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ORANGE RANGE、サヨナラに代わる別れの言葉。ありがとうを君へ。

ORANGE RANGEといえば、夏のバンドというイメージが強い。楽曲自体がヒップホップ系に近く、内容にラップが入っているというのもある。

彼らの中で"最も長いバラード曲"


ORANGE RANGEといえば、夏のバンドというイメージが強い。楽曲自体がヒップホップ系に近く、内容にラップが入っているというのもある。

また、『上海ハニー』で一気にブレイクし、その後に出た『ロコローション』のように夏曲が多いからだろう。かと思えば、沖縄音楽を取り入れた『キズナ』のような楽曲も制作しているので、掴み所のない面白いバンドとも言える。

その時に制作される楽曲に合わせているからなのか、彼らが取り入れる音楽のジャンルは幅広いのだろう。

彼らの15枚目のシングル『SAYONARA』も暑い夏、と言うよりは夕暮れを連想させるバラード曲である。またメジャーデビュー後の中では、もっとも長い楽曲とも言われている。

先に挙げた楽曲に比べると明るい曲調ではないので好みは分かれるようだが、昔の恋人を思い出す心情がとても繊細に描かれている。

TBSドラマ「鉄板少女アカネ!!」のタイアップ曲としても知られているが、実は、書き下ろされたものではない。レコーディングされたものをドラマ担当者が気に入って採用されたからである。

その為、PVにはテレビドラマとは全く関係ない独立したドラマが存在している。

ドラマを見ているかのようなPVに


「ドラマのような作品(PV)に挑戦してみたかった」

インタビューにて、メンバーのNAOTOはそう語っているが、挑戦で制作されたとは思えない出来となっている。言葉通り、ドラマのような9分以上に及ぶ大作はユースケ・サンタマリアと羽田実加が出演。

"2006年10月25日、僕は死にました"

ユースケ扮する幽霊の言葉で始まる物語、最後は彼の心中に涙が止まらない。

SAYONARA


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今夜も月はいつものようにベッドの中の僕だけ照らしてる
恋い焦がれ 独り言つぶやいた
枕の中の世界はいつも君が笑顔で僕に歌ってる
奇麗だね 耳元でささやいた
あの日閉じ込めた記憶呼び覚ませ 明日に向け胸を張って
この愛しさくれたあなたのため トビラを開けて 進み行くだけ
「大嫌いだ」とか「大好きだ」って 愛し合った二人に今サヨナラ
≪SAYONARA 歌詞より抜粋≫
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別れとなると、どうも後ろ向きに考えがちだ。いないという喪失感に耐えられず、現実を見れなくなる事もある。

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枕の中の世界はいつも君が笑顔で僕に歌ってる
≪SAYONARA 歌詞より抜粋≫
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夢の中は、そういう意味でとても優しい。目を閉じれば、もう会えない人がその中で生きているから。

それに比べて思い出なんて、どうだろう。全て過去の出来事でしかなく、相手がいない現実を突きつけてくる。思い出しても悲しくなるだけで、無駄な物に思えてきてふり返る事さえ億劫だ。

しかし、逝ってしまった相手への愛情を改めて感じる事ができるのは思い出だけである。

思い出は、大切な何かを無くさないためのもの


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今更だけど ありがとうを君へ ありがとうを君へ
静かにそっと支えてくれてたね 時間を今超えて ありがとうって君へ
≪SAYONARA 歌詞より抜粋≫
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『SAYONARA』はタイトルに反し、サヨナラは1回のみで、その代わりに紡がれるのは“ありがとう”という言葉である。

素直になれないまま、伝えられずに終わった感謝の気持ちが別れの代わりとなっているのだ。

夢のように良いことばかりではないかもしれないが、思い出には、その時にしか経験できない大切な事がたくさん詰まっている事に気付く。

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愛する気持ちは捨てないで 愛される喜び忘れないで
≪SAYONARA 歌詞より抜粋≫
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自分が相手を大切に思っている以上に、自分が愛されていた事。思い出を閉じてしまうという事は、その事実さえなかったことにしてしまう。

確かに、思い出すという行為は相手を「いない者」として認めてしまうだけかもしれない。しかし、何も悲しませたくて思い出は残るわけではないのだ。

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笑顔のままで あの日のままで 笑ってる君はキレイだから
泣かないで 泣かないで 声をからして届けるよ
≪SAYONARA 歌詞より抜粋≫
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戻らない愛しさに、立ち止まったままでも良いと思ってしまう時もあるだろう。でも、そんな時こそ相手のことを思い出してみて欲しいのだ。お互いに笑顔で『SAYONARA』をする為に。

伝えたい想いは、もう届かない


逝ってしまった者の想いは、残してしまう相手の幸せ。

そんな伝える事ができない真っ直ぐな気持ちで、思い出は溢れているのだから。

TEXT:空屋まひろ

沖縄出身の5 人組ロックバンド。 2001 年に結成し、2002 年2 月22 日にアルバム「オレンジボール」でインディーズデビュー。 2003 年シングル「キリキリマイ」でメジャーデビューを果たす。 2021 年に結成20 周年イヤーに突入。 ジャンルにとらわれない自由かつ高い音楽性と、卓越したポピュラ···

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