ハワイのエキスが入った『Backpack』
──(笑)!そんな『Backpack』、作詞は鍵本さんですが、製作についてお話を聞かせてください。鍵本輝:この曲を作っている時、どうしても頭にあったのがハワイの雰囲気だったんですよ。って言うのも『Shampoo Bubble』のMVの撮影地がハワイだったんですけど、行ってよかったなって思ってます。ハワイに行ったからこそ書けた歌詞ですね!
谷内伸也:ハワイのバイブスが!!
──確かに「常夏」とか「飛行機」ってフレーズも。
鍵本輝:はい、『Shampoo Bubble』で使っているワードも時々出てきたりしています。自然と入ってきたんですけど、あえて変えずに。
──だから『Backpack』と『Shampoo Bubble』が曲順も前後になっているっていうところがあるんですね。アルバム通しての曲順がグラデーションのように展開されていく感じが飽きずに聴けますし、1枚聴き終わった後にまた頭から聞きたくなるような感覚にもなります。
古屋敬多:僕らも聴き終わってから“もう一回聴きたいな!”ってなります(笑)。
鍵本輝:自画自賛するわけじゃないですけど、よくお風呂でこのアルバム聴くんです。そしたらあっという間に1枚終わっちゃうんですよね!
──お風呂長いですね(笑)!
全員:(笑)。
鍵本輝:お風呂長いんですよね(笑)。
谷内伸也:何、パックしてるの!?
鍵本輝:シックスパックしてる(笑)!
──今日シックスパックってワードよく出てきますね〜(笑)。『Backpack』からは軽めで夏っぽいサウンドが続いて、『Tell Me Why』で少し落ちるような。深刻な片思いの歌ですよね。
全員:深刻な片思い(笑)。
古屋敬多:複雑やしね、三角関係で。
──鍵本さんが歌詞を書かれる時にイメージしたのはどんなストーリーですか?
鍵本輝:イメージしたストーリーがあったというより、この曲のデモをもらった時点で『Tell Me Why』っていうタイトルが付いていたんです、そこから広げてみようって始めました。洋楽っぽい音だったので、訳詞っぽいストレートな歌詞で、単純にこういう曲書いてみたかったんです。今まで登場人物が2人の曲が多かったんですけど、3人目出してみようって。
──確かストレート。これだけストレートに選ばれなかった男性が悔しさを語ることって、きっと女性の前ではないですもんね。
鍵本輝:きっと心の中ではあるんですよね、もともとは強い男性なんですけど。その強さっていう部分を伸ちゃん(谷内)のラップがうまいこと汲み取って表現してくれているんです。
──谷内さんはそのラップのバースで意識されたポイントとかあったんですか??
谷内伸也:もともとこのバースがラップのための部分だって知らなくて、ラップもなかったんです。でもここにラップ入れたら良さそうだなってなんとなくイメージしたものがあったので、レコーディング当日にこの部分が実際ラップのためのバースだったことを知って「じゃあ書きます!」って書き始めたんです。
──男性としてこの歌詞の世界観とか3人の関係についてどう思われますか?
谷内伸也:恋人関係じゃなかったとしても人間関係としてあるあるだなって思います。存在が当たり前になって、なーなーな扱いになって問題が生じるとか、きっとあり得ることなので“ハッ”となって自分のことを見つめ直そうっていうきっかけになれたらより良いのかなって思います。
和とEDMが融合した『メダリスト』
──バラードからの急展開で9曲目に『メダリスト』が入ってきますが、“和”の感じが衝撃でした!鍵本輝:これは賭けでしたね〜!アレンジャーの方が入ってくれて相談しながらだったんですけど、「僕この曲にゴリゴリの三味線入れたいんです、むしろ生にしたい!」って言ったらリアルに2〜3歩くらい下がられて「本当に言ってんの!?なんで!?」って(笑)、あんまり乗り気じゃなかったんですよね。
アレンジャーさんも懸念していたのが三味線の音が弱くて埋もれることだったんですけど、絶対、人が弾いた“和”とEDMの掛け算がやりたいんですって押したんです。
できたものに対してアレンジャーさんが「よく入れようと思ったね!すごいよこれ!」って言ってくれたんで、良かったです!
谷内伸也:津軽三味線の音を録っている画もすごかったですもん!すごくファンキーでした。
──そしてこの曲は“和”なだけあって歌詞も全て日本語ですよね!
谷内伸也:唯一、表記してないんですけど「I don’t wanna go」って英語入れちゃった(笑)
鍵本輝:日本語にこだわったわけではないんですけど、パワーのある言葉を探したり、自分を鼓舞できるような言葉を選んでいったらたまたま全部日本語になったんですよね。この曲を書いたきっかけが、オリンピックに出場しているアスリートの背中を見て“この背中を歌詞にしたい!”って思ったところだったんです。立ち向かっている背中がかっこいいなぁって。
何気なく始めた習い事が楽しくて、上を目指していくようになったところとか、僕たちとも共鳴する部分があるんじゃないかと思って、自分にも言い聞かせながら、何かに向かっている人に聴いて欲しいなと思って書きました。
──「言い訳は断って 逆境をバネに変え」という歌詞にもある通り、そういう人じゃないとメダリストだったりLeadさんのようなアーティストだったりにはなれないんだなぁとしみじみ感じました。
古屋敬多:僕ら今筋トレしているんですけど、筋トレ一つにしても本当にそうで。気持ちで負けたらダメですよ!
全員:(笑)
古屋敬多:もう無理〜!ってところからもう一回気合い入れて「絶対行けるし!!」って思ったら行けるんですよ。
──なるほど。身近でわかりやすい!
鍵本輝:朝起きる時もそうやもんね、「あぁ〜ねんむぃ〜」ってところから「絶対行けるし!!」って(笑)
──Leadさんがただ筋トレしているだけのMVとか欲しいです(笑)、より“私も頑張ろう!”って気持ちになりそう。
全員:(笑)
谷内伸也:いいですね(笑)
懐かしさ感じる『R.O.O.T.S』
──『R.O.O.T.S』はちょっと懐かしさを感じるようなテイストで。谷内伸也:そうですね、ブレイクビーツで90年代を連想するような音楽性を盛り込んだ感じです。
鍵本輝:トラックを聴いた時に、ダンスVTRも撮りたいねって盛り上がったくらいだったので、そこから展開してダンスを連想させるようなワードも入れてみたりしました。
──ブレイクビーツというのはまさにみなさんのルーツ的な立ち位置にある音楽性なんですか?
谷内伸也:そうですね、自分たちがダンスを始めた頃に影響を受けた音楽です。当時はこういうブレイクビーツの音楽で、どこでもブレイクダンスを踊ってましたね。練習終わってスタジオ出てからも駅前とかビルのガラスを鏡代わりにして(笑)。そういうシーンも思い出しながら作りました。
鍵本輝:これからライブだったりで、どう料理しようかなって感じだよね!