あの有名なアニソン『Butter-Fly』の生みの親!
千綿ヒデノリ(ちわたひでのり)は、ボーカリストとして活躍する男性アーティストである。1994年にCHACEというバンド名でメジャーデビューを果たしたが、その4年後にソロでデビューをしている。
ボーカリストとしてだけでなく楽曲提供も行っており、和田光司がアニメ「デジモンフロンティア」にてOPテーマとして歌った『Butter-Fly』はその代表曲である。
そんな彼は現在、アーティスト名を本名に改め千綿偉功として活躍中。
『カサブタ』の認知度は半端ない!
『カサブタ』は彼が改名する前の楽曲となる為、検索する際は千綿ヒデノリで表記される。
彼がリリースした曲の中ではバンド時代を除いては最高ヒット作と言われており、それはこの曲を使用した「金色のガッシュベル!!」の影響だけではないようだ。感想の中には、アニメを見なくなっても『カサブタ』は聴いているという内容もあるくらいだ。
アニメでの使用期間は2003年4月~2004年3月までの約1年足らずであったが、最終回の第150話でEDテーマとして再登場。2番以降の歌詞を使用し、アニメの最後をロックな明るさで飾っている。
カサブタ
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明日へ続く坂道の途中で すれ違う大人たちはつぶやくのさ
「愛とか夢とか理想も解るけど 目の前の現実はそんなに甘くない」って
つまずきながらも転がりながらも カサブタだらけの情熱を忘れたくない
大人になれない僕らの強がりをひとつ聞いてくれ
逃げも隠れもしないから笑いたい奴だけ笑え
せめて頼りない僕らの自由の芽を摘み取らないで
水をあげるその役目を果たせばいいんだろう?
≪カサブタ 歌詞より抜粋≫
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純粋そうに見えて、子供は大人より周りを見ているものだ。愛や理想を真っ直ぐ信じられるのは子供の特権なのに、成長するにつれ言わなくなってくるのは、大人の言う事をよく聞いているからである。
「愛とか夢とか理想も解るけど 目の前の現実はそんなに甘くない」って。
ちょうど進路について考える中学生の時期をきっかけに、こんなお小言を親にもらったりする。夢を語れば現実を見ろと言われ、進路を語れば学力を物差しに自分を測られる。これでは、成績が良ければ文句ないでしょ?と子供に言われてしまっても仕方がない。
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何度も繰り返した失敗とか 大きく食い違った考えとか
僕らの基準はとても不確かで 昨日より何となく歩幅が広くなった
≪カサブタ 歌詞より抜粋≫
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正しい答えは一つじゃない。
『カサブタ』は、大人になる前のちょっと背伸びした子供の曲である。
自分でもよくわからないモヤモヤを心に抱えながら、それでも少しずつ成長していっている。勉強のように1つの答えが正解ではない事が、社会に出ればたくさんあるものだ。
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背伸びをしながら打ちのめされながら カサブタをちょっとはがすけど答えは出ない
≪カサブタ 歌詞より抜粋≫
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今は答えが出せなくても、いつか「僕ら」は自分で答えを導き出す時が来る。危なっかしくて、つい口に出してしまうのが親心と言うものだが、ただ正解を教えるのでは「僕ら」の為にならないのだ。
今や携帯も進化し、子供でも簡単に答えが手に入ってしまう時代。こんな時だからこそ、『カサブタ』が聴き継がれていくのかもしれない。
自分だけの答えを見つける、その時まで。
TEXT:空屋まひろ