THE CHARM PARKの「ディスク」。
フェードインという始まり方、ピアノで鳴らされるマイナーコード、それに続いて入ってくるエフェクトの効いたボーカル、英語の歌詞。
「え、洋楽?」と思った方も多いだろう。私もそう思った。
THE CHARM PARK「ディスク」
The more you’re closer to the end
The me you start to understand
数え切れないほど増えてゆく後悔
しかし曲が始まってしばらくすると、英語の直後に日本語が飛び出してくる。「あ、なんだ日本人か。」と思った方も多いだろう。私もそう思った。しかし彼は日本人ではない。
そしてアメリカ人でもイギリス人でもない。CHARMはソウルで生まれたアメリカ系韓国人だ。
このことが、CHARMの音楽を「邦楽」「洋楽」という括りから超越させる。
もう少し彼の出自を知ってほしい。彼は8歳から24歳までアメリカに住んでおり、バークリー音楽大学を卒業している。
バークリー音楽大学とは、ジョンメイヤーなどの世界的なアーティストを数多く輩出した名門音楽大学だ。CHARMの音楽は高度な音楽教育に裏付けされているのだ。
そして大学を卒業した後、日本で音楽活動を始めた。日本に来たのは、アメリカにいた頃から邦楽をよく聴いており、気に入っていたからだそうだ。
おまけに大学時代に日本語の勉強もしていたというなかなかの日本フリークだ。そういった出自をふまえた上でもう一度歌詞を読んでみる。
CHARMの飽くなき探究心が垣間見れる歌詞
Oh our disc keeps spinning round and round止めどなくめぐりめぐる
抱きしめて離さない
言葉を選ばずに言えば、この歌詞は陳腐だと思う。いろんな人が繰り返し繰り返し使ってきた、手垢のつきまくった言い回しだ。サビの歌詞にするにはいささか心許ない。
しかし思い出して欲しい。CHARMは日本語ネイティブではない。彼は、韓国語、英語に次ぐ「第三外国語」として日本語を使っているのだ。
我々に真似できるだろうか。日本語の他に二つ言語を習得し、そのうちの不得手な方で作詞するということを。CHARMの飽くなき探究心には頭が下がる。
どうせなら英語と日本語だけでなく、そこに韓国語も織り交ぜたトリリンガルならではの作詞も見せて欲しい。
国籍が曖昧になればなる程、THE CHARM PARKの音楽は唯一無二のものになっていくだろう。
シンガーソングライター、Charmによるソロユニット。 8歳から24歳までアメリカで過ごし、歌、ソングライティング、演奏をほぼ 1 人で行い作り上げる叙情的で美しい音世界とオーガニックかつダイナミックな楽曲スケール、緻密なメロディセンスとアレンジ力に全世界の音楽人が注目する新世代ポップ···