歌詞はどっぷり“ダークな不倫関係”なのに。
ソレデモシタイ 平井堅
♪あなたは決して使わないのよ アタシの好きなボディーソープをシャワーでさらっと流すだけなの アタシを持ち帰らない為に
無味無臭で ただいまって 正しい愛を抱きしめるのね
減らないのよ ボディーソープ アタシの心が減っていくだけ
世の中でこれだけ“不倫”が悪とされ、一歩間違えば、家族も、社会的地位も、人生も何もかも失ってしまう恐れがあるのに人は“不倫”をやめない。
♪独り占めしたい シャワーに打たれて叫ぶの
アタシは馬鹿で欲深で 強かな女
それでも会いたい それでも愛したい
女の悲しみ、憎しみが痛いほど感じられる歌詞だ。
この曲が発売されたときに、あるインド料理店で、MVの衣装そのままで、一般企業の忘年会に乱入している。そして『ソレデモシタイ』を歌い出した。
ぶっ飛んだプロモーション。
バックにインド政府公認ダンサーを引き連れて、キレっキレのダンスを全力で歌い、終わると、スッと店を後にする。
これって?
突然、目の前にやってき男性に心を奪われる。夢中になってしまう。そばにいて欲しいと思っているのに、その男はあっという間に消えてしまう。
まさに、これは“不倫”そのものではないか。
そして、残された客は、平井のことが忘れられない。
♪あなたはどっかで冷ややかな自信家な男
それでも会いたい それでも愛したい……
不倫は男の方が冷ややかなのだろうか。
夢中になって、何もかも捨ててもいいと思うのは女だけなのかもしれない。男は自信家で、女なんてすぐ落とせるもので、遊んで、そして捨てるもの、って思っているって、この歌詞が教えてくれているような気がしてしまう。
“不倫”は絶対幸せにはなれないと、分かっているのに進んでしまう。
歌詞を読むだけで、涙が出てしまいそうなくらい切ない。
だったら健全な恋をすればいいのに。堂々と太陽の下で、おもいっきり見せつけるような恋愛をすればいいのに。そう思ってしまう私は、本当は何も分かっていないのかもしれない。
不倫を体験した男と女にしか、その気持ちは永遠に理解できないのかもしれない。
そんな苦しい思いなの
♪見苦しいアタシを お願い誰も見ないで今立ち止まったら崩れ落ちてしまいそう
そんな苦しい思いなのに。奪いたくて、会いたくて、自分ものにしたい。
♪チキショー!奪いたい
♪チキショー!会いたい
相手が平井堅なら、私も…。