『Bulbous Bow』で好きなフレーズ
──歌詞サイトなので、『Bulbous Bow』の中から好きな曲を一曲選んでいただき、好きなフレーズを教えてください。小関竜矢:僕は『FATEMOTION』の最初のAメロの「幸せは途切れる事なく空回る嘘ばかり目の前にあるモノが確かな事じゃないさ」です。一番勝負のタイミングをかける曲でもあります。幸せは途切れる事なく空回る嘘ばかりは、上手く行かない事ばかりで嘘ばかりじゃないかっていう事を示していて、色んな人に説き伏せられるというか、これが正しいっていう普通な言葉がある中で、目の前にあるモノが確かな事じゃないというのは、失敗や人からアドバイスを求められたときに、言える言葉といいますか。
すごく順風満帆な人はこうは思えない。マイナスな事を知っていないと言えない言葉かなと思います。『FATEMOTION』の核心じゃないですけど、目の前にあるものが確かな事じゃないっていうのは、割とあると思うんですよ。それが運命か、運命かじゃないかなんてわからないけど、もし運命だったとしても抗っていけよっていうような曲です。序盤でグサッと刺さるフレーズですね。
──『FATEMOTION』はドラマの為に書き下ろされたと思いますが、小関さんなりの運命にまつわるエピソードを盛り込んだ形なんでしょうか。
小関竜矢:そうですね。ドラマのストーリー性を意識しました。運命っていうワードが大前提にあって、ドラマの主人公が成長していく感じと、主人公と別の登場人物にフォーカスをあてた回とかもあったので、男性目線や女性目線の事も考えました。悔し涙なのか、憎悪的な涙なのか?とか色々な描写がある中で、どこのセクションで歌詞が流れたとしても、ハマるような歌詞っていうのをイメージした形です。
バンドに対してもリンクするようにしたいとも思っていたので、「僕には出来ない無理だよ」っていうのは、音楽的に勝負はしているけれども、アイドルみたいな対応はできない、僕には無理ですよ、みたいに皮肉チックに言っていたりもします。「気がつけば収まる事なく膨れ上がったS.O.Sは何処へ」もSNSを通して膨れ上がった言葉にある、有名だから、バンドマンだからって事で押しつぶされることが結構あって。みんな普通の人間ですし思う事もある中で、活動していってというようなのも込めていますね。ドラマとバンドの今の状況や、前向きな気持ちをリンクするように書きました。
──様々な心情が織り交ざっているんですね。運命という想いが大前提に伝わってくる楽曲だと感じました。
小関竜矢:そういう風に思っていただけるのは嬉しいです。歌詞に「ダーリン」っていうフレーズが出てくるのですが、この言葉は女の人が男の人に言う言葉だと思っていたんですけど、逆でも良いらしいんですよ。なので、今回のドラマの曲にぴったりだと思いましたね。「ダーリン」を誰に問いかけている?という楽しみもあります。
──変な事をお聞きしますが、運命は信じる派ですか?(笑)
小関竜矢:僕は年齢によって色々変わってきたんですけど、物事は全て決まっている派の人です。運命派ですかね。頑張る事も怠ける事も全部決まっていると思うんです。自分主体だし、人の気持ちってわからないじゃないですか。生まれてきてから自分の中で、物事が進んでいるといいますか。その中で「なんで私だけ?」とか思う瞬間って必ずあるはずなんですよ。例えば車にぶつかってしまったとか。そこを考えると色々わかんなくはなりますけど、自分に対してという事では運命派です。運命、必然、偶然、のテーマは割と考える方なので。
辻怜次:僕も結構似ているんですよ(小関と考え方が)。割と必然的に起こることが昔からあるなって思っていて、運命論信者派ですね。
小関竜矢:占いと一緒ですね。良いことは運命で、悪い事は偶然っていう感じかな。ライトな運命派(笑)
須田原生:僕は期待する運命は信じてない派ですね。なんも予定していなかったのに、凄い出会いが起きたとか、何かがあったときは運命だなって思う事はあります。けど、運命を信じるみたいな事あるじゃないですか?「そういう人と出会えるんだ、私は」みたいなものは掴めないだろうなって。
──では鈴木さんはいかがですか。
鈴木敬:僕はあんまり考えないですね。
全員:(笑)
辻怜次:クール(笑)
鈴木敬:運命を変えていこうよっていう考え方ですかね。あんまり物事を考えすぎないと思います。「運命だよ」って言われたらそうかもしれないけど…っていうような気もします。
──話を戻しますが、お好きな歌詞のフレーズを教えてください。
鈴木敬:この流れで言うと『FATEMOTION』の「会いたい気持ちを止めないで運命に試されてる」が凄く好きです。恋愛していたらメールとか沢山送っちゃうだろうなって(笑)
全員:(笑)
辻怜次:この歌詞を見て?
鈴木敬:そう。俺メールとか送っちゃうだろうなー。この歌詞に応援されてさ。
小関竜矢:この歌詞も運命があるか、ないかっていう所を限定的にしたくなかったんです。運命があるよって決めつけたくはなかった。運命に試されるっていう表現をして、運命がないって考えている人にも抵抗がないように書きました。
須田原生:32歳(鈴木敬)にも響いた歌詞なんだね…。(笑)
辻怜次:僕は、『bandwagon』の最後に来る「抗いながら想い出と共に「時代」を変えていくよ 止まらない気持ちを朝焼けだってin my head 僕等の時代は目の前さ」が好きです。これがまさに今の自分たちを表しているといいますか。SNSなどを含みますが、抗える場所っていっぱいあるんですよね。ただ自分たちがしっかり意識を持って、バンドを組んで活動している中で、『Bulbous Bow』では広がって欲しい、もっと前に進みたいっていう想いを込めて制作したので、その部分がここに反映されていると思います。
──『bandwagon』では、俺たちやってやるぜ!というような強気な姿勢が見られるなと感じました。
小関竜矢:そうですね。売れるかもねとか、○○のイベントに出られるとかは最初の段階で感じることなんですが、今になってもその時の気持ちって残っているんですよね。ずっと長く続けていきたいって事は何年か前から言ってきているので、その為には売れないといけないとも思っていました。ちゃんと真面目に向き合っていけば、自分たちの音楽はずっと残っていくよっていう事と、今のファンに対してぶつけている想いもある曲です。嘘つかずカッコつけず、僕の性格の悪い部分も出しつつ(笑)ストレートに書きました。
須田原生:『memento』の「君は僕の沈まぬ太陽」が良いですよね。パンチ効きすぎています。僕が曲を作って歌詞を小関にお願いしました。『memento』っていう意味も、直訳すると思い出とか形見っていうんですが、語源で言うと思い出せっていう命令形だったりするんです。「君は僕の沈まぬ太陽」も例えなんですけど、オゼ(小関竜矢)の歌詞って人によってどう受けるか変わるのが面白味だと思っていて。“君”っていうのはストレートに言うとしたら付き合っている人や、好きな人という例えも出来ますが、日常生活の中でふとした瞬間に目にする思い出の写真とか、そういうものを見ても君は沈まぬ太陽って思いだす事が出来るじゃないですか。それがネガティブに感じる人もいるし、逆にポジティブに考える人もいる。心境によって、気持ちが右にも左にもいく言葉だなって思っています。
──歌詞を見たときに「君は僕の沈まぬ太陽」という存在は、小関さんが想う須田さんの事だと思っていました。付き合いが長い事もありますし。
小関竜矢:いやとてもじゃないですけど、太陽だとは思えないです(笑)
全員:(笑)
小関竜矢:でもそれ良いですね。
須田原生:あてつけで俺を太陽にするなよ(笑)
小関竜矢:沈まぬ太陽ってなんか表現的に、いいなと思っていて。輝く太陽って輝いている事を示していると思うんですけど、沈まない太陽って実は沈みかけている感じのイメージがあるはずなんです。太陽をどう捉えているか?というのもありますし、曲調や歌詞の流れも切ない作りになっていて、沈まない太陽は一体どういう事なんだ?っていうのをイメージしてほしいなっていうのはありますね。
『Reset』と『SAYONARA』に捧げた想い
──では、『Reset』はどのようなテーマ性で作られたんでしょうか。小関竜矢:『Reset』はとにかくキャッチーに語感が良くっていう所があって、割と硬派ではない柔らかい感じに作っています。最初に「嘲笑う物陰に君が居る」っていうフレーズがあるんですが、僕らの代表曲『Public』に繋がっているんです。『Public』では、「街路樹の隙間から見て見ぬフリする怪獣が目を凝らす」という歌詞があるんですが、それに出てくる怪獣が、『Reset』にも出てくるんですよね。
──続編?
小関竜矢:続編ではないんですが、その怪物の単独出演みたいな感じです(笑)スピンオフ系。ギターのフレーズもこんなに良いフレーズ聴いた事がないくらい、力のあるフレーズだと思うので、これをどうやってキャッチ―にポップに持っていくか?ってなったときに僕が元々持っていた怪物とか、モンスターのような語感が大切だと思ってそのあたりを取り入れながら書きましたね。意味合い的には物語の主人公がいて、ラストシーンは目の前なんだけど力を緩めずも走っていけよという前向きな曲です。
──「這いつくばっているまるでゾンビ喰われちまいな」というフレーズは、かなりインパクトありますね。
小関竜矢:これを見てドキッとするか、『ウォーキング・デッド』の見すぎかな?って思われるかどっちかなってね。
全員:(笑)
小関竜矢:皮肉みたいな事も込めてはいますが、ほんの少し『ウォーキング・デッド』も入っています。
辻怜次:入ってんのかーい。どっちもじゃん!
小関竜矢:「1.2.3狙い定めて明るい未来を作りましょう」というフレーズは若干の下ネタを交えています。
辻怜次:明るい家族計画です(笑)
小関竜矢:そういったユーモアが溢れた所もありますね。若くて青臭い歌にはしたくなかったので、そこを上手くくっつけていきました。
──4曲目の『SAYONARA』は鈴木さんが作詞・作曲を担当されています。こちらは卒業シーズンに合うエモーショルな楽曲に仕上がっていますね。
鈴木敬:これは元々、辞めていくバンド友達だったりとか、スタッフ、そういう人たちへの想いを入れた歌なんです。小関のアドバイスとかをもらいつつ、もう少し広くできるようにこういった楽曲が出来上がりました。
──サウンド面で意識した点は?
鈴木敬:このアルバムの中では、割とBenthamっぽい感じでシンプルなバンド感になっています。音もそんなに重ねないでストレートな曲を意識しました。
──とてもシンプルな構成になっていますよね。鈴木さんの作られた楽曲に対し、小関さんはどんな印象を受けていますか。
小関竜矢:歌詞へのこだわりがあるのもわかっているし、ここは俺がっていうのはやらせたいっていうのもあります。僕が歌いやすいように語尾を変えたりもありますが、これから敬の中で書く単語も見つけてくるだろうし。なにより、敬にしか書けない歌詞があると思うので、それは歌っていて「よっしゃ!しっかり歌っていこう」って思いますね。
──最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
小関竜矢:今回、歌詞に対してすごく力を入れています。言葉の出会いというのは、本だったり、詞だったりとかもあると思いますが、音楽からも取得できる事があります。音楽を聴いて、どういう歌詞なんだろう?と検索をかけてもらえているかな?っていう所は僕の中では毎回気になっている所でもあって。今作から「歌詞いいよね」って言っていただけたら嬉しいし、曲とリンクしているパワーワードだったりがあるはずだと思います。言葉と音楽に助けられる人はいっぱいいると信じているので、ぜひ歌詞を隅々まで読んで欲しいと思います。
TEXT:橋本美波
PHOTO:愛香
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