「その愛が、憎しみに変わる前に…」
これは12作目のシングルとなる『儚くも永久のカナシ』に付けられたキャッチコピーだ。
セリフのように感じるのは、この楽曲を作るに当たってテレビアニメ「機動戦士ガンダム00(セカンドシーズン)」の製作スタッフと合同会議が行われているからだろう。
初となる会議であった為かアニメでも、予告やキャラクターのセリフとして似たようなフレーズが使用されている。アニメと色濃くリンクしている歌詞内容は、ロックな激しいメロディと共に警告を投げかけている。
儚くも永久のカナシ
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愛が愛を「重過ぎる」って理解を拒み
憎しみに変わっていく前に…
何もかもそうだろ? バツの悪い事情にはいつも蓋して 食わせ物のリアル
歪んだジレンマ時代で 約束したはずの二人さえ 気付かず通り過ぎて行く
≪儚くも永久のカナシ 歌詞より抜粋≫
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この楽曲は出だしから「愛が重過ぎる」と唄う。
確かに愛というのは相手を想った分だけ、胸にのしかかるかの様に重みを増していくものだ。だからといって「重い」と口に出してしまえば、それはもう2人にとって負担以外の何ものでもなくなってしまう。
でもそれでは、お互いに向けるものが憎しみに変わる…。人というのは、他人の発言を自分の良いように捉えてしまう節がある。
どれだけ思いを深め合っていた間柄でも、そのまま気持ちがすれ違ってしまう事だってあるだろう。後半部分ではそんな相手とぶつかる怖さ、傷付く弱さをを認めた上で、それでも逃げてはいけないのだと訴えている。
愛は憎しみには変わらない
“理解する事を止めてしまえば、終わりだ”と言うかのように。相手を認めて、信じるという事は単純なようでいて難しい。だが、そうして2人で乗り越えた時にこそ、憎しみとは違う「本当の愛」が見えてくる。
タイトルにもある『カナシ』は、古文では『愛し』と書くそうだ。
愛は、憎しみに変わるのか?、そんな事はない。この楽曲が生まれた瞬間に答えはもう、出ている。
TEXT:空屋まひろ