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洋楽顔負け![Alexandros]が『Waitress,Waitress!』で魅せたネイティブの詩情とは

今や邦楽の世界でも一般的になったロック。日本の国内のみに留まらず世界的にも有名で人気のあるロックバンドも数多く生み出されている。

英語でカッコよく歌うロックバンド


今や邦楽の世界でも一般的になったロック。日本の国内のみに留まらず世界的にも有名で人気のあるロックバンドも数多く生み出されている。

そんなロックの故郷は、言わずと知れたイギリスなどの英語圏の国。そのためか、日本でも英語詞を歌うミュージシャンが多いが、皆さんはしっかり歌詞を読んで聴いているだろうか?

「何歌ってるのかよくわかんないけどなんとなく格好いい!」なんて思いながら聴いてはいないだろうか?

英詞の曲が多いバンドの中でも今最も注目を集めているのが、4人組ロックバンド[Alexandros]。

帰国子女のボーカル川上洋平率いる彼らの楽曲はイギリス系のロックのような雰囲気を感じるスタイリッシュで躍動感のあるサウンドが特徴的で、川上の本場仕込の英語はネイティブにも引けを取らない抜群の発音。おまけにルックスもイケメン揃いの彼らだが、何よりすごいのはその歌詞である。

ファンの間でも人気の高い彼らの代表曲、『Waitress,waitress!』。この曲はラテン風のギターが格好いい異国情緒漂う一曲だが、最も注目すべきは間奏パートで繰り出される台詞だ。

この台詞では、主人公であるひとりの男がレストランに勤めるウエイトレスに言い寄るシーンが描かれている。

Waitress,waitress!


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I fell in love with a girl
with a red shoed and red dress
She was waitress at the diner and
everything was fine as a wine
≪Waitress, Waitress! 歌詞より抜粋≫
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この部分を和訳すると、大体次のような意味になる。

「僕は赤い靴を履いて赤いドレスを着た女の子に恋をした 彼女はダイナー(レストラン)のウエイトレスで、全てがワインのように素敵だった」

まるで海外小説の一節のような、物語性が高く情景の浮かびやすい描写。ロマンチックな比喩も印象的で、ストレートでメッセージ性の高い歌詞が多い日本人による英詞の中では珍しいぐらいに詩的でキザな言葉が選ばれている。

更にこの後、主人公は彼女に熱烈なキスをプレゼントする。世界が止まったかのような美しい瞬間が彼に訪れるが、その後続くのが次のようなフレーズだ。

ネイティブな詩情が込められた歌詞


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But all the sudden everything started to move
and she gave me the biggest punch ever
I broke my teeth and finally my heart too
≪Waitress, Waitress! 歌詞より抜粋≫
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意訳すると次のような意味になる。

「でも、次の瞬間彼女はとんでもなくデカいパンチをお見舞いしてくれた 僕の歯も折れたし、ハートも折れたよ」

キザでロマンチストな主人公は、呆気なくもフラレてしまったのだ。しかしそこには好きな女の子に無下にされた男の惨めさは微塵も無い。まるでミュージカルの主役のように、「前歯と一緒にハートもブロークンさ!」と笑い飛ばしてみせる。

こんな遊び心のあるオチをつける余裕すら漂わせてみせる川上の作詞は、和訳してもキャッチーで格好よさを損なわない。彼は、英語をまるで母国語のように自由自在に使いこなしている。

つまり[Alexandros]の歌詞には、英語を日本語と同様に常用語として使っている人にしか書けないような、ネイティブの詩情が詰め込まれているのだ。

こんな洋画に登場する伊達男のような台詞を、ネイティブ顔負けの流暢な発音で繰り出されたら、ときめかない女子はいないだろう。

英語の曲は聴いているだけでも充分格好いいが、歌詞を読んでみて初めて真の格好良さに気付く事も多い。是非一度、面倒臭がらずに翻訳して、その物語の中にトリップしてみては?

TEXT 五十嵐 文章

[Alexandros]ー東日本ではアレキ、西日本ではドロス。 まるでマクドとマック論争のようにファンの間で愛称が二分される。 2010年インディーズレーベルRX-RECORDSから1stアルバム「Where‘s My Potato?」でデビュー。 リリース後はロックシーンやメディアに大きな衝撃を与え、瞬く間にその名···

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