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吉澤嘉代子が歌う、「ジャイアンみたい」な女の子になりたい!

3月15日に3rdアルバム「屋根裏獣」が発売される吉澤嘉代子


3月15日に3rdアルバム「屋根裏獣」が発売される吉澤嘉代子。彼女が歌詞で描く女の子は、少しひねくれているにもかかわらず、その癖のあるキャラクターがとことん可愛い。今回取り上げる「ジャイアンみたい」の女の子もそうだ。

ジャイアンといえば、日本国民で知らない人はいないほどの有名なガキ大将。「心の友よ~」と言いながらのび太たちにわがままを押し付け、「お前のものは俺のもの」という理不尽な名台詞を吐く。よく空地にオーディエンスを集め、自身のリサイタルを開催している。

「ジャイアンみたい」の女の子は、いってみればこのジャイアンの女の子版なのだが、吉澤嘉代子にかかれば、やっていることはジャイアンなのに、それが可愛くなる。その魅力を探るために、歌詞をたどっていこう。


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あなたはわたしの物だけど わたしはわたしのものだ
おれたち心の友だろうって笑う どこぞのガキ大将
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冒頭の歌詞は、ジャイアンの「お前のものは俺のもの」という名台詞をアレンジしている。ジャイアンの有名なセリフが、あなたはわたしのものだけれど、わたしはあなたのものにはならないという、少しひねくれた女の子のものになる。「あなたはわたしの物だけど」と、最初にだけ「物」という漢字を使うことによって、さらに高飛車な感じを醸し出している。
この感じ…見る人が見たら、可愛く感じないだろうか。さらに歌詞をみてみよう。

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真夜中つまんなくなったから なにがなんでも会いに来て
ほんとに好きならできるでしょうなんて どうして言えたんだろう
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深夜の呼び出し、経験のある方もいるだろう。こちらからしたら、疲れてもう寝ているところに突然連絡が入るなんて、迷惑以外のなにものでもない。しかも、その理由が「つまんないから」というしょうもないものだったら。それでも、自分のことを好きなら来てくれるはず、という女の子。これも理解されにくい乙女心なのだ。この子的には、自分がつらいとき、彼氏は駆けつけてほしい、という純粋な願望なのかもしれない。はたからみたら我儘以外の何ものでもない態度の裏には、女の子の淡い感情がひそんでいるのだ。


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わたしジャイアンみたい あなたをいじめてた
わたしジャイアンみたい あなたが好きだった
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ジャイアンみたいなたくさんのいじわる。でもそれは、彼氏のことが好きだったからなのだ。本人からしたら、相手を好きなあまりにしてしまう行動なのだが、相手には理解されない場合が多い。この曲でも、「いじめてた」「好きだった」と過去形になっているから、きっとふたりは別れてしまったのだろう。


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下手っぴなギターを掻き鳴らして つくりたての歌をきかせた
いつでもあなたは真っ赤になっていたね わたしも真っ赤だったよ
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そして、でた。ジャイアンリサイタル。でも、少し様子がちがうようだ。本物のジャイアンリサイタルは、聴く人も嫌々聴いているが、この歌詞では、“あなた”は真っ赤になっている。
愛の歌をつくって、好きな人に聴かせる。この曲で唯一、女の子が素直になっている場面だ。いじわるの奥に隠れたほんとうの気持ちが伝わって、お互いに真っ赤になっていた。そんな思い出。これを最後にもってくるあたりが憎い。

ジャイアンみたいに我儘だった女の子。でも、この曲の歌詞を読むと、そんな女の子の可愛さがたくさん見つかる

TEXT:遠居ひとみ

1990年、埼玉県川口市生まれ。鋳物工場育ち。 ヤマハ主催「Music Revolution」でのグランプリ・オーディエンス賞のダブル受賞をきっかけに2014年メジャーデビュー。 バカリズム作ドラマ「架空OL日記」の主題歌「月曜日戦争」を書き下ろす。2ndシングル「残ってる」がロングヒットする中、018年1···

この特集へのレビュー

男性

ぃわ

2020/04/14 16:17

タイトルからは想像できないとってもしおらしい女の子のやるせない気持ちが謳われためちゃくちゃいい曲です。

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