切ない曲を集めたアルバム『KISS MISS KISS』をリリースしたCHIHIROにインタビューしました!
ラブソングをあえて綺麗に書かずリアルに苦しいところや痛みの部分も書くというCHIHIROが今回のアルバムのコンセプトにした事とは?
アルバムを聞く前に是非読んでほしいインタビュー内容です!
CHIHIRO インタビュー
切ない曲を集めたアルバム『KISS MISS KISS』
――今回のアルバム『KISS MISS KISS』のコンセプトについて教えてください。CHIHIRO:“KISS”をテーマにいろんな恋のドラマを13曲入れたアルバムです。2年前に出したアルバム『NAMIDA CARATS』は“涙歌”がコンセプトで、切ない歌が詰まったアルバムだったんですけど、共感していただくことが多かったので今回も切なさをより追求して書いていこうと思って、恋の中でも悩んでいる部分だったり葛藤している部分を切り取って作った曲を集めたアルバムにしました。
――このアルバムに限らず、CHIHIROさんが歌詞を書く際に共通して意識していることってございますか?
CHIHIRO:日本語を大事に書くことと、ラブソングをあえて綺麗に描かないというか、リアルに苦しいところとか痛いところも書くようにしています。何か気づいてもらいたいので、ぐさっとくるようなことも言います。
――曲を作る時は歌詞を先に書かれますか?それともメロディーから?
CHIHIRO:メロディーだけ録っておくこともあるし、歌詞にメロディーをつけていくこともあるし、曲によってバラバラですね。
――CHIHIROさんの歌詞は情景描写が具体的でストレートな歌詞でありながらも独特で唯一無二だと思うのですが、気をつけていらっしゃることとかあるんでしょうか?
CHIHIRO:恋愛に傷ついてる友達の相談に乗るときとか、オブラートに包んで答えてあげたりすることが多いと思うんですけど、私はあえて歌詞で“いつまでも曖昧なところに浸っていても意味がないんだよ”っていうことを教えてあげられるような、刺さる言い方を意識して書いています。
――ではやはり中高生とか、20代とか若い世代に向けて発信している意識で。
CHIHIRO:そうですね、私も経験して色々わかったからこそ書けるけど、今まだ悩んでいる子とか葛藤している子に向けて書きたいなって思っています。
――ファンの方の声から曲を書かれることも?
CHIHIRO:あります。ファンレターもいただくんですけど、恋愛相談とか、恋愛のエピソードを書いて送っていただくことも多くて、わかるなぁって部分は曲に活かします。ただ聞き流せる音楽っていうよりは、意味のある音楽にしたいです。
――確かに、自分の気持ちが何だったのかってCHIHIROさんの歌詞を見て気づくことができます。CHIHIROさんは普段から自分の感情の原因を厳しく追求されるんですか?
CHIIRO:ずっとそうしています(笑)。私もそうだし、友達とかファンの子とかと話していても思うんですけど、自分が傷ついている状況の原因って自分にあったりして。だからそれに気がつけるきっかけって大事だし、それが私の言葉で変われるんだったら嬉しいですね。
――アルバムの曲順とかも、そういった意味でこだわられたりも?
CHIHIRO:いつも、1人の女の子がもがいて最後には幸せになるっていう流れをアルバムの中で作りたくて、最後はいつも幸せな曲にしています。今回切ない曲が多いんですけどあえてサウンドで明るくしたりしてバランス取りながら、ジャンルも色々入れてみたり。
――収録曲の中で、印象に残っているエピソードがある楽曲とかありますか?
CHIHIRO:『好きになっちゃいけない人』は10代の子も結構聴いてくれていたんですけど、10代の子たちが捉えてるこの曲のシチュエーションが私が思っていたのと違って。好きになった人には彼女がいて…っていうシチュエーションを想像して書いていたんですけど、担任の先生が好きになって…とか、大好きなアイドルにこの思いを伝えたいっていうようにこの曲を聴く視点が違ったことに驚きました。
――担任の先生ですか。
CHIHIRO:“恋”っていう意味では全部一緒なんだけど、年代によって好きになっちゃいけない人の対象って違うんだなぁって。不倫ソングになっていたりだとか、異常に一人歩きしてる曲だったりします(笑)。
――担任の先生ってそんなにかっこいいんですかね(笑)?
CHIHIRO:そういう先生がいなかったから、私はその感覚がわからないんですけど…(笑)
――では改めて、『好きになっちゃいけない人』はどういう想いで書かれた曲なのかっていうのを。
CHIHIRO:好きになった人には好きな人がいたとしてもどうしたってかなわない恋だとしても誰に言われたって諦められないのが恋。
だから後悔ないように全力で恋をしよう!というテーマで書きました!
トロピカルハウスの聴きやすい涙歌「アイマイな二人」
――1曲目の『アイマイな二人』のメロディはCHIHIROさん的に新境地な感覚?
CHIHIRO:はい、普段半分くらいは海外にいるんですけど、街中でよく耳にするサウンドはやはりダンスサウンドが多くて、でも歌詞は凄く刺さる恋の歌が多いんです。
フロア映えするようなサウンドに切ない歌詞を載せるのっていいかもって挑戦してみようと思って作った曲です。その中でも私らしさを出したかったのでほとんど日本語で書きました。
――洋楽って、踊れるような曲でも歌詞が切なかったりするんですよね。だからメロディと歌詞はまったく別物と捉えてしまいがちなんですけど、普段切ない曲調で切ない歌詞を書かれることの多いCHIHIROさんの中でもそういったところでのジレンマのようなものは感じたりされますか?
CHIHIRO:ジレンマはなかったですね。新しい事をするのも好きなので(笑)
自然にこの曲は出来たので、意外と歌詞とサウンドがはまって面白かったです。
――言葉の詰め方が洋楽っぽいですよね。
CHIHIRO:都会のOLとかが男の子に翻弄されているイメージで作ったんですけど、このサウンドにそのイメージも合うかもって。
――かといって無理して洋楽に寄せてる感じもなく、邦楽としても洋楽としてもナチュラルに聴ける感じがします。
CHIHIRO:歌詞とサウンドのバランスが重要で。すごくバランスを考えながら作りました。
――いつもと違った歌詞の書き方をされたり、違った意識があったりは?
CHIHIRO:特にないんですけど、ありきたりな言葉は嫌だからリアルに書くようにはしました。
「君がいない世界は切なくて feat.KEN THE 390」
――KEN THE 390さんとはどういった経緯でフィーチャリングが実現されたんですか?
CHIHIRO:私の音楽スタイルとして、FEATとしてHIPHOPシーンの方とコラボするという事はとても大事にしていて、今までもHIPHOPのアーティストさんとコラボさせて頂いたんですけど、今まではみなさん面識があったり仲良い方だったり、先輩だったりしたのですが、KENTHEさんは初めましてだったんです!
でも私が是非コラボしてみたかったので、オファーさせていただきました。
――サビの「これは空に送る哀のうた」って部分は“哀”問いう感じを使われているんですね。
CHIHIRO:そうなんです。切ない部分と、その人がくれた暖かさの両方を書きたくて、“愛”と“哀”の両方がその人っていう意味でこういう表現をいれたくて、最初から決めていた歌詞でした。
――この曲の背景には大切な方が亡くなりになられたご経験があるそうですが、恋愛ソングとして書かれた意図について聞かせてください
。
CHIHIRO:私は大切な方がいなくなった世界を描きました。でもどんな別れでも気持ちは一緒だと思うので聴く人はラブソングとして捉えていただいても、違う別れにとらえていただいても、そこは矯正せず、二度と会えないけど好きっていう“別れ”を経験した時に、どう心を持っていけばいいかっていうところを同じ境遇の人に伝えたい、ある意味応援歌のような曲にしました。
――CHIHIROさんご自身はこの曲にたどり着くまでにどういう心の変化をたどってこられたんですか?
CHIHIRO:どうしたらいいの、なんでこんな急にいなくなるのって想いがやるせなくてぶつけようもなくて。私の場合はそれを歌を書くことで乗り越えようと思いました。
毎日一緒にいると思っていた人との別れって恋愛でもあることだと思うので、みんなも毎日大切な人を大切にできていればいいなって思います。
――大切な人を失った時って他の何もいらなくなっちゃうから周りが何とかしてあげたくてもできないことの方が多いですもんね。
CHIHIRO:そうですね、自分で消化して乗り越えるしかないけど、その人がくれた言葉や世界は温かくて、それを忘れないで感謝していくしかないんですよね。
――この曲の中からCHIHIROさんが特に気に入っているフレーズについて伺ってもいいですか?
CHIHIRO:どこだろう…タイトルは『君がいない世界は切なくて』なんですけど、曲の最後に“君がいない空と世界は暖かくて”って言っているんです。ここは一番聴いてほしいです。あとは色で表現しているところとか、先ほどの“哀”と“愛”のところとかも映像と一緒に見てもらえたらいいなって思います。
――MVの撮影は丸一日かかったそうですが、印象に残っているエピソードはありますか?
CHIHIRO:歌詞の中にも「青に赤が混じって 泣ける色に染まってく空」てあるので朝焼けのそういう感じを撮りたくて朝5時くらいに撮影をしたんですけど、2月だったんですっごい寒かったです(笑)。
軽快なリズムで片思いを歌った『大好き』
――この曲に持たせたイメージについて聞かせてください。
CHIIRO:片思いをして、頭の中ではいろんなことが動いているのに全然好きって言えない不器用な女の子を書きました。
――ポップな感じですよね。
CHIHIRO:そうですね、ちょっとミュージカルっぽいイメージでドタバタしながらも最後に想いを伝えるっていう。
――なんで好きなの?って人に聞かれて、なんだろう…って考えちゃうことってありますよね、それが「理由は感覚でしか分からないけど 私は無性に惹かれてしまう」っていう歌詞で納得できました。
CHIHIRO:ありますよね!身体が何かを覚えていて、でも理由はないっていうこと。片思いを思い出しながら書きました。
――最後の方の「振り向いてくれたりするのかな?」の後の「Hah~」って言っているところ、すごく高音で印象的でした。カラオケ諦めそう(笑)。
CHIHIRO:この曲はスイング調で生でピアノを弾いてもらったので、気分が乗って自然にあのキーまで行ってました(笑)。レコーディングもスムーズにレコーディングできて、リズムに乗っていたら勢いで叫んでたみたいな(笑)。
――この曲は作ろうと思ったきっかけがあったんですか?
CHIHIRO:このアルバムは切ない曲が多いから雰囲気を変えたくて、片思いの曲の中でも今までやっていないことをやりたいなって思って、軽快なリズムでハチャメチャな片思いの感情を出した曲にしました。
『人生最低最悪の日』
――この曲はラブソングではないんですね。
CHIHIRO:いつもあえて1曲恋愛じゃない曲を入れようと思っているんです。恋愛に限らず嫌なことがあった時私は音楽を聴いてきたので、今回もそういう時の応援歌として、強めな感じの曲にしました。
――なるほど、応援歌として。
CHIHIRO:私は今日絶対世界で一番不幸だって思うような日に聴いて欲しいです。
――ブリッヂの「私なら私を変えられるはずでしょ…」の部分は素直に勇気をもらえます。
CHIHIRO:友達とか周りの意見も大事だけど、やっぱり基本は自分なので、結局立ち直るのも乙こんだままなのも自分次第だよっていうことを伝えたくて、自分目線の歌詞にしました。
――CHIHIROさんご自身は悩んでる時間は短い方?
CHIHIRO:そうですね、あまり引きずらないです、はっきりさせたがりなので(笑)。
『Love Love Love~makana~』
――makanaはハワイ語で“贈り物”っていう意味なんですよね、すごくハワイっぽくてハッピーな感じです。
CHIHIRO:今ハワイで生活する時間が多いので、ハワイをイメージしてウクレレも入れたりしました。ハワイの曲って、シンプルで“愛”とか“家族”についてざっくり歌っているんです、その感じがいいなって思ってこの曲も“愛っていいよね”っていうことをシンプルに書こうと思いました。
――ハワイの音楽性に影響を受けた曲の一つということで菅、今後もハワイの音楽性に沿って曲作りをされていく?
CHIHIRO:ハワイにいる時間は自然とハワイで感じたことを曲に反映するようになりましたね。そこから影響を受ける曲も時々は書いてみたいです。
――シンプルな内容を意識したということですけど…
CHIHIRO:恋から愛に変わると相手だめなところや直して欲しいところもだんだん可愛く見えちゃうことってありません?(笑) それも含めてやっぱ好きなんだよねっていうような歌にしたかったんです。
最後に
――アルバムを通してのピックアップフレーズをご紹介お願いします。
CHIHIRO:『アイマイな二人』の「大人ぶってみても 余計に寂しくて 遊びは嫌なのに」っていうところは、傷つきたくないから目を背けたい部分だけど、気づいて欲しいからあえて“遊び”っていう言葉を入れて伝えました。
――ありがとうございました。では最後に、このインタビューを見てくれた皆さんに一言お願いします。
CHIHIRO:恋をしている間に悩んでる時とか、キラキラしている時とか、いろんな気持ちを13曲に書いたので、自分の恋に合わせて好きな曲を選んでもらって一緒に前を向けるようなアルバムになればいいなと思っています。
私のフレーズが聴いてくれる人にとっての元気になればいいなって思うので、歌詞を読みながら聴いて欲しいなって思います。
――よくある恋愛ソングだと思わずに、是非たくさんの人に聞いて感じてもらいたいですね!ありがとうございました。
Photo:片山拓
Interview:愛香
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リリース情報
『KISS MISS KISS』2017 年 3 月 29 日(水) RELEASE
2,593 円+税 TECI- 1536 全 13 曲 収録
M01: アイマイな二人
M02: 君がいない世界は切なくて feat. KEN THE 390 ※
M03: KISS
M04: 好きになっちゃいけない人
M05: 大好き
M06: 片恋
M07: Lips (interlude)
M08: Champagne Love
M09: 人生最低最悪の日
M10: ただのトモダチ
M11: 卒恋
M12: White Love
M13: Love Love Love ~makana~
プロフィール
福岡県出身のシンガーソングライター。
作詞・作曲家として音楽活動を始め、2006 年よりシンガーとしてのキャリアをスタート。
2007 年春にアナログ盤の限定シングル「In the FLOOR」でデビュー。
CD ショップのアナログチャートにて軒並み1位を獲得し、話題となる。2007年に1st アルバム「Jewels」、その後、2ndアルバム「DRESS」、3rdアルバム「Love Fragrance」、4thアルバム「C is」をリリース。2013 年には、デビューから6 年間の活動をまとめたBESTアルバム「BEST 2007-2013」をテイチク/インペリアルレコードよりリリース。すべてのアルバムが、現在もロングヒットを記録し続けている。自らの経験を曲に反映させ作り出す、創り出す『メロディ』と『歌詞』が、若い女性の共感を呼んでいる。