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今の大塚愛が作品に投影した 一歩踏み出していく意思とは…?【インタビュー】

4月12日に通算8枚目となるアルバム『LOVE HONEY』を発売する大塚 愛にインタビュー。


4月12日に通算8枚目となるアルバム『LOVE HONEY』を発売する大塚 愛。彼女がこの作品に込めた想いを伺おうと取材ルームへ。部屋には、大塚 愛がプロデュースしたフレグランス「LOVE HONEY」の香りが漂っていた。インタヴューは、その話題から始まった。

最初にメロディーと一緒に降りてきたのが「東京散歩ぶらり旅」という言葉でした。その瞬間、「この歌では旅をするしかない」という理由から、東京のあちこちを巡る歌にしていきました。

『LOVE HONEY』を発売する大塚愛にインタビュー



「初回生産限定」盤に付いているFABRIC SPRAY

――部屋に広がったこの香り、『LOVE HONEY』の「初回生産限定」盤に付いているFABRIC SPRAYの匂いですね。

大塚:そうです。私好みの香りに辿り着くまではけっこう大変でした。というのも、いろんな種類の香りを次々嗅いでると、どんどん鼻が麻痺しちゃうんですよね(笑)。

――素敵な香りだなと思います。この匂いと一緒に『LOVE HONEY』を聴いてると、歌や音の心地よさに包まれ気持ちが舞い踊ってゆく。そんな印象を今、感じています。

大塚:まるで映画のサントラっぽいと言いますか、『LOVE HONEY』に描いたサウンド感は、私が今、一番好きなスタイルなんです。

――歌詞へは、今の愛さん自身の等身大な感情を反映している形でしょうか?

大塚:サウンドやメロディーへ導かれた言葉のままと言ったほうが正しいと思います。前々からそうなんですが、自分の意志や主張、想いを言葉にするのではなく、その音の持ってくる言葉の響きでどう言葉遊びが出来るのか。その音に合う歌詞をいかに導き出すかが私にとっては大切なこと。つまり、一つ一つの楽曲に描き出したサウンド感に馴染む言葉としてどの曲も作りあげています。

――東京中を軽やかに散歩したくなる気分へ導く『TOKYO散歩』は、音と言葉が絶妙にシンクロした楽曲ですよね。

大塚:『TOKYO散歩』を作るとき、最初にメロディーと一緒に降りてきたのが「東京散歩ぶらり旅」という言葉でした。その瞬間、「この歌では旅をするしかない」という理由から、東京のあちこちを巡る歌にしていきました。サウンド面でも、オープンカーでドライブしている感覚を心がけながら作りました。

――『FrogFlag』では、ゲロゲログワッグワッとカエルの泣き声も真似ています。もしやこの歌も、言葉の響きとメロディーやサウンドがマッチしたことから出来上がった楽曲なんですか?

大塚:そうです。最初にゲッゲッゲッゲロゲロというカエルの泣き声が浮かび、そこから歌詞の世界が広がりました。ただし、カエルの歌ではありませんが(笑)。

最初に私の頭の中へ靄のかかった音像が浮かび上がるんですね。その靄を取り払いながら楽曲を作りあげていく感覚なんです。

私の頭の中へ靄のかかった音像が浮かび上がる

――どの曲も、愛さん自身の感性から導かれた曲たちなのでしょうか?

大塚:そうなりました。曲を作るとき、最初に私の頭の中へ靄のかかった音像が浮かび上がるんですね。その靄を取り払いながら楽曲を作りあげていく感覚なんです。靄を取り払うアレンジ作業には時間を費やしますけど、作詞や作曲は聞こえたメロディーや言葉を形にしていく形なので、そこに関しては本当に感覚へ身を任せています。

――靄を取り払う作業は大変なのでしょうか?

大塚:曲が浮かんだ瞬間、アレンジした姿まで明瞭に見えている場合は早いんですけど。メロディーは見えていながらも全体像が靄っとしている場合と言いますか、「これを音にした場合どんな風になるんだろう!?」と迷いを抱いてるときは、相応に時間をかけて制作していきます。

――アルバム全体として統一した色がありながらも、サウンド感という面ではバラエティさも出した印象を受けました。

大塚:自分の場合は、活動初期の頃からそうですけど、あまり一定に定められないというか、いろんなことに興味があれば、その好奇心が自然と反映されちゃうことから、良い意味でのバラバラ感は出てしまいますね。
「そういう人って実際いるよなぁ」「そういう男性って腹立つなぁ」と思って書きました(笑)。

――ここからは、「ここの歌詞を聴いて欲しい」お勧めポイントを教えてください。

大塚:『TOKYO散歩』の歌詞に出てくる、「みんなお洒落して歩いてるるるる」の「るるるる」という言葉が思い浮かんだ瞬間「きた!!」と思いました(笑)。「る」という言葉が横滑りしてゆく感覚と言いますか。言葉が生きてるように動いてく表現が見えると、私はすごく嬉しくなっちゃいます。
理想として語るなら、女の子たちがカラオケに行ったとき、みんなが「そこは歌いたい」となるような…。みんなと一緒にカラオケへ足を運んでも、「私、歌には参加しない」という子もいるじゃないですか。だけど、そんな子でも「るるるる」だけは歌いたくなる。そんな感覚を覚えてもらえたら嬉しいなと思います。

――「るるるる」はとても印象深く耳へ飛び込んできましたからね。

大塚:楽曲のミックスをしているときにも、「この歌は"るるるる"が中心なんで」「とにかく"るるるる"を強調したいです」とお願いをしました。

――歌詞もすごくリアリティにあふれていますよね。下北沢のヴィンテージショップの馴染みの店長さんが出てきたり。代官山から恵比寿へ向かうときの道順も、「あそこかな!?」とつい想像しちゃいましたからね。

大塚:前に恵比寿へ住んでいた頃、よく歩いて代官山まで行ってたんですね。それを思い出しながら書いてました。

「そういう人って実際いるよなぁ」



――『HEART BREAK』の歌詞に記した女性の感情もリアルだなと感じました。

大塚:女の子側から別れを言わせるように仕向けていく男性。「そういう人って実際いるよなぁ」「そういう男性って腹立つなぁ」と思って書きました(笑)。なので、私はとことん歌の中で文句を言ってやろうと思い、この歌詞を書いてます。

――まさか、そんな背景があったとは…。

大塚:そうやって文句を言いながらも立ち直りが早かったり、気持ちを吹っ切れるのは女性のほうが上手だなと思います。

――『HEART BREAK』の中へイニシャルが出てきますよね。

大塚:えっ、イニシャル???

――「Y」や「O」「I」など…。

大塚:あっ、これはイニシャルじゃなくて「道を指した記号」なんです。

――えっ、どういうことですか???

大塚:「Y」はY字路のこと。つまり「ここで私たちは別の道を行く予定だった」という意味としてY字路のことを指し示したかったので「Y」と書けば、「O」は、一度別れながらもふたたび出会ったことも運命なんだと示そうと「O」と。「I」は、「ここは真っ直ぐに進むべき」という意志を示した記号。だからこれらは絵文字のような感覚で捉えてもらえたらなと思います。

――なるほどー。

大塚:『HEART BREAK』には、女の子が心に抱え持つ「悔しくて泣いてしまう感情」「だけど、まだまだ好きと思ってしまう気持ち」「あんたなんか死んでしまえ、私は私らしく生きてく」という強い意志を描写しました。どの感情もリアリティを持って書けたので、女の子が一番共感できる歌になったなと思います。

「別に私はあなたを求めてるわけではなくて、あなたのタネを求めてるだけなのよ」「そこ、勘違いしないで」という歌です。

――『日々、生きていれば』も、恋愛絡みの歌ですよね。


大塚:主人公は男性で、女性に振られてしまうんですけど。その男の人はすごく「いい人」で、「僕が好きだったら、それでいいんだ」と思い込んでしまう。そういう男の人が浮かんだことから、その男性をモチーフに物語を綴りました。

――先行シングルとなった『私』に出てくるのは、愛さんというよりも…。

大塚:この歌は、ドラマ「嫌われる勇気」に出てくる主人公の蘭子さんの気持ちを想像して書いたんですけど。私も後々この曲にすごく励まされたと言いますか、心救われる部分や教えられる面を感じていました。

――サウンド面で強く惹かれたのが、ホーンの音色も華やかに響き渡る『FrogFlag』なんです。

大塚:ここには、ちょっとキャバレーの様なサウンドを投影しています。と言うのも、何にも倒されない強い女性像を描こうと思ったときに、力強いホーンの音色が持つ派手さが欲しいなと感じ、この曲が生まれました。

――先にも触れましたが、『FrogFlag』の中で聞こえるゲロゲログワッグワッというカエルの泣きまね風の歌い方が、とても印象深く耳へ飛び込んできました。

大塚:『FrogFlag』のメインは、その歌声と言っても可笑しくないくらいですからね(笑)。レコーディング中も、ゲロゲログワッグワッと何度も歌ってくうち、次第に自分が人間じゃなくなるような感覚にまで陥っちゃってて(笑)。
じつは、ビブラートをかける歌い方によってカエルの泣き声のような声が出るんですね。その歌い方へ気付いたことも『FrogFlag』が生まれるきっかけでした。

男性側からしたら、とても恐い楽曲



――『FrogFlag』の歌詞には、いろいろ気になる言葉が出てきます。だからこそ、これは一体どういうことなんだろう!?と真相も知りたくなりました。

大塚:『FrogFlag』は、男性によって都合のいい立場へ置かれた女性が男性へ向けて威嚇していく内容。「別に私はあなたを求めてるわけではなくて、あなたのタネを求めてるだけなのよ」「そこ、勘違いしないで」という歌なんです。

――えーっ!!。だから「欲しいのは~あなたじゃない」と歌いかけてきたんだ。

大塚:『FrogFlag』に出てくるのは、このアルバムの中で最も恐い女性の姿(笑)。どこかホラー的な要素を持ってると言いますか、まるでカマキリのような姿を女性に投影しながら書きました。

――この歌、男性側からしたら、とても恐い楽曲じゃないですか…。

大塚:この歌に限らず、アルバムの随所にそういう面が反映されていますからね(笑)。

――先に愛さんは「メロディーに合う響きで言葉を選ぶ」という話をしていました。『HEY!BEAR』の冒頭を飾った「HEY!BRAR ここでゲットん」という一節は、メロディーとサウンドと言葉の響きがベストな形でマッチしているように、言葉の響きから歌詞を導き出した形なのでしょうか?

大塚:「HEY!BRAR ここでゲットん」という響きが生まれたとたん、「きたっ!!」「ゲットんと言っちゃう女ってヤバっ!!」と思いました(笑)。歌詞も、熊が出てきたことから、森の熊さんを題材に書いています。ただ、出てくる少女があまり良い子には育たなかったという(笑)。

今までにない実験的なアルバムであり、自分がこれまで作りあげた作品の中でも最高傑作になりました。

――『LOVE HONEY』というアルバムは、「女性のいろんな心の顔」を記した作品じゃないですか!?

大塚:最初タイトルに『LOVE WOMAN』と名付けようと思ったくらい、女性たちが女子ロッカーや女子会でしゃべっている内容を詰め込んだようなアルバムですからね。女性って、男性が思ってるような"いい子ちゃん"じゃないですからねっていう(笑)。

――話を聴いてて、実際そう思いました。

大塚:女性ってすごく強かったり、いろんな顔を持っています。可愛い面もあれば恐い部分もあるし、儚さもあればピュアさだって持っている。そういう女性のいろんな心模様を感じてもらえたらなと思います。

――『QueeN』で愛さんが見せた力強くもサディスティックな歌声にも強く惹かれました。

大塚:今までにない激しく歌う感じの楽曲だったから、自分の歌声が合うのか心配だったんですけど。じつは、私自身一番気に入ってるのが『QueeN』なんです。

――完成したアルバム『LOVE HONEY』、今の愛さんにとってどんな作品に仕上がりましたか?

大塚:ここ最近求めてきたスタイルへようやく着地点を見いだせた感覚があるように、今までにない実験的なアルバムであり、自分がこれまで作りあげた作品の中でも最高傑作になりました。作品全体へ「一歩踏み出していく意志」も投影しているよう、聴いた人の未来へ繋がるアルバムになれたら、と思います。。何かを始めたいというときに、ぜひ聴いてください。このアルバムを手にしたライブツアーも行います。そこでは、自由にノッて踊って楽しんでくれたら嬉しいですね。

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8th Original ALBUM
『LOVE HONEY』

CD+グッズ(ファブリック・スプレー) 初回生産限定
AVCD-93665 ¥4,300(taxout)

CD+Blu-ray
AVCD-93667/B ¥4,200 (taxout)

CD+DVD
AVCD-93666/B ¥3,900 (taxout)

CD only
AVCD-93668 ¥2,750 (taxout)

[CD]
01.HONEY
02.私
03.QueeN
04.TOKYO散歩 
05.サクラハラハラ
06.HEART BREAK
07.モノクロ
08.make up 
09.FrogFlag
10.HEY!BEAR
11.スターターピストル
12.日々、生きていれば [全12曲]

[DVD/Blu-ray]
私 -Music Clip-
サクラハラハラ -Music Clip-

-特典映像1-
01.とある夫婦のなれそめ
02.RounD
03.恋愛写真
04.私

-特典映像2-
OFFSHOT

1982年大阪府生まれ。シンガーソングライター。 「さくらんぼ」「プラネタリウム」など多数のヒット曲を手がけるほか、楽曲提供や絵本制作、イラストレーション、さらには、初めての小説「開けちゃいけないんだよ」を「小説現代 2020年9月号」(講談社)に寄稿するなどマルチに活躍。最新作として···

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