コラム:魔女がOLになったら… 〜吉澤嘉代子「月曜日戦争」
日テレで深夜に放送中のドラマ、「架空OL日記」。お笑い芸人のバカリズムが2006年から3年間、OLのふりをして書いていたブログが原作で、バカリズム持前の人間観察力、そしてネタとしての昇華力がいかんなく発揮されたお話は、現実にいてもおかしくない、それでいて、あるある…と微笑んでしまうようなOLたちの日常が描かれている。バカリズム自身が原作・脚本・主演(主人公はOLだが)を担当している話題作で、その主題歌を歌っているのが吉澤嘉代子だ。
吉澤嘉代子といえば、女の子らしい感性を武器にした歌詞の世界観と、強い意志のこもった可憐な声に、独特の毒をまぜた歌声で、ほかにはない個性を放つ歌手。そんな吉澤がこのドラマにどんな曲を書き下ろしたのだろうと聴いてみると、流れてきたのは、なんだか魔法少女みたいなイントロだった。
青いリボンに染みこんだ 透きとおる血の
微かな香をたどって わたしを探すの
幼いころに救われた 貴方の役を
いまこそひき継ごう 敵はもうそこ
水金地火木土天海冥
ドラマの主人公は銀行勤めのOL。青いリボンの制服に身を包み、月曜日になると会社に出勤していく。社会人がよく思う、月曜日、会社行きたくないな…という気持ち。そんな葛藤を、「月曜日戦争」として大きくふくらませ、惑星をモチーフにして描き出している。だから、魔法少女のメロディというよりは、宇宙のピコピコ感に近いのかもしれない。「宇宙戦争」のような感じ。「戦争」だから血は流れるし、敵だっている。「透きとおる血のかすかな香」のところなんて、すごくSFっぽい。
液晶の花園で待つ 味方の陣が
かじかむ手をあわせ 無事を祈っている
この星を守ってきたのは いつだってそう
ヒーローではなくて ヒーターだったの
ドラマの第一話では、OLたちがお金を出し合って買ったヒーターが壊れるという事件が起こる。寒がりのOLたちにとって、ヒーターのない仕事場は死を意味する。この星(職場)を守っているのは、ヒーローではなく、ヒーターなのだ。また、ドラマではOLたちがラインをしている場面があり、「液晶の花園で待つ味方の陣」、これは彼女たちのグループラインを言い換えている。ふつうの社会生活も、吉澤の言語感覚にかかれば、ユニークなスペースオペラに変換される。
「月曜日戦争」のミュージックビデオは、吉澤と歳も近い女性イラストレーター、たなかみさきが担当している。女の子が「OL」のヘルメットをかぶり、惑星に囲まれながらお菓子のルマンドのバズーカを放つなどしていて、彼女たちの世界観が存分に味わえる。
吉澤はインディーズの頃のアルバムタイトルが「魔女図鑑」、プロフィールにも「魔女見習い」とある。魔女が修行をするように、音楽の道を行く彼女は、まるで魔法を使ったみたいに、素敵な曲ばかりを産み出している。
面白いことに、吉澤自身も、このドラマの9話にOL役として出演する。魔女がOLになっている姿を、ぜひその目で確かめてほしい。
吉澤嘉代子 本人コメント
「月曜日戦争」は戦う社会人の心象風景を描こうと書きました。バカリズムさんが「最終回のラストに流れる月曜日戦争はたぶん聴こえ方が違う」とツイートしてくださって、そう思ってもらえたらいいなと書いたので嬉しかったです。
ドラマに登場するのは戦いとは無縁の主人公なので、もう一つの物語として楽しんでもらえたらと思います。私もちょこっと出演させていただいたのですが、楽屋の和やかな雰囲気がドラマのようでした。
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