スプライトCM曲であるAAAの『NEW』。MVはアメリカのロスで撮影していて、爽やかに歌うメンバーの姿が映し出されます。10周年をむかえ、次の10年に向けた51枚目のシングルである『NEW』。10年、51枚目というそれだけでも大きな記録。にも関わらず、また「新しい」側面を見せるという姿勢。全員に歌割り、見せ場がある曲です。
“強引なストライドで飛び込むランドスケープ
「もういいかい?」 否応ないエゴでUpside down”
Aメロの最初。AAAでよくある西島による歌いだし。「ごういんなすとらいどで とびこむ らんどすけーぷ」ひらがなにしてみます。「ごうい」「すとらい」「とび」と「い」の音でリズムを作りつつ、「ごういん」「とびこむ」「らん」と「ん(む)」でもリズムを作成。続く「もういいかい いやおうないえごで あっぷさいどだうん」でも「い」の音の連続でリズムを作っています。強引な歩幅で飛び込む景色。新しい景色へ一歩を踏み出した、準備はいいかい?と歌っています。
“Search for the sky また更なるフェーズへ
そう 終わらない 際限のない 僕らの楽園”
続いて浦田。「更なるフェーズへ」とリーダーが歌うことで、このグループが更なる段階へ行くことに説得力が出ます。「終わらない」「際限のない」もそう。最年長のリーダーが歌うからこそ、このグループがまだ続くと信じられるし、「僕らの楽園」が続くことを想像できる。
“猛烈なスコールのあと差し込むSweet sunshine
大胆なドリーマーでもきっと粗相はない”
続く「猛烈なスコール」のフレーズが與。ややこもった独特の歌声で、「大雨がきて、またすぐに日が差した」という情景の変化を表現。
“肌晒し Have a good time! 花が舞い
皆Celebrate 両手を挙げ そう Let's shake, shake!
未完成なSummer play!”
「肌晒し」から末吉。結構歌えて、アクロバットもできるこのメンバーがサビへとリズミカルにつなげます。「はださらし はばぐったい はながまい」と「は」と「い」を重ねたリズムから全員で歌うサビへ。
“「もういいかい?」 飛びだすサマーチューンに乗っかって
仰々しいステレオタイプなら... I don't care”
全員で歌うサビに続いて、2番の歌いだしは宇野です。ここで女性メンバーのパートが登場。1番の最初にあった「もういいかい?」をここでまた繰り返します。新しい次の段階に行く準備はいいか?の意味で、念押しで問いかけるフレーズ。「飛びだすサマーチューン」は、今回の曲そのもの。新しい一歩はこの曲で、自然体で行く。「仰々しいステレオタイプなら…I don’t care」=大げさな先入観ならどうでもいい、の意味。あくまでもAAAらしい自然体で次の一歩を踏み出す宣言。
“Story in the sun また繋がるフラグメント
冷めやらない 聞き分けない 僕らの楽園”
続く「Story in the sun」も同じく女性メンバーの伊藤。「また繋がるフラグメント」=再び断片がつながること、それはそれぞれの個々の活動をしつつ、再びメンバーが集結すること。「僕らの楽園」のフレーズがもう一度登場。ここで女声で来ることで、楽園を強調しています。楽園とは、AAAが作り出す楽しい空間のこと。
“シュワっと弾けりゃ気分爽快
ほらいつもより過激に行けそうかい?
コードナンバー"7 7 7" 禁断の果実ハジけて”
そして日高のラップがきます。AAAは、曲が進んできた中盤から後半あたりにラップが入ることが多いですが、今回も2番途中からきました。「シュワッと弾けりゃ気分爽快 ほらいつもより過激に行けそうかい?」スプライトのシュワッと弾ける感覚を入れ込んだ歌詞。「コードナンバー“777”」はメンバー7人のことであり、このタイトルがついているシングル・アルバムが存在することを示しています。きちんとスプライトのタイアップにそいつつ、AAAらしさも失いません。
“完全なShow case!”
そして1番で「未完成なSummer play!」だった歌詞は、ここにきて「完全なShow case!」に変わります。1番ではまだ、メンバーの見せ場が未完成でしたが、ここまでで7人のソロが全てそろい、完全な状態が出来上がりました。
“行こうぜ Guys, Guys, Guys! 行こうぜ Girls, Girls, Girls!”
後半に登場する、このさりげない「行こうぜGuys」「行こうぜGirls」のフレーズは、男女混成ダンスボーカルグループであるAAAだから説得力が出るポイント。
男女混成のコーラスグループやバンドはいくつもあります。男女混成のダンスグループもたくさんあります。しかし、男女混成ダンスボーカルグループの成功例は極めて少ない。それだけ、この形態を維持するのが難しいということが分かります。それでもAAAが10年もこの形態を続け、なお「僕等の楽園」を示せるのは、メンバーの力。10年目にして、また更なる「NEW」である、初のドーム公演もできるわけです。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部