一瞬で変える魔法を使うsumika?
この「MAGIC」を使って、モノクロの“いま“をフルカラーの”いろ“に一瞬で変える魔法をsumikaが奏でる。sumikaは、神奈川県川崎市出身のボーカル&ギター片岡健太、黒田隼之介、荒井智之で2013年に5月に結成され、後に小川貴之が加入し現在に至る。
ロックを軸にしたポップな楽曲の数々は、ジャンルの垣根を超えて、多くのコアな音楽ファンの目に留まり、10代を中心に一気に火がつき、人気バンドの仲間入りを果たした。
邦楽ロックではお馴染みの4つ打ちビートもあれば、普段ロックをあまり聴かない人でも馴染みやすいポップスソングまで、sumikaの音楽の幅は非常に広い。
全てがお洒落なのだ!
総てに共通するのは“お洒落”というところ。音楽家に限らずあらゆるクリエイターと手を組んだものづくりを大事にしている。今回紹介する『MAGIC』は、2017年7月にリリースされた1st Full Album『Familia』にも収録されているので、是非とも聴いて欲しい。モノクロになった彼女の心の闇を音楽の魔法で変えるーーー。
この曲を掘り下げるには、MV上のストーリーを含める事で、より歌詞の世界に入り混んでいけるので、まずは映像の説明から始めたい。歌詞の内容はヒロインの心情とイヤホン越しの僕達の激励の言葉が歌われており、彼女の気持ちを汲み取ったセピア色の世界から映像は始まる。理由はわからないが、何かに焦って苛立ったり、不安に陥って疲れきっている様子。
決して派手でも目立つタイプでもない、ある一人の女の子がイヤホン越しに流れる音楽の魔法にかかりながら、徐々に心も晴れ、映像も少しずつ華やかになっていくハッピーソングである。
今を変えるんだ
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イルミネーションで高鳴る街
まるで僕ら水と油腹下しそう
負けるまいよと鳴らすよMAGIC
耳塞いで さあ準備して
だんだんだんだんぬるい方へ
だんだんだんだん高まる方へ
≪MAGIC 歌詞より抜粋≫
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彼女の眼に映る街には、何処と無く華やかな雰囲気が漂っている。友達同士の楽しそうな声や恋人同士の仲睦まじい姿。目に入れば入るほど胃が痛くなっていっているのが伝わってくる。そんな彼女を必死に励ますイヤホン越しのミュージック。
“聞きたくない全ての音をかき消す不思議力を持った僕達のMAGIC”で、彼女の心も少しずつ温められていくのである。さあ、音と音にのせて“今”を変えるんだ!と。
まるで映画ヒロインの気分になる
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行こうよ(dance!dance!dance!dance!)
お願いだよ 心をとくと潤したいんだよ
鳴らす高まるミュージックで弾けるMAGIC
動かない表情動かない身体に
とびきりのMAGICを
変わらない状況 変われない心に
とびきりのMAGICをかけてよ かけてよ
≪MAGIC 歌詞より抜粋≫
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まだまだ心の中の闇から抜け出せない彼女への救いたい想いが爆発する。ここまできたら簡単さ。最後は自分が自分にMAGICをかけるだけ。とびきりのダンスと笑顔を僕に見せて!と言わんばかりに畳み掛ける。
ここで映像にも変化が。だんだんと解されている心が周りを巻き込んでいき、豪華なミュージカルシーンのようにたくさんのダンサーの真ん中で派手な衣装を纏いながら堂々と踊る“あの”女の子の姿が。ようやくセピア色の世界がフルカラーになる瞬間が訪れるのだ。
さあ、音と音にのせて “色”を変える。何かに悩んだり、不安になったりした時。人に手を差し伸べて欲しい時に、sumikaの音楽が手を強く握って引っ張ってくれる。
全体的に高揚感の満ち溢れたハッピーソングが多いので、なんか気分が上がらないなあと感じたら、イヤホン越しにとびっきりのMAGICをかけてくれる彼等の音楽がおすすめしたい。
sumikaの魅力って…
最後に、sumikaが何故若い世代の女の子に人気なのか考えてみたら一つの答えがみえてきた。それは、“聴く人がまるで映画のヒロインになったかのようなトキメキを演出してくれるバンドだから”なのである。TEXT:松下ゆっこ
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