4年に1度のお祭り的ドリカムライヴ「ワンダーランド」でも、必ずと言って良いほど選ばれるのが「空を読む」です。シングルカット曲でもない短い曲が、なぜ、ファンの間で愛されているのか?
愛される名曲「空を読む」
Dreams Come True/空を読む歌詞に何度も出てくるこのフレーズは、愛している想いを伝えたい、伝わってほしいという気持ちと上手くいかないことへのイラ立ちとの間で、どこか投げやりになっている感情が伺えます。
辛い恋愛でも希望を持とうという気持ちと同時に、なんで諦められないんだろう?という自分への疑問。空を見上げたって、前向きな気持ちにはなれないし、わからないことばかりが増えていくのに。そして、相手の気持ちを必死に知ろうとする姿が目に浮かびます。
色々な形の片思いや両思いで、主人公と同じような気持ちを持っている・持っていたことがある女性は多い。これだけでは、苦しい恋の気持ちを歌った曲ですが、主人公の心境に変化が訪れます。
主人公の心境の変化
以前の投げやりな自分に戻りそうになるのを、必死に耐えながら思いを貫こうという姿勢を感じられます。主人公は恋愛が成就しないことを知っていながら、それでも気持ちが知りたい。そうでなければ、自分自身の気持ちに決着がつけられないと思っています。
でも、辛くて悲しくて、逃げ出したくなるという感情のループに悩まされながら、倒れないようにグっと我慢して、正面を見て、溢れそうになる涙を堪えるためにも、空を見上げるんです。なぜなら、一度泣いてしまうと全てが崩れてしまうから。
一度崩れてしまったら…、きっともう、立ち上がれなくなってしまう…。そして、会えない彼でも空なら繋がっていると思えるからです。本当に彼の事が大好きで、すごく一生懸命な誰でも抱くであろう切なさを上手く表現しています。
この曲には何度も「空を見上げる」という言葉が出てきますが、 “どうして人は空を見上げてるんだろう?”というフレーズで締めくくられます。何度も何度も疑問をループさせる様は、女性なら誰もが経験するような、自分がどうしたいのかわからない繰り返す恋心の葛藤を示しています。そして、他の人は空を見上げることで希望を見出せているのか?
人気の秘密は…
もし、そうならどうしたらいいのか知りたいという主人公の気持ちの表れです。「空を読む」は、こうした等身大の女心に寄り添った歌詞で、多くのドリカムファンから支持されているのが、この楽曲の人気の秘密なのです。空を読む 歌詞
TEXT:六花
ベーシストでありコンポーザー、アレンジャーの中村正人と、ヴォーカリストでありコンポーザー、パフォーマーである吉田美和の二人からなるDREAMS COME TRUEは、二人であることを核に、楽曲のクリエイトにおいては時代に合わせた形を柔軟に模索してきた。 特に、デビュー30周年を迎えた2019年以···