アニメを見る上で、オープニングは欠かせないものだ。
オープニングの流れる映像と楽曲によって、いかに見る者をテレビに釘付けにできるか、相手を引き込む世界感がなければ、本題であるアニメを見てもらえないからである。
「セルリアン」は、テレビ東京系6局ネットにて毎週水曜18:00より放送されていたTVアニメ“ガンダムビルドファイターズトライ”、そのアニメの第一期オープニング主題歌である。
この曲を歌った4人組ロックバンド、BACK-ONは前作を含めると3回目のオープニング。
そんな彼らにとって、同じアニメでの3曲目と言うのは、鍵でもあり試されているようにも感じたという。
大人気アニメであるガンダムの世界を損なわず、如何にして自分たちらしさを出せるか。
それを突き詰めていく中で出てきたのは『限界なんて無い』という気持ち。
このフレーズは「セルリアン」の中で、繰り返し用いられている。
▽BACK-ON 「セルリアン」
――――
『限界なんて無い』ってキミの言葉に憧れて
この手を伸ばしたんだ
全開出して、泣いて笑って
また曇りない空の下踏み出すのさ
あの場所へ!
――――
『限界なんて無い』なんて、ありきたりな言葉かもしれない。
けれど、この曲を聴いていると本当にそう思えてきてしまうのは、彼らのリアルな感情が込められているからである。
実際に、「セルリアン」をレコーディングする時、万全の状態ではなかったという彼ら。
個人的に体調のよくない者や、3期連続で務めるオープニングへの不安とプレッシャー。
中には喉を壊してしまい、自信をなくしてしまう者もいた。
それでも全力を出さなくてはいけない状況に、彼らはこの歌詞にある『限界なんて無い』という言葉を信じてレコーディングを終わらせたという。
限界があることをわかりつつも、信じたい気持ち。
心のどこかで限界があると思っていても、それを度外視して考える。
そんな思いが込められたこの曲は、彼らの経験も合わさっているからこそ、すごく説得力が増した楽曲となり、映像と合わせて見ると今作にふさわしいオープニングとなっているのだ。
前作オープニングテーマでもあった、「ニブンノイチ」、「wimp」を合わせて三部作となる今回。
これらを順番に聴いていくと、アニメと共に歩んできたBACK-ONの軌跡も感じることができる。
アニメの主人公達の成長に合わせて一緒に歩んできた彼らが、「セルリアン」にぶつけたメッセージに辿り着くまでの思いが詰まっているので、ぜひ、合わせて聴いてみて欲しい。
TEXT:空屋まひろ
「セルリアン」は、TVアニメ“ガンダムビルドファイターズトライ”、そのアニメの第一期オープニング主題歌である。
楽曲をつくったBACK-ONはこの曲に何を詰め込んだのか!
公開日:2015年8月23日