3日間寝込んでベッドの中で携帯に歌詞を書いた「アスハ、クル」
──次は曲の作り方についてお伺いしたいんですが。
TAKA:そうですね、大体は僕がたたき台としてメロディと歌詞を作って「こんなのどう?」って二人に提案します。で、二人の反応を見て…「ん〜…これは…」って反応が悪くても…僕がいいと思ったら作ります(笑)。
──なるほど(笑)。
SHOWTA:でも、逆のパターンもありますよ!「TARAREBA」は、TAKAが「サビがどうしても気に入らない」って言ったんだけど、僕ら二人はこれでいいんじゃない?って言ってそのまま作りました。
──「TARAREBA」ですか?サビの部分が印象的でむしろ良いですけども。TAKAさんは、曲と歌詞はどんな風に作っているんでしょうか。
TAKA:そうですね、大体は同時に曲と歌詞が思いつくんですけど…メロディは
ゲームやっていたり、他のことしていると思いつく。「やろう!」って思うと、大抵はできません(笑)。
──曲作ろう!と身構えると思いつかないものなんですね。
TAKA:部屋の掃除して、コーヒー入れて…なんてすると、できないですねぇ。で、あーゲームでもしよっかな〜ってやってると…なぜか思いつく。そう、今回のアルバムはゲームやっててできた曲ばかりです(笑)。
──バラード曲もですか?「何度も」や「I know」も?
TAKA:あ、「何度も」や「I know」は違いますね。あれは、歌詞を先にカフェで書いて。メロディがなかなか出てこなくて、一度保留にしておいた曲です。後から、メロディを思いつきましたね。
──専門学校時代から曲作りはしてらっしゃったんでしょうか?
TAKA:専門学校時代は作っていなかったですね。作ってみたい!と思ったのは、その時々の感情で「こういう曲があったらいいのになー」というのを追及していった結果、自分で作ろう!…となったわけです。
SHOWTA:「ひとつだけ」と「TARAREBA」は3人で話し合って作りましたね。サビは3人でいる時に大体できて、あとは僕がRAP書いて…とか、残りの歌詞はTAKAよろしく、みたいな感じですかね。
──アルバムに収録されている、それぞれの曲について伺いたいのですが、「アスハ、クル」は落ち込んでいた時に作ったものなんですか?
TAKA:そう。あれは風邪を引いて寝込んでいた時に作ったもので…ベッドに寝転びながら携帯にメモしていたのが、「アスハ、クル」です。病気で3日くらい引きこもって寝ていると、世間に置いてかれた感があるでしょう?それで作ったのがあの曲なんです。
──でも、そんな落ち込んで作った曲に聞こえないのが不思議ですね。相手を元気付けて、盛り上がる曲に聞こえます。サビの部分の「笑って笑って」とか「君の隣で眠ろう」という部分は、相手に寄り添っている感じがありますよね。
TAKA:それは僕の優しさです(笑)。
SHOWTA:サビの部分の「笑って笑って」をお客さんに歌ってもらうことで、意味合いが変わってきた歌だなあと。「アスハ、クル」を明るく歌ってみよっか?って歌ってみたら、意外とみんな乗ってきてくれて(笑)。
TAKA:僕は「アスハ、クル」は制作する立場から考えたら、ダントツに飛び抜けて好きな曲です。一番、よく出来た!って思ってる。よく歌詞を読んでほしいって思う曲ですね。まあ、客観的に外から自分が、JUNKYPOPを聞いたとしたら…「きっと君はまだ知らない」を聞いて好きになるかなーって思うけど(笑)。
バラードはJUNKYPOPの真髄〜自分たちも曲も成長していってる
TAKURO
──JUNKYPOPのバラード曲もとても人気がありますよね。
TAKA:バラードについては、さらっと聞いてもらって…1年後聞いても「ああいいなあ」って思ってもらえる感じがいいですかね。毎日聞き込んでくれなくてもいいんです(笑)。
──「I know」は初めて音源化されたので、人気が高い曲ですし、ファンの皆さんは喜んでくれたのではないでしょうか?
TAKA:「I know」は2年も音源化しなかったので「この曲、CDないんですか?」ってよく尋ねられましたね。
TAKURO:唯一の恋愛曲だから、やっぱり人気があるよね。
──「世界一綺麗で歪んだワガママ『あなたに会いたいけど会いたくない』」という部分が本当に切なくていいですよね。「I know」は「特別な曲」だと以前おっしゃっていましたが、それはなぜでしょうか?
TAKA:そうですね、あの曲は唯一、自分の体験や経験を織り交ぜた曲だからですかね。あまり自分の経験などを歌詞にしたいとは思わない方なのですが、この曲だけは過去の恋愛を思い返しながら「もしかしたらこんなことを考えていたのかな?」と思いつつ書きました。会いたいのに会いたいと言えない、会ってしまったら終わってしまうかもしれない…そんな自分の感情の女々しい部分を書いてみたんですけど…。
──自分の経験からくる感情の動きが表現されているから、皆さんに共感されるのかもしれませんね。
TAKURO:僕は「何度も」が一番歌っていて、グッとくるかもしれないですね。あれは誰にでも当てはまる感情を歌っていると思うし。
SHOWTA:「何度も」は一番JUNKYPOPらしい曲かもしれない。TAKAが書いて提案してくれた曲の中で、一番すんなりとすぐに共感できた曲だなって思います。
──私がJUNKYPOPを聞き始めた頃に作られた曲が「何度も」と「君だけの何かを見つけるまで(アルバム未収録)」だったと思います。元気になる曲も多いけれど、皆さんの生き方や人生に寄り添うようなバラードがJUNKYの真髄なのかと思いますが…
TAKA:そうですね、僕自身もそういう曲が好きだし、そういう曲を聞いてもらってファンになってもらいたいな、と思います。路上ライブで歌っていた時に「何度も」「I know」が立ち止まってくれる人が圧倒的に多い。曲自体の魅力が強いんだろうな、って思います。でも実は、「何度も」は今になって僕たちも…意味がわかるようになった気がしています(笑)。
──自分たちで作ったのに、ですか?
SHOWTA:僕たちが大人になったってことかな?
TAKA:うん。なんか、わからないで歌っていた気がしています。僕たちが成長して、曲も成長してる。