アニソン界の実力派歌手
2014年から放送されたアニメ「ノーゲーム・ノーライフ」。どんなゲームでも頂点に君臨する天才ゲーマー「 」(空白)その正体は空と白の兄妹だった。
ある日、異世界の神であるテトにチェスを挑まれ何とか勝利する。テトによってゲームの世界に生まれ直した空白は、この世界の完全攻略に向けて始動する。さぁゲームを始めよう アッシェンテ!
その主題歌『This game』を歌っているのが、今やアニソン界を代表するアーティストの1人となった鈴木このみだ。力強く綺麗な歌声で、この作品に出て来る2人の主人公と異世界という空間を見事に表した。
この楽曲がリリースされたのは2014年5月21日なので、当時彼女は17歳だ。若くしてその実力が認められ、人気作品の主題歌を歌い上げた彼女に大きな注目が集まった。
This game
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回り続ける 歯車には成り下がらない
平均演じる 誕生から始まった地獄
≪This game 歌詞より抜粋≫
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空と白は自分達が生きている世界や人生を「クソゲー」と称している。彼らにとって歯車というのは人生そのものだ。
幼い頃から他人の顔色を伺い笑顔を作ってきた空や、生まれながら天才少女の白は次第に孤立していく。そんな2人にとって勝ちすぎず負けすぎない「平均を演じる」ことは地獄だ。
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遊び半分で 神が導いた 盤上の世界
no no no game no life
ぬるい平穏を ばっさり切り捨てて
栄光への階段に 存在刻むんだ
≪This game 歌詞より抜粋≫
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異世界の神であるテトは、チェスで空白に負けたことをきっかけに2人を全てがゲームで決まる「盤上の世界」へと導いた。
「遊び半分で」は本当に退屈していたのが半分で、唯一自分に勝った空白に対して勝ち逃げは許さないという、テト自身のゲーマーとしての気持ちが込められている。
「ぬるい平穏」というのは、社会との関わりを絶ち、狭いゲーム部屋で2人で楽しんでいる空白のことだ。生まれるべき世界へとやってきた2人はテトと闘い世界を攻略するという「栄光の階段に」着実に「存在を刻む」作中でも自分達を生まれ直させてくれたテトには感謝している。
圧倒的な実力を持つ2人
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目に映るのは 完全勝利の運命
何もかも 計算どおり
変えてやる 染まらない空白で
≪This game 歌詞より抜粋≫
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異世界に来ても2人の実力は圧倒的で、理論的に負けないゲームじゃなければ空白に敗北の2文字はないと断言している。
「目に映るのは 完全勝利の運命」は2人の強さ故に、闘う前から勝負は決まっているということだ。相手のことを何手も先読みし、全てを計画に組み込んで勝利していく。
「変えてやる 染まらない空白で」は、彼等が国王となったイマニティーという魔法も武力もない最弱の国を、最弱のまま知恵を活かして勝つことで、今まで序列最下位だった国を変えるという意味だ。
作中でも国民に対して「我ら最弱の種族」と言いながら、国境線を取り返すと宣言している。
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We are maverick 救済なんていらない
どんな理不尽 襲おうとも
勝てばいいだけの話だろう
駆け引きと 才能が 無敗誘う
生まれ直した命で 楽しむさ
二人(じぶん)だけは 二人(じぶん)信じてる
≪This game 歌詞より抜粋≫
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「We are maverick」は異世界からゲームの国へやってきた空白のことを表している。魔法というチートがあったり、「血壊」を発動し物理限界を超えるワービーストの身体能力などの「理不尽が襲おうとも」それすら全て計算に入れて2人は勝つのだ。
駆け引きや欺くのが得意な空と、天才少女の白が力を合わせることによって「無敗誘う」常に2人でゲームに参加し、いつもそれを楽しんでいる。第1話で、異世界の主人公が元の世界に帰ろうとするのが理解できないと言っていることから、盤上の世界で生きていくことを既に決めているのだ。
「二人(自分)」は歌詞では二人と書いてあるが、歌では「じぶん」となっている。これは空と白が2人で1つの空白であり、お互いを絶対的に信頼している証である。これは歌詞と歌を照らし合わせないと分からないのでとても面白い。
アニメをより深いものにしてくれる
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We are maverick 最強の maverick gamers
空白ならば 何者にもなれる
≪This game 歌詞より抜粋≫
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「空白ならば 何者にもなれる」とあるが、空白だけでなくイマニティー全員のことを示している。空は戴冠式の時に「我ら最弱の種族 何も持って生まれぬ故に 何者にもなれる最弱の種族であることを!」と言って国民を再び立ち上がらせた。
人類の知恵を持って闘い、他の種族に勝つ事で仲間を増やし、唯一神であるテトに挑むために進んでいく覚悟と、この世界を純粋に楽しんでいるという想いが伝わってくる。
作品そのものを曲で表した『This game』ストーリーやキャラクターに関する内容が多いので、作品が好きな人にとっては何度聴いても飽きず、作品を知らずとも曲を聴けば見たくなる歌詞になっている。
これは聴く人をノーゲーム・ノーライフの世界に引き込む力を持っている。ぜひ聴いてみてほしい!
TEXT SHIN