描写が具体的でドキドキしちゃう
“イケてない地味なファッション
卵みたいな丸い顔も
結局今ではたぶん
私のほうが好きだと思う”
「イケてない地味なファッション」、「卵みたいな丸い顔」の彼。特定の人物を想いながら書いたのかな?描写が具体的で、なんだかどきどきしてしまうのが、西野カナの曲の良いところです。
誰にでも、「理想の恋人像」があります。優しくて、アイドルみたいに格好よくて、どこへでも颯爽とエスコートしてくれて…。そういう少女漫画みたいな憧れです。
でも、この歌詞に出てくる彼は、理想通りの人ではないんです。「正直最初はそうでもなかった」という印象。良い人だと思うけど、恋人としてはなんだかなぁと思わせるような人です。
付き合い方も、「友達みたい」と言われてしまう。正直にいって、彼女も最初は彼に対してドキドキすらしていません。
一緒にいて気づく彼の素晴らしさ
“派手にこぼした Black Coffee
バカだなって笑ってくれる
ダメな時はちゃんと叱ってくれる存在
不思議だよね
言おうと思ったら先に言われたり
お見通しね
食べたい物も つらい時も”
でも、友達みたいな付き合い方って、すごく楽。イケメンに対してみたいにドキドキしなくていいから、変に緊張することもなく、ありのままの自分でいられる。
いつも気楽にふざけ合えるし、本音も言いやすい。ブラックコーヒーを服にこぼしてしまったら、人によれば、行儀の悪い子だなって、ちょっと引かれてしまうかもしれません。それを、バカだなって笑ってもらえることで、こちらがどれほど救われるか。
一緒にいて楽なことって、実はすごく大事なポイントです。
歌詞をたどっていくにつれて、この彼の素晴らしさがわかってきます。自分のことをよく見てくれていて、ダメな時は叱ってくれ、今何を食べたいかや、つらいことがあったらすぐ気付いてくれる。
意外にも、人間的に出来た人。最初は友達の延長みたいな感じで付き合ったけど、だんだんと良さがわかってきて、今では彼女のほうがベタ惚れになってしまっています。
「理想」とはただの「思い込み」
“やっぱり私はキミでよかった
キミをずっと好きでいてよかった
キミを知るたびに
気持ちが熱くなった
I love you あの時諦めずに
I love you 向き合ってくれて
本当にありがとう
今、ふと思った”
外見や第一印象に捕らわれて、目の前にいる素敵な人を見落としていませんか?恋愛で大事なことは、相手と向き合うこと。「理想」とはただの「思い込み」。
つきあっていくなかで、相手が「運命の人」になっていくような恋愛こそ、最高の恋です。
映画「となりの怪物くん」の主題歌としての「アイラブユー」
映画「となりの怪物くん」の主題歌になっているこの曲。不登校の少年とガリ勉の少女が出会い、お互いに向き合うことで心を通わせていくストーリー。曲のなかでも、大切な人との絆を深めていく過程が丹念に描かれています。西野カナはこの曲を、女の子の本音がたくさん詰まった「メッセージラブソング」だと言っています。
いい人にうまく出会えないと悩んでいる方、この曲をたくさん聴いて、映画の菅田将暉くんの役柄のような、素敵な男性を見つけてくださいね。
アイラブユー 歌詞 全文
TEXT:遠居ひとみ