自分が歌手を目指すきっかけも、子供の時にディズニーの「白雪姫」の劇中歌をずっと歌っていたことがきっかけなんですけど、私の原点はディズニープリンセスだったことを再認識しました。
しかも、ディズニープリンセスっぽいディズニーの曲はあるけど、それを曲に落とし込んでいる恋愛ソングはあまりないと思って、うまくプリンセス感を恋愛ソングへ入れることができれば、ディズニーやカワイイものが好きな女の子たちに届けられるんじゃないかって思ったんです。それに、失恋ソングが多いのに自分の性格が明るいタイプなので、そこのギャップもすごく感じていたところではあります。
──でも、そのギャップがまた良いのかもしれませんね。
まるり:病みっぽさがなく、どうしてもカラッとしちゃっているなと(笑)。だから、恋愛でつらくても、恋をしてつらい自分も好きというように、あまり自己肯定感が下がらないような恋をしてほしいと思っちゃうんですよね。
CHIHIROさんとたくさんお話をする中で、「そういうまるりちゃんの明るさも入れたらいいんじゃん」ということをおっしゃっていただいて、『アイマイ』からジャケ写でも一目で分かるぐらいのプリンセスっぽさを出して、アー写もこのタイミングで変えました。だから、自分の中では“大人プリンセス”として、“自分の歌でみんなに魔法をかける”というコンセプトが今回から決まったんです。
“大人プリンセス”感が満載のジャケ写とアー写
──ジャケ写のお話がありましたが、『アイマイ』のジャケ写のこだわりポイントを教えてください。
まるり:私も29歳という年齢になって、20代前半の頃とはいろいろと考え方も変わってくる年代ですし、30歳になるとまた環境も変わるじゃないですか。周りのみんなが結婚したり、「もう私30だから」というセリフが増えてくる年代というか(笑)。「もうミニスカートはやばいかな」みたいな感じになってくるんですよね(笑)。それを気にしないでと言っても、全部を気にせずに行こうというのは難しいと思っています。だから、カワイイは捨てたくないけど、過度な感じにはなりたくないというところから、ただのプリンセスじゃなくて、“大人プリンセス”というコンセプトで、あえてシンプルにしました。
イラストもシルエットにして、色もピンクが恋愛の気持ちで、青が涙や悲しい失恋というイメージから、曖昧などっちでもない色合いとして、そのピンクと青が混ざった色が紫だから、全体的なカラーを紫にしています。
──『アイマイ』リリースに合わせて新しいアー写となりましたが、アー写の感想やお気に入りのポイントを教えてください。

まるり:今までのアー写は、ブルーにショートカットでクールな印象だったので、この『アイマイ』から一目で“大人プリンセス”が伝わるものにしたいと思いました。お気に入りポイントは、アー写で着ているワンピースですね。見つけた瞬間に一目ぼれで、「これ、めっちゃ可愛い! これ着たい!」となって、自分の曲も、そんな風に見つけてほしいという思いもあって選んだ衣装です。
やっぱり女の子って、いろんなお洋服やメイク道具を見に行った時に、ビビッとときめく瞬間みたいなものがあると思っていて、一目見た時に、その「カワイイ!」となるような世界観を目指しつつ、ピンクすぎたらぶりぶりだから、少しくすみピンクのような感じで調節をしています。
それと、顔はあまり笑いすぎないように気を遣いました。やっぱり“大人プリンセス”として絶妙なところを表現したいということで、あの写真が1番でした。実は、あのアー写はたくさん撮った写真の中の1枚目だったんです。2枚目以降に撮影した写真は狙いすぎていてナチュラルな表情じゃなかったんです。たくさん撮ったのに1枚目だったというのが、ちょっとびっくりなポイントでもありますね。
ディズニープリンセスらしさが落とし込まれた歌詞がお気に入り
──UtaTen恒例の質問として好きな歌詞やフレーズの質問があるのですが、『アイマイ』の中で好きなフレーズや印象に残っている歌詞を教えてください。まるり:今回、プリンセスっぽさをどのように入れ込もうかとCHIHIROさんと話した中で、2番のAメロの<ガラスの靴は拾ってくれないよね 心割れそうだよ>の部分は、要素をうまく入れられたと思っています。曲のアレンジもこだわっていて、ここのセクションだけがすごく変わるんです。だから、ここはすごいお気に入りです。
それと、もう一つあるんですけど、Bメロの<愛がMyになれるように>という歌詞です。“曖昧”という言葉を使っているんですけど、ここだけは「彼の愛が私のものになるように」という意味で書いています。CHIHIROさんとやり取りをしている中で、いろいろな候補があったのですが、絶対にこれがいいと思った、めっちゃ好きな歌詞です。
──『アイマイ』というタイトル、そして歌詞の中にも「曖昧」にちなんだフレーズが登場しますが、まるりさんが想像する言葉のイメージはどのようなものですか?
まるり:めっちゃ悪いイメージです(笑)。意見をはっきり言ってくれる人がタイプなので、めちゃくちゃ嫌いですね。でも、気持ちは分かります。私もいろいろな恋愛をしてきて、やっぱり自分が曖昧な時もあったので、「この人は優しいし、いい人だな」と思っても、好きにはなれないみたいな人もいましたし、たぶん自分がそう思われた時もあったと思います。
とはいえ、いい人だから振り切れないんですよね。いなくなったら、なったで悲しいという。本当にわがまますぎると思うんですけど、そういう人に惹かれてしまうのは、「なんなんだろう?」とは思います。本当にずるい言葉ですね。
──プリンセスらしさを歌詞に落とし込むにあたって、参考にしたものはありますか?
まるり:ラプンツェルとか白雪姫とか、いろんなプリンセスの名言集があって、同じプリンセスでも恋する王子様や、置かれている状況によって全く違うんですよ。だから、そのプリンセスの本を今回は読み込みました。『アイマイ』では、シンデレラっぽい感じが出ていますが、実は次も作っていて、もうめっちゃ話したくてヤバイんです(笑)。
ソロメジャーデビュー4周年目、将来の大きな夢とは?
──そして、2026年8月31日からソロメジャーデビュー4周年目がスタートとなりますが、今までのソロ活動を振り返ってみて、どうでしたか?
まるり:元々はユニットとして活動していたのですが、あまり苦労することなく、デビューから上り調子という感じだったので、ソロでもいけるんじゃないかと思っていたんですけど、やっぱり甘くないですよね(笑)。
振り返れば、ソロ活動でもあの時は調子がよかったなというのはあるんですが、1人なので、ずっと不安がありました。ファンの方たちの大切さや、一緒に歩んできたという思いは、ソロになってからの方が大きく感じられたのですが、全部が自分の責任になるので、逃げ場がないというのがあって、ちょっとピリピリしていた時もありました。
きっとスタッフさんを困らせてしまったこともあったと思うんですが、4周年目の現時点で、やっと前向きになれているので、続けていれば感情も変わってきたり、辞めなければいろいろと違うものが入ってくるんだなとか、ソロになってより考えさせられて、今までいろいろとあったけど、ここからスタートだなという気持ちです。
──不安だった時期をどのように乗り越えたのですか?
まるり:不安期みたいなものが、3年ぐらいと長かったんです。ラジオのお仕事も3年間していて、毎週水、木、金で名古屋に行っていました。2拠点の生活で音楽だけに集中できていないんじゃないかと思ったんです。それこそ曖昧じゃないですけど、中途半端になってしまっていると思って、3年経ったタイミングでラジオのお仕事を卒業したんです。それから、4年目に入って音楽だけになったんですけど、大きなものを卒業したから頑張らなければという気持ちになりました。そういう何かを手放すことによって、乗り越えるきっかけが得られたんだと思います。
そこから、自分にはもう音楽しかない、卒業したのに何も残せなかったらダメだというスイッチが入りました。それで、『キミワズライ』という曲が生まれて、自分でも涙が出るぐらいこれだと納得できるまで、曲を出さない方がいいというのを4年目で気づけたんです。「これは大丈夫かな?」という気持ちでリリースしても届かないというのもあったんですが、『キミワズライ』から少し結果に繋がって、もう超まっすぐ前向きになりました。
──ソロメジャーデビュー4周年目では、どのようなアーティスト活動をしていきたいと考えていますか?
まるり:自分の向かう場所とか、叶えたい夢というのを、今までファンの方たちにあまり言ってこなかったのですが、将来的には、ディズニーさんとお仕事をしたいという大きな夢があります。だからこそ、『アイマイ』もそこに繋がっていくようなコンセプトにしています。ディズニープリンセスは夢をもらえて、癒される、ときめく存在ですし、これをまるりの音楽に取り入れて、女の子にもっと届けて、ライブを女の子が夢を見られる場所にしたいと思っています。
20代ラスト、アーティストとしての在り方
──29歳という20代のラストイヤーですが、どのような20代だったと思いますか?
まるり:19歳で上京したので、福岡から出てきてちょうど10年なんですよね。上京してきた瞬間のことは鮮明に覚えていて、「いけるっしょ!」みたいな若さゆえの勢いで出てきてしまっていて、まず生活するだけで精一杯で、バイトしかしていない状況でした。
「ヤバイ! 東京は全部が高い!」みたいなのが続いて(笑)、そこで始めたのがSNSでした。当時はTwitterだったんですけど、とにかく誰か見てくれという気持ちで毎日のように更新し続けていたら、2年半後ぐらいに1個だけ動画がバズって、それがきっかけでデビューすることになりました。それもあって、SNSだけは今も毎日投稿を続けています。時代が変わって、SNSから有名になる人も出てきて、良くも悪くもそういう時代で20代はSNSで自分を表現していたと思います。
──ここからはどのように仕事をしていきたいと考えていますか?
まるり:私は動画も自分で編集するんです。撮りたいコンテンツや、こういうのをやりたいというアイデアも考えて、スタッフさんにお話をして、それから編集は自分でやっているのですが、それが好きだから全く苦じゃなくて、とにかく自分で作ってきました。だから、30代は自分だけじゃなくて、いろいろな人を一緒に巻き込んで柔軟にやっていきたいです。
憧れの理想の人はキング・オブ・ポップ
──1人の女性として『こういう人って素敵だな、憧れるな』と思う理想の女性像はどのような人ですか?まるり:なんでも楽しんでいる人はやっぱり素敵ですよね。多幸感があふれている人は、見ていてこちらも幸せになります。だから、そういうエネルギーがある人、オーラがある人、ハッピーな人はすごく好きなので、“大人プリンセス”というコンセプトも決まりましたし、20代の曲は切ない恋愛ソングが多かったですけど、ここからは「まるりちゃんを見ていると元気が出る!」とか、「女子力が上がる!」と思われるような女性を目指していきたいと思います。
──具体的に目指している人物はいますか?
まるり:女性ではないですけど、マイケル・ジャクソンの映画「Michael/マイケル」を観て、完全にマイケル・ジャクソンにハマってしまい、初めて映画館へ4回も行ってしまいました(笑)。マイケル・ジャクソンは超優しくて、ディズニーのピーターパンのようなおとぎ話とかが好きで、人に対して威圧的じゃなくて、見ていると心がフワッとなるようで、そのような印象を与えられる人になりたいと思わせてくれました。
キング・オブ・ポップと呼ばれるマイケル・ジャクソンは「愛と平和」というテーマがずっとあって、亡くなった後も私みたいに好きになる人がたくさんいて、多くのものを残されているアーティストさんじゃないですか。そう考えると、自分もただ歌って、その時にだけ聴かれる曲ではなくて、自分の発する言葉や雰囲気とか、与えられるものをちゃんと考えて活動していける、そんな人になりたいと。自分が引退するようなことがあっても、忘れられない存在になっていきたいっていうのをすごく思いました。
“大人プリンセス”マインドを届けられるアーティストに
──改めてですが、インタビューを読まれている方々へ、『アイマイ』のアピールをお願いいたします。まるり:私は、ただ悲しい失恋をして、自分のテンションも下がるような、そんな恋はしてほしくないと思っています。こんなに曖昧にされても、「彼のことを好きな自分ってカワイくない?」というような前向きなマインドでいてほしいです。もし、その人が違ったとしても、絶対に私だけの王子様はいるんだという、そういう小さな希望の光というのは持っていてほしいので、まるりの『アイマイ』もそうですし、今後リリースされる楽曲も聴きながら、「一緒に恋愛をして、そして最高の王子様を見つけていきませんかと?」という想いが届いたら嬉しいです。
──最後に、今後の活動についてメッセージをお願いいたします。
まるり:今までのまるりは、コンセプトをあまり決めずに、曲ごとにジャケ写もアレンジャーさんも変えて作っていたので、すごく自由度が高かったなと思います。それでも、想いは1曲1曲に込めてきましたけど、『アイマイ』以降の楽曲はやっぱり届けたい想いとして“大人プリンセス”のマインド、そして、 “カワイく生きる”というフレーズを掲げています。
最初からカワイイとかではなく、私も学生の頃は日焼けをしていて、「名探偵コナン」の犯人と言われるぐらいに肌が黒かったんですよ(笑)。でも、やっぱりカワイく生きたいじゃないですか。誰でもそうやっていろんな過去や葛藤があっても、努力してカワイイになればそれでいいと思うので。生まれ持ってカワイイ人もいるかもしれないですけど、私たちは努力してこうなったんだよねという、そういう女の子たちが、まるりの曲を聴いて、女子力をどんどん上げていったりとか、恋愛とかにも前向きになっていったりしていけるような曲をこれから準備しているので、ぜひ一緒にカワイく生きていきたいなと思っています。
それから、ライブの雰囲気も変えていきたいと思っています。グッズもこれを持っていたら女子力が上がりそうとか、恋が叶いそうみたいなものに振り切っていきたいし、フォトブースとかを作ったり、とにかくこれからはもっと女の子に寄り添って、女の子がときめけるような、“大人プリンセス”マインドを届けられるアーティストになれるように頑張りますので、ぜひ一緒に進んでいきましょう。

TEXT 櫻井宏充
PHOTO 井野友樹
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— 歌詞・音楽情報メディアUtaTen(うたてん) (@utaten) September 17, 2026
まるりが目指すのは“大人プリンセス” ?
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