わーすたは“KAWAII”をグループのコンセプトとして活動、近年のアイドル・ムーブメントの中でも、特に多くの女性からの注目も多いという、特徴を持ったグループだ。そんな彼女らが今回満を持しての、初の女性限定ライブ開催となった。
この日昼夜行われた2部公演は両公演ともSOLD OUT、開場前には建物外に長蛇の女性の列ができるほどの盛況ぶりを見せた。会場内でわーすたの登場を待つ女子たち。うれしそうにグッズの猫耳をつけたり、サイリウムやペンライトを手にする者など、すべて女性であるにも関わらず、彼女らの登場を待つ観衆の表情や様子は、まるで男性ばかりのロックコンサートのような空気感を醸し出していた。

ステージもフロアも、「カワイイ!」が飛び交う空間
不意に会場のBGMが止まり、リズミカルなOvertureに切り替わると“キャー!”という歓声がフロアから湧き上がる。この日会場に訪れた観衆は、どれだけ彼女らとの対面を待ちわびていたことか。その思いが、見ているだけで伝わりそうなその音圧と光景。やがて観衆の歓声は、リズムに合わせて一つのコーラスになる。「わーすた!わーすた!わーるどすたんだーどっ!」そしてついに幕は開き、5人は現れた。
頭2曲を終え、改めて5人は観衆に向けての挨拶。「カワイイ!」「全員カワイイじゃん!」「どこ見ていいかわかんないじゃん!」そんな言葉を継げたのは、メンバーの方。フロアからも「カワイイ!」という言葉が連発される中、お互いの存在に気持ちを高ぶらせながら、「女子のみ」というこの日のステージに、期待を膨らませているようだった。
そしてステージは「うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ」「Just be yourself」「最上級ぱらどっくす」と、アゲアゲなナンバーでさらに盛り上がる。“KAWAII”を身上とする彼女らだけに、その楽曲にも典型的なアイドルの雰囲気を意識させる一方で、歌詞とそのメロディをサポートするハーモニーの中には、何か「女子」の微妙な心境、切なさなどを感じさせるコンセプトが見られる。キュートな5人は、それを目いっぱいのパフォーマンスで披露、彼女らのこの日のパフォーマンスは、まさに観衆に語り掛けるような姿勢も感じられた。

「女子ならでは」の空間、自身の成長を感じたこの日

やがて5人はそのパジャマ姿でそのままステージを再開、イベントはクライマックスに向かっていった。レゲエ調のリズムから始まる、まるで彼女らの本音が垣間見られるような「ゆうめいに、にゃりたい。」から、すさまじい歓声が飛び交う「にこにこハンブンコ」へ。5人の顔には輝く汗とともに、一向に耐える様子のない笑顔があふれていた。楽しい。楽しくて仕方がない。彼女らにも、観衆の表情にもそんな気持ちが見えてくる。
いよいよ迎えたクライマックス。バラードの「ねぇ愛してみて」より、この日の感謝の思いを告げるとともに、その思いを込めたラストナンバー「いぬねこ。青春真っ盛り」へ。そして大きな盛り上がりとともに、ステージは終わりの時を迎えた。しかしフロアの誰かが叫ぶ。「アンコール、いくよ!わーすた!わーすた!わーるどすたんだーどっ!」その声を契機に、再び大きな歓声の嵐が会場を満たした。
アンコールに応じ、感謝とともにさらに1曲を披露、イベントを締めくくった。終わりに廣川は、結成当時はこれほどの女子が集まるイベントができるとは思わなかったことと合わせ「いつもわーすたの音楽を聴いてくれることか、そこから友達に広めてくれたり、どんどん“わーしっぷ”(わーすたのファンの呼称)の輪が広がってくれているのがうれしい」とコメント。これまでの道のりを改めて振り返ってた。女子のパフォーマンスグループだけに、女子にどう受け入れられるか?この日のパフォーマンスでは、その大きな命題に力強く応えたわーすと。5人の真価は、これから間違いなく発揮されることだろう。

Text&Photo:桂伸也
「男子禁制!わーすた女子パーティー」セットリスト
2017/12/17 @青山RizM01. Doki Doki?today
02. 恋するにゃこたん〜フリもフラレもあなたのまま〜
03. うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ
04. Just be yourself
05. 最上級ぱらどっくす
06. ゆうめいに、にゃりたい。
07. にこにこハンブンコ
08. NEW にゃーくにゃくにゃ水族館2
09. ねぇ愛してみて
10. いぬねこ。青春真っ盛り
encore
EN1. ちいさなちいさな