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【インタビュー】“超歌手”大森靖子、新譜で孤独、闇、死を可愛く表現 彼女が訴えかけたい本音とは?

“超歌手”の大森靖子が7月11日に、ニューアルバム『クソカワPARTY』をリリース。今作は大森自身がジョーカーになりきり、可愛いパーティーを主催する人として、世界を良い方向に変えられたらという想いからアルバムのコンセプトが作られたという。人々の心に寄り添い、孤独を払拭させてくれる彼女の音楽。そんな大森がこの『クソカワPARTY』で伝えたかった想いとは?

2018年7月17日

Interview

橋本美波


この記事の目次
  1. ・世界を良い方向に変えられたらいいな
  2. ・TwitterのDMに届く様々なエピソード
  3. ・『死神』はインターネットで炎上して辛いときに作りました。
  4. ・『死神』の作曲チームZiNGは綺麗好き!?
  5. ・『GIRL’S GIRL』は女の子感があってお気に入り
  6. ・いつか死ぬかわかんないときでも生きてるぜ!!
  7. ・ゾーン・オブ・コントロールの略から生まれた『ZOC実験室』
  8. ・プレゼント応募について
  9. ・大森靖子 最新情報
  10. ・リリース情報
  11. ・大森靖子 Profile

世界を良い方向に変えられたらいいな

──ニューアルバム『クソカワPARTY』は、大森さんがクソカワジョーカーになり、“クソカワPARTY”の主催を務めるという内容で構成されていると思いますが、このコンセプトで作ろうと思った経緯を教えてください。

大森靖子:まず『死神』という曲を作ったので、そこから大きい鎌を持ちたいなって思い、ジャケット写真も鎌を持っている可愛い感じにしました。ピンク色が好きなので血色のある色と組み合わせたジャケットにしたのですが、それを見ていたらジョーカーみたいな感じに自分がなりたいなって思ったんです。
そこからジョーカーを調べていくと、昔の晩餐会みたいな所で、ジョーカーがどのカードにもなれたりとか、どの身分の人とも喋れたりも出来ていて。世界を変えるタイミングとかを握っているのがジョーカーだっていう事を知ったんです。
そういうのを可愛いパーティーを主催する人として、世界を良い方向に変えられたらいいなっていう考えから、そういうコンセプトを作りました。


──『クソカワPARTY』というテーマがかなりインパクトありますね。

大森靖子:リア充を嘲笑う人種の人とかもいるじゃないですか?そういう風にせずに、自分の孤独をちゃんと守っている人が、自分で辿り着けるパーティーっていうものこそ本当に楽しいパーティーだなって思っていて。
そういう風な所までみんなを連れていけたら良いなって思う気持ちがあるんです。今までは色んな人の曲を作って、音楽で色んな感情を歌いたいなって思って歌詞を作る事が好きだったんですが、今回は内にこもった状態で自分の一番奥の孤独とか感情を表現する事で、色んな人の一番奥にある事を大事にするといったラブソングや、そういう風な繋がりでありたいなって思ってという感じです。


──今作の大森さんの楽曲には、悩みを抱えている人を救い出してくれる言の葉が多いと感じました。

大森靖子:自分が病んでいるという認識もないし、病んでいる人へ向けてやっている所もなくて。でも逆に言うと色んな闇系アーティストの中で、この言葉を使ったら病んでいるっぽく出来るとか、そういう言語が出来てしまっていて、相容れないなって思っていて。
簡単にそういう事を言った気になれるのはまずいなって感じているんです。病んでいるって言ったら簡単かもしれないけど、自分がわかってもらえない、ここはどうしても譲れないんだっていう所って人と共有できないものだから、そういうものを歌っていくのは新しくなければいけない。そういうものまでテンプレ化してしまったらまずいなとは思っています。


──「見た目とか体裁とかどうでもいいっていって抱きしめてよ」というワードは共感する方も絶対多いと思います。

大森靖子:自分の事を書いちゃったんで…。(笑)


──先程悩んでいる人に向けて歌詞を書いていないとおっしゃっていましたが、現代では悩みを抱えている方が圧倒的に多いと思います。もし大森さんがそういう方たちにメッセージを届けるとしたらどんな言葉をかけますか?

大森靖子:悩んだ方が良いと思います。そういう事に気付かないで見ないようにして幸せになったら、誰かの作った幸せを借り物にして幸せを演じているだけです。それは本質的な幸せだろうか?と思うので、全然悩んで掴んでいった方が面白いに決まっているって思っています。
自分はファンの人を本当に面白いって思っているし、「悩んでいるんですよ」「病んでいるんですよ」っていう風に自称されている方の方が、普通に面白い人が多いなって思うんですよ。逆に偉いなって思うし、カッコいいですね。

TwitterのDMに届く様々なエピソード

──TwitterのDMを開放されていると思いますが、そこから印象に残るメッセージとかもファンの方からは届きますか?

大森靖子:こういう事辛かったんだなって思いだす事もあるし、こういう事楽しんだなって感じる事もあるし。単純に「こういう理由があってライブに行きました」とか送ってきたりするんです。私はライブに来るまでの道すがらが知りたいんですよ。どういう想いで来たとか、何かをさぼってきたのか?とか、そういう生活を知りたくて。興味がありますね。


──最近来たメッセージはどんな内容なのでしょうか。

大森靖子:昨日とかは、ライブハウスで写真を撮っている女の子がバンドマンに「今日のカメラマンはメス?」って言われたらしくて。それで凄い辛くて「ついでにアー写撮ってよ」って言われたけど、私の写真で生きていく術みたいなものを証明してやるために頑張って撮ったよっていうメールを下さって。

私もインディーズのときに、ライブハウスで活動をしていたら、結構そういうバンドマンいたんですよ。同じ気持ちになったな、胃がう、痛いってなっちゃって(笑)あと、絵を書いている女の子が、「ついでにジャケ写書いてよ」って言われたみたいで。ついでってなんだよ、命かけてやっているものなのにそういう言い方するのってって思う事も凄くあったなって。そういう気持ちで胃が痛いぐらい残っているのに、通り過ぎていっちゃっている所もあるので。
そういった部分を思い出させてくれるのは、自分にとってありがたい事だなとも思っています。


──そういったファンの方のお話しが、歌詞に反映されたりもしますか。

大森靖子:あります。筆箱を盗られた事を本当に悲しんでいる子がいたりして。筆箱が盗られるのって今だったら割と立て直せるじゃないですか?でもその筆箱は自分のお気に入りで、しかも一番好きなアイドルのチェキを入れていたやつで。盗んだのはこの子だろうなっていうのがわかっていて、その子も同じアイドルを後から好きになっていて、好きなものをパクられたみたいな感じだったらしいんですよ。その感情って30歳になると忘れているんですよね。「あー!あった!あった!」って思うし、ペン1本にかける想いとかちょーあったって思うし、このピンクは自分のペンだから同じの持っている人いたら嫌だなってときもあったので。でもそういう所が大事だなって。


──大森さんは曲作りをするときに、課せられた「仕事」みたいなものを設けてやるそうですが、『クソカワPARTY』もそのように制作されたんですか?

大森靖子:そうですね。アルバムになってくるのでバランスっていうか、普通にタイトルにPARTYって書いているのに、思ったより上がれる曲が少ないから上がれる曲を作ろうとかありました(笑)歌詞の内容的には言い足りない言葉をこの曲で作ろうって決めてやっていきました。

『死神』はインターネットで炎上して辛いときに作りました。

──リード曲の『死神』がどういった経緯で生まれたか教えてください。

大森靖子:『死神』はインターネットで炎上して辛いときに作りました。普段辛いときに曲を作ったりはしないんですけど、辛かったので。これは曲で作らないとこの悲しみに何の価値もなかったら本当に辛いって思って制作しました。曲作ることによって自分の曲に助けられた所が凄くあって。
自分の悲しみにも価値があったし、この曲が生まれたんだったらどんな想いをしてもいいやって思える曲だし。単純にこれを聴いて元気が出るなって自分でも思えるし。どんな気持ちの時でも寄り添ってもらえる。そういう感じの時に作りました。


──個人的な解釈なのですが、この歌詞は死神と言われ続けてしまい、死神になった感じなのでしょうか。

大森靖子:死神と言われた訳ではないんですが、色々誤解される事とかはあるので。それこそメンヘラ系アーティストとか、病んでいる歌詞を書くよねっていわれがちなので、そういう風に人を陥れるつもりもないし。殺人犯が聴いていたとかそういう風な広げ方もされるんですけど、そういうものを誇張しているつもりは全くないなって。私がそうじゃないって言っても、言われ続けてしまう。
でも私はそれでもやりたい仕事があるし、歌いたい意味とかもある、そういう事を曲にしたいとわかんないんだろうって。いくら擬態で書いたとしても、大森靖子という名義で書いている以上、自分の事っていう風になるし。なら、自分で説明していくしかないし、上手い事書くしかない。その例えとして死神をツールとした書いた形ですね。


──『死神』の中から一番お気に入りのフレーズを教えてください。

大森靖子:日によって違うんですけど(笑)大体1番で引っかかるフレーズにして、だんだん深くしていき、2番で自分の全然関係ない事を書くっていうのが私の詩法なんです(笑)
「見た目とか体裁とかどうでもいいっていって抱きしめてよ いつか男とか女とか関係なくなるくらいに愛し合おうよ」が好きですね。この辺は共感してもらえる所の一番の深さかなって。2番は共感されなくても良いから自分で書こうって思っているので。


──歌詞を綴るときって体験された事が主に反映されますか?

大森靖子:体験したことが勝手に反映されるんで、曲の中でのバランスとかどういう風にしたいのかとかそういう事を考えたり、音とのノリとかで書いている方が多いです。韻を踏もうとして歌詞を書くときは、iphoneを使っているので、悲しみって書いて次のフレーズで出てきた頭は、「か」から初めて、「かな」の次は「あ」行の言葉で始めようとかって連想させる事が多いです。


──「川は海へとひろがる人は死へと溢れる」というフレーズはとても心に刺さりますね。

大森靖子:風景の対比をさせていますね。でも究極に刺さりやすい言葉だったら刺さりやすい言葉を使えばいいだけなんですよね。刺したうえで感情を動かさないといけないので、自分は情景が浮かぶとか、色が浮かぶとかそっちの方が好きですね。夕日はどんな夕日だろう?とか思えるのが好きです。


──『クソカワPARTY』の歌詞、全体を通して統一させた事ってありますか?

大森靖子:わかりやすくするですね。今までのアルバムは結構わかりにくかったんですよ。何の事をちゃんと歌っているのかをわかるようにしよう!と思いまして。自分だけがわかる自分用語じゃないですけど、自分の表現を追求するための言語と人とコミュニケーションをさせるツールって全く違うんです。他の人が見たらわかんない言語で歌詞を書くことをやっちゃいがちなので、それをしないようにしよう!と作っていきましたね。

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