1. 歌詞検索UtaTen
  2. コラム&特集
  3. バンド
  4. DaizyStripper

【インタビュー】DaizyStripper 10周年を迎えて異例のメジャー移籍! 僕らの気持ちを語ったロングインタビュー (3/3)



――まゆさんの独特な曲調に合う言葉のチョイスだなと思います。

夕霧:プロポーズの歌詞をずっと書きたいと思っていて、それを『HOME』に入れられたらなと考えていたんです。まゆの持ってきた曲のデモを聴いた時に、やわらかくて日差しがポカポカ温かくて…っていうのをすごく感じて、この曲ならイケるんじゃないかと。まゆの性格のように、肩に手を置いて優しくそっと隣に寄り添う…そんな曲だと思ったので、なるべく語りかけるような詞にしました。公園とかで同じベンチに座って、目の前で子供たちやその家族がはしゃいでいるのを見ながら、目は合ってないけど「みんな楽しそうだね」「そうだね」って語り合ってるようなシチュエーションをイメージして書きましたね。
プロポーズって、男女問わず誰でも憧れるものじゃないかと思うんです。すごくキラキラしたものに見えるし、俺自身が子供すごい好きでいつかは子供欲しいなと思ってるから、他のアーティストさんのプロポーズの曲を聴くとキュンってしますね(笑)。

――だから自分でもプロポーズの曲を作りたい思いがずっとあったと。ロマンティストですね(笑)

夕霧:プロポーズ・結婚って究極のキュンじゃないですか(笑)? バンドマンだから特にロマンティストなのかも(笑)

Rei:女性の方が現実的かもしれないですね(笑)。

――そんなロマンティックなキュンソングから一転、なお節炸裂といった曲『The End of Music』。

なお:今までワンマンしてきて、ライヴの中で一番激しい山場って『BLACK DROPPer』という曲で、もちろんそれも素晴らしい曲なんですけど、それを超える曲を作りたいなと思ってたし、夕霧が「『BLACK DROPPer』もいいけど、新しいのもそろそろ欲しいな」って何気なく言ったのがキッカケで作りました。『BLACK DROPPer』って、激しいけど意外とメロディアスな曲なんで、今度は中身も激しいものにしたいなと。出だしは、壮大な感じでメロディアスな歌モノの曲と匂わせておいて、すぐにシャウトで落とし、最後まで切ないメロを一切出さずに終わるっていう…(笑)。これがライヴでは、曲が終わって煽りタイムがあるんですけど、そのあたりを今ちょうどツアーで育てているというか、あれこれして遊んで試しているところです。もう盛り上がりは『BLACK DROPPer』を超えてるんじゃないかと思いますよ。1曲の中で夕霧がこれだけシャウトしてるのも珍しくて、すげぇそのシャウトがかっこいいんです。

――確かに、この曲はライヴでヴォーカル辛くないですか?

夕霧:普通のシャウトって、息をはきながら声を出すんですけど、この曲は逆で息を吸いながらシャウトしてるんです。バンド初期の頃は吐くシャウトでしたけど、吸い込むシャウトの方が喉へのダメージが全くなくて今はこの方法なんですが、ここまで1曲シャウトし続ける曲は初めてだから、まだ体が覚えてなくて声の出し方を時々間違えそうになるんですよ(笑)。息継ぎできる間もあまりない曲だから酸欠にもなりそうだし(笑)。ツアーを重ねていくうちにだいぶ慣れてはきましたけどね。アルバムを出してからファンの人たちからも「あの曲、ツアーで毎回歌うんですか? 喉が心配です」っていう言葉を多くもらったんだけど、吸う方なら全然平気でいくらでもできるんで…安心して下さい、吸ってますよ(笑)。やっと、激しさという部分で『BLACK DROPPer』を超えたと思っているし、ライヴに来てもらえたら分かるけど、この曲は自由度が高くて、決まりきった煽りのループじゃないから楽しさも毎回違うと思います。変幻自在な曲の煽りゾーンは是非体感して楽しんでもらいたいですね。

悲しみからキボウへ導くDaizyStripperの王道



――『明日が来るなら』は、デイジーさんの王道であり、風弥さんならではのバラードですね。

風弥:バラードは、デイジーの武器のひとつ。これまでのバラードはもちろんいい曲なんですけど、自分が聴いて鳥肌が止まらなくなるようなバラードを作ってやろうと思って、今回は自分の分析をするところから曲作りをしたんですよ。

――自分の分析をしたとは?

風弥:言葉で説明するのはすごく難しいですね~。音楽にハマってから現在まで、ライヴで鳥肌の立った時のことや鳥肌が立った曲を思い返して、どこが鳥肌ポイントなのかを音楽的に分析したんです。曲の構成なのか、音色なのか…どこに自分の心が反応するのかって。曲自体はフッと浮かんできたんですけど、それをよりもっと濃密にして、誰が聴いても鳥肌が立つような曲に仕上げたいなという思いだったんです。自分の都合中の都合という曲で(笑)、作ってる間も鳥肌が止まらなかったし、レコーディングが終わって、夕霧の歌が入ったものをプレイバックした時も本当に鳥肌で、コレはヤバいなぁと思いましたね。でも、自分が感動したりかっこいいって心から思えないものを世の中に出しても伝わる訳がないし、曲であったりバンドに対して、自分が一番のファンであり一番好きでないといけないと思っているから、その想いを細かく煮詰めていって作ったバラードなので、これまでのとは濃さが違うと思います。

――そんな風弥さんの鳥肌ポイントを歌ってて感じますか?

夕霧:すごく感じますよ。この曲は、歌を入れる前から「この曲ヤバいね」って風弥に話してたし、レコーディングで歌入れが終わった直後のまだ荒い状態での仕上がりを聴いた時に、涙が止まらなくなったんですよ。この歌詞を書いた背景には、2011年の3月11日に起こった東日本大震災があるんです。少なからず国民全員が被災者だと思うし、ファンの人たちやいろいろな土地の人からリアルな声も聞いたので、同じ目線で「あの時大変だったよね。辛かったよね。でも一緒に生きてて良かったね」っていう想いを歌っているんです。生と死について改めて考えてもらえるような曲になったらいいなと思っています。

――『KoppaMiJiN』とは、珍しい表記のタイトルですね(笑)。何か理由が?

夕霧:ファンの人たちにもなぜこういう表記なのか、大文字と小文字の使い方にどんな意味があるのかをよく聞かれたんですけど、実はあまり理由がなくて(笑)、何か勢いがあるような感じがしたっていうだけなんです。「木端微塵」って、漢字だと読みづらいというかグッとこないし、カタカナにしたらサラッと軽い感じがしちゃって…この表記が重さもありつつミステリアスでいいなと思いました。タイトルを先に風弥に渡してあったので、風弥がタイトルに沿って作った曲だから、そりゃもう鬼に金棒ですよ(笑)

――すぐにイメージが出ました?

風弥:すぐ出ましたね。以前、夕霧と一緒に『こっちにモッシュ!』というニコ生(にこにこ生放送)の番組で、タイトルやワードをもらって即興で曲を作るということをやっていたんです。その時の感じが甦って、タイトルをもらった瞬間に曲のイメージが広がったんですよ。あの番組で培った直感力って大事だなと噛みしめつつ、その直感のままに作りました。直感って嘘つかないですからね。ライヴでの暴れナンバーになることは間違いない曲です。

――『アマカラ-HOME ver.-』は、シングル盤との違いは?

風弥:曲の頭にちょっとアンビエントで、主人公がお菓子を食べていたりお酒を飲んだりっていうシチュエーションを付け足しました。

――最後の『GOD SPEED』『HOME』『キボウノカケラ~Shiny Days~』は、一緒くたにして申し訳ないですが、3曲とも今のデイジーそのものという強い印象があり、語りかけてくれて最後にはちゃんと背中を押して旅立たせてくれる…っていうデイジーの王道が共通していて、その中にこれまで以上の想いの濃密さも感じました。

風弥:ありがとうございます。例えば『キボウノカケラ~Shiny Days~』は、デイジーが5周年の時に、10周年を迎えた時に世に出したいと思って作ってた曲なんです。だから、実際に10周年のアルバムに収録できたことがすごく幸せだなと感じているんですよ。そういう温めてきた想いが、曲にデイジーらしさと内容の濃密さを与えているのかなと思います。この曲は大合唱する部分があるんですけど、10年経ったデイジーと、ファンのみんなと一緒に歌いたい…という思いでツアーをやっていますしね。

まゆ:アルバムタイトルでもある『HOME』という曲は、これがあるからこそアルバム全体がまとまる、すごく大事な曲だなと思っています。ライヴでも、それまで暴れていたお客さんがこの曲でまたひとつになる…もちろんそれまでも一体感はずっとあるんですけど、またグッと心の内側からひとつになる特別な感じがあるんです。

Rei:確かに“らしさ”はすごくあって3曲共通してますね。『HOME』は、暖炉の前でみんなで集まってアットホームな空間を作っているような感じだって風弥が言ってたけど、その絵が浮かびやすいし俺もその空間は居心地がいいし、俺の、俺たちの居場所だなって思うんですよ。

初めての5人フルアルバムツアー~ファイナルへ向けて



――現在『僕らの帰る場所』というツアーの真っ最中で、アルバムの手応えを肌で感じていると思いますが、いかがですか?

夕霧:実は、フルアルバムを引っ提げて5人でのツアーってDaizyStripperは初めてなんですよ。『TRAGUS』ってアルバムを出した時はツアーやったんですけど4人だったし、『SIRIUS』を出した時は5人だったけどミニアルバムだったので…。

――えーっ、意外!!

夕霧:でしょう(笑)。だから、まだ手探りな所がすごく多いですね。セットリストも、アルバムの曲を全部1日でやるべきなのか…とか、単純なことで“?”が多くて(笑)。現時点では、数パターンのセットリストを作って実験してる状況です。お馴染みの曲だとノリ方とか分かってる人が多いけど、アルバムは全部新曲なので、メンバーもツイッターやブログやインストアイベントなどで“こういうふうにノッてこういうふうに作っていこう!!”っていうのを発信しているんです。でもまだ100%じゃないからまたそれが楽しくて、ファンと一緒に曲を作り上げている感じがします。曲はライヴを見据えてるものが多く、またライヴでの瞬発力がすごいから超盛り上がるんですよ。でもバラードもあって、まゆならではの『in Daylight』みたいな中間の曲もある。喜怒哀楽、春夏秋冬の全てが入ってるアルバムだから、それを引っ提げてのツアーがすごく楽しいですね。ファンのみんなも、やっぱり10周年というのもあって、モチベーションが高いのがありがたいです。

――47都道府県全部来てくれるところもファン想いだなって感じます。ツアーでのエピソードもたくさんありそうですね。

夕霧:まず全員、インフルエンザワクチンを打ってツアーをスタートさせました(笑)。流行っている時期というのもあったし、去年俺ら、それでライヴを飛ばしちゃったことがあるので、そこは学習して…ね(笑)。

Rei:ツアー中はみんなで観光したりもするんで、各土地の観光で得たものがそれぞれライヴに活かされてるというのはありますね。例えば、鳥取では、漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の水木しげる先生の記念館に行ったんです。そこで触発されて、ライヴは「ちょっと妖怪チックな髪形にしようか」「ツノ出してみる?」っていう話になったり(笑)。MCも地元ネタを入れたりして盛り上がりました。会場が変わってる所もあるけど、47都道府県は既に経験してるから前回の雰囲気とかも分かってるしね。

――皆さんの各地で暴れてる姿が浮かびます(笑)。

なお:おかげさまで暴れてます(笑)!! そこは、さらに10年後も変えるつもりはないです。各地、かなり楽しんでますね。最初はライヴを見据えてアルバムの曲を作ったけど、俺は音源と一緒のフレーズを全く弾かない派なので(笑)、アドリブもあるけどライヴをしながらいろいろ考えてやってるんですよ。『HOME』というアルバムはリリースされて完成じゃなくて、メンバーとファンとスタッフと全員でライヴで一緒に作っていくものだと思ってるし、今まさに作り上げている所だから、すっごくツアーが楽しいし毎回進化しています。

――そんなツアーも残りわずか。6月5日のファイナル東京公演に向けての意気込みとPRをお願いします。

風弥:このアルバムを引っ提げて47都道府県ツアーを回れて、10周年を迎えられたことが本当に幸せだなと感じています。10年目以降、これからも“キボウノカケラ”をみんなに降り注ぐように散りばめていきたいし、デイジーと一緒に輝かしい日々をこれからも歩んでいきたい。そんな気持ちを込めて前進していくので、ぜひライヴに足を運んで、一緒に『キボウノカケラ~Shiny Days~』を大合唱しましょう。

なお:これまでいろいろなアルバムを出してきましたけど、このアルバム『HOME』は10周年に相応しい最高傑作になったと思うし、それを作った達成感も幸せもすごくあります。今後、15周年…20周年と迎えていく中で、いい意味で変わらないところは変わらず“らしさ”を大事にデイジーは進化していきます。ツアーファイナルの東京公演では、それまでの各地で得たものを全て出して、これまで味わったことのない温かい空間を作るので、ぜひ体感しに来て下さい!!

まゆ:今やっている『僕らの帰る場所』というツアーは10周年を迎えるツアーであると同時に、それ以降この先のDaizyStripperを形作るツアーでもあるんです。だからこそ、ひとつひとつのライヴに全力で向き合っていきたい。そう真面目な言葉を言いつつもファンに楽しんでもらいたいというのが一番だから、難しいことは抜きにしてこれからもデイジーの音楽を、ライヴを単純に楽しんでもらいたいです。

Rei:まず、『僕らの帰る場所』というツアーができ、『HOME』というアルバムを出せたという環境のありがたさに感謝すると同時に光栄に思います。今、各地を回っていて、ライヴで曲が常に生きているのをすごく感じているんです。47ヶ所で収穫し育んだものをファイナルのTOKYO DOME CITY HALLで全て発揮したいし、『HOME』だけでなくこれまでの楽曲を含めての集大成をぶつけて、10周年に相応しいステージにしたいですね。

夕霧:10年間、いろいろなことがあった俺たちだからこそリリースできたアルバム『HOME』だと思います。収録曲『キボウノカケラ~Shiny Days~』を例にすると、“私1人いなくなっても大丈夫。世の中何も変わらないでしょ”っていうような声を至るところで耳にするけど、ライヴで俺たちに見えているみんな1人1人が“キボウノカケラ”で、そのカケラも集まったらカケラじゃなくなるんですよ。だからあの曲中の大合唱になるし、すごい集合体が素晴らしい景色を生んでいるんです。それをみんながツアー各地で俺たちに証明してくれたから、6月5日のファイナル公演では「もう一度一緒に夢を見よう!!」って言いたいと思っています。楽曲も俺たちもツアーを経て成長していると思うので、それも体感しに遊びに来て下さい!!

Vocal 夕霧 / Guitar なお / Guitar まゆ / Bass Rei / Drums & Piano 風弥~Kazami~ の5名で2007年3月結成。2008年2月13日1st Single+DVD「ダンデライオン」発売。初作品でオリコンインディーズランキング第1位を獲得。 その後着々と動員を増やし、2012年4月〜5月、5th Anniversary ONE-M···

この特集へのレビュー

この特集へのレビューを書いてみませんか?

この特集へのレビューを投稿

  • ※レビューは全角500文字以内で入力してください。
  • ※誹謗中傷はご遠慮ください。
  • ※ひとつの特集に1回のみ投稿できます。
  • ※投稿の編集・削除はできません。
UtaTenはreCAPTCHAで保護されています
プライバシー - 利用契約