Superflyの等身大を映すかのような一曲
5月に約3年ぶりにリリースされたオリジナルアルバム『WHITE』がオリコンアルバムデイリーランキング初登場2位を獲得、2016年1月から過去最大規模で全国アリーナツアーが開催されることが決定するなど、2015年も留まるところを知らず、目覚ましい活躍を見せているSuperfly。
そんな現在の等身大の彼女を映し出しているといえる楽曲が、アルバム『WHITE』に収録、そして先日最終回を迎えたTBS系火曜ドラマ「マザー・ゲーム~彼女たちの階級~」の主題歌である『Beautiful』だ。
「マザー・ゲーム」はセレブ幼稚園にひょんなことから息子を通わせることになったシングルマザー・希子(木村文乃)が、周りと反発し合いながらも自分の想いをぶつけることで格差を乗り越えて現状を変えていくストーリーとなっているが、この歌の歌詞が非常にドラマの内容にリンクしている。
プライドはいらない、ありのままの自分を
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遠くに伸びる影 夜の波が消した
涙を流したなんて 気づかれないまま
≪Beautiful 歌詞より抜粋≫
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例えば、上の歌詞の部分。
このドラマでは裕福で一見幸せそうなセレブママたちがママ友たちの前では優雅に振る舞っているが、借金やモラハラ問題、家庭崩壊の危機…といったトラブルをそれぞれが抱えている。
それゆえに、人知れずに涙を流しながらそれぞれの問題と闘っているのだ。
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世界で一つの 輝く光になれ
私でいい
私を信じてゆくのさ
遠回りしても 守るべき道を行け
私でいい
私の歩幅で生きてくのさ
≪Beautiful 歌詞より抜粋≫
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疾走感が溢れるメロディと彼女の突き抜けるような歌声に乗せて歌われるこのフレーズ、「私でいい 私を信じてゆくのさ」という部分からは今の「ありのまま」の自分で前に進んでいこうとする決意が感じられる。
この歌に出てくる「私」はきっと、自分自身に迷いつつもSuperflyの力強い歌声で表現されているように強く懸命に生きようとしている。
そして様々な問題を抱えたセレブママたちも、「ハッキリ言わせていただきます!」と希子が正面からぶつかってきてくれたことによって、自身を良く見せようとしていたプライドを取っ払い、徐々に自分らしくあろうと、そして我が子のために強くなろうとしているのだ。
自分自身に迷っている人に聞いてほしい歌
最終回、引きこもりの長男を傷つけてしまったことから自分を責め、幼稚園に来なくなってしまった毬絵(檀れい)に何とか卒園式には来てもらおうと心配するが「もう自分の出る幕じゃないのかも」と迷ってしまう希子に対し、「出る幕じゃなくても出て行くのが希子じゃない?遠慮している場合じゃない」と背中を押していたセレブママたち。
初めは対立していた希子と彼女たちがお互いを思いやって支えあう関係になれたのも、周りとの格差に悩みながらも「私でいい 私の歩幅で生きていくのさ」という歌詞のように、飾らない自分の本音を希子が見せてきたからだと思えてならない。
もし今の自分自身について迷いがある人、そして悩みがある人がいるのならぜひこの曲を聴いてほしい。そして「ゆっくり愛してみよう 私というこの命を」と今のあなた自身のことをあなた自身が認めてあげてほしいと思う。
そうすれば、この歌、そしてこの歌が使われたドラマの登場人物たちのように、自分自身と同じくらい周りを大切に思えるようになり、それがまた前に踏み出す勇気につながるから。
この歌が、あなたのエールとなりますように。
TEXT:Y.Fuku