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Anlyの1番側にいる存在、『北斗七星』が待望のリリース。大切な人を想って夜空を見上げた時に聴きたい1曲。【インタビュー】 (1/2)

彼女がまだ小さい頃、毎年6月に開かれていた主役のわからない誕生日会。小学5年生になった頃に彼女が両親に尋ねたところ、両親は「Anlyの天国に居るお兄ちゃんのだよ」と初めて兄の存在を打ち明けた。その頃から彼女の中には両親の抱える悲しみが和らぐ曲を書きたいという思いが芽生える。
日常の中に音楽があった彼女はその後自然と音楽の道へと進み、高校生の頃に自然と生まれた『北斗七星』は小学5年生の頃に芽生えた想いが初めて実現した曲である。活動当初よりライブで披露されてきたこの曲はオーディエンスの心に染み渡り、発売を待ち望まれてきたがついに8月9日にリリースとなった。

そんな『北斗七星』についてのインタビューを行って参りましたのでどうぞご覧ください。

ニューシングル『北斗七星』



──今回のシングル『北斗七星』はいつ頃書かれた曲なんですか?

Anly:この曲は高校生の時に書いた曲です。



──ライブではずっと歌われていたそうですが、今回のタイミングでリリースされたのは?

Anly:デビューの時からずっと『北斗七星』をリリースする話はあって、常に意識の中にあったんですけど、タイミングが来たと思ったので今回リリースしました。


──リリースまでの間に歌詞を変えたり、想いの変化があったりは?

Anly:全然なくて、今までも練習の合間に歌ったり家族みたいに寄り添ってくれている曲です。どっちかと言うと“曲”より“存在”っていうような感覚です。


──書かれたきっかけについても伺っていいですか?

Anly:小学生の時にお兄ちゃんがいるっていうことを知ってから、なんとなくギターも弾けるようになったし歌を歌う人になりたいなって感じ始めた時に、お兄ちゃんの曲を作ろうって自然に思いました。


──人生で初めて作った曲といってもいいような。

Anly:曲の作り方も全然わからなかったのでその時は完成しなかったんですけど、何年か経って夕暮れ時に高校から帰って家でぽろぽろギターを弾いてる時にパッと浮かんできました。


──タイトルにはどんな思いを込められたんですか?

Anly:タイトルをつけた時は全然何も考えてなくて、自然にこの曲には『北斗七星』っていうタイトルが似合うかもなって思ってつけたんですけど、初めてこの曲をタイトルも言わずに母に聞いてもらった時、『北斗七星』っていうタイトルが似合うねっていう話になって、偶然私も同じことを思っていたからそういうタイトルにしようと思って付けました。
最近になって北斗七星が1年中観れる星座だってことを知って、ずっと見守ってくれているっていう意味合いが今リリースになるタイミングで私の中に生まれました。


──運命というか、素晴らしいエピソードですね。


Anly:目には見えない絆みたいなものを感じました。


──前奏は本編とキーの違うきらきら星が入っていますが、これを入れようと思ったのは?

Anly:高校生の時からこういう風にしていたんですけど、多分小さい頃に寝かしつけられる時に子守唄みたいな感じで聴いていたから入ってきたんじゃないかと思います。


──カップリングも含め、今回のシングルは歌い方もこれまでと違ってやわらかい印象でした。

Anly:この曲はすごく優しい気持ちで作った曲でもあったので、意識しないっていうことを意識したというか。意識しすぎて想いを込めすぎるとレコーディングの時にいつもと違う雰囲気になっちゃったので、いつもライブで歌う時のように歌わなくちゃなってレコーディングの時は思っていました。力を抜いたときの自然さみたいなものがこの曲には会うであろうと。


──なるほど。周りの音も余韻が残るような雰囲気でしたが、アレンジに関してAnlyさんの方からリクエストは?

Anly:最初に入ってくるピアノのフレーズがデモの時からすごく好きだったので、絶対変えないで欲しいってことでそのまま弾いてもらいました。それ以外も、曲の後半になるにつれて壮大になっていく感じとか、アレンジャーさんと考えが一緒だったのでお任せしました。


──「見つけた幸せの中に 二人は歩いてく」から始まる最後のサビ前のブロックは、特にお兄さんに向けて歌われているように感じました。

Anly:その落ちサビは語りかけるような、今までの曲ではなかったような歌い方が自然にできたような気がします。


──「あなたのろうそくを数えてから ずいぶん明るくなったんだ」というフレーズの表現が素晴らしいと思ったんですが、この感覚はお兄さんがいることを知った小学生の当時に芽生えたもの?

Anly:そうですね、お兄ちゃんがいることを知るまでは誰の誕生日会なんだろうって思ってたんですけど、なんとなく寂しい感じの雰囲気で。ケーキのろうそくが増えるたびに、本当だったらこれぐらいの年齢だねってお父さんお母さんたちって思うと思うんですけど、子供からしたらろうそくが増えるのは単純に良いことだったからどんどんろうそくが明るくなっていってケーキに入りきらないくらいになるんだろうなって思ったらこの歌詞が出てきました。
母はここの歌詞が一番好きって言ってくれてます。こういう風に自分も考えればいんだなって思ったって言われて、書けてよかったなって私も思いました。


──お兄さんがいることを言ってよかったと思われているでしょうね。

Anly:最初は悲しむんじゃないかと思ってたって言ってたんですけど、予想以上に喜んでたって。一人っ子な分愛情も受けていますけど、やっぱり兄弟がいる友達が並んで登下校している後ろ姿を眺めるのがとっても寂しかったんです。でもお兄ちゃんがいるって知ってから全然寂しくなくなったんですけど、それってすごいことだなって。心に思うだけでこんなに存在を感じられるんだって。


──Anlyさんの選ぶピックアップフレーズをご紹介ください。


Anly:「悲しみだって変えてみせよう 今日を生きる意味に」っていうところが、自分で書いたけど“そっか!”って思える歌詞です。もしかしたら、お兄ちゃんが生きていたら私が生まれていなかったかもしれないし、違う未来のことを考えた時に私がいなかったかもしれないって思うと私が今生きていることってすごく特別というか奇跡的で、お兄ちゃんの命を受け継いで生きているんだなって思うと自分を大切にしていかないといけないって、この歌詞を歌うたびに思います。


次ページ : 『北斗七星』のカップリングが選ばれた理由

1997年1月、沖縄・伊江島生まれ。沖縄本島からフェリーで約30分、北西に浮かぶ人口約4,000人、風光明媚な伊江島出身シンガーソングライターAnly。 15歳までPCもインターネットも家にはなく、情報が閉ざされた南の島で、音楽好きの父が持ち帰るブルースやロックのCDを聴き、ギターをオモチャ代わ···

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