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KOH+が紐解いた謎、映画へ贈る「最愛」の唄

物質を元素記号を用いて構成する化学式。 そういう意味では、KOH+にも同じことが言えるかもしれない。
物質を元素記号を用いて構成する化学式。
そういう意味では、KOH+にも同じことが言えるかもしれない。
なぜなら、柴咲コウ(KOH)と福山雅治(+)がなければ構成されなかった音楽ユニットだからだ。

フジテレビ系月9ドラマ「ガリレオ」のテーマソングに始まり、ガリレオシリーズを中心に活動をしていたKOH+。
制作された楽曲は、「KISSして」「恋の魔力」とミステリー系の作品にしては明るめでリズミカルな曲が多い。
これは毎回、人が死んでしまうドラマというのに対してエンディングは明るくしたいという、ドラマプロデューサー:鈴木吉弘の意見もあったようだ。
また、「ガリレオ」の世界を壊す事なく、作品にぴったり合った曲を提供できていたのはKOH+がドラマで役者として出演していたからこそ。

その実力が存分に発揮されたのは、このドラマの初映画作品となる「容疑者Xの献身」である。
引き続き主題歌を担当したKOH+はこの映画で『最愛』を世に送り出した
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ドラマから約1年かけて関わってきていただけに作詞作曲を担当した福山は、意外とスムーズに出来た曲だと語っている。
今作の容疑者Xなる石神哲哉、物語を左右する花岡靖子の想いを綴った内容は、今まで作品に関わってきた彼らにしか作ることができない最高の曲となった。

KOH+「最愛」
――――

夢のような人だから
夢のように消えるのです
その定めを知りながら
捲られてきた季節のページ

(中略)

愛さなくていいから
遠くで見守ってて
強がってるんだよ
でも繋がってたいんだよ
あなたがまだ好きだから

――――

最も深く愛していることを指す、最愛。
それは長く連れ添った夫婦の愛の形とも言えるし、家族や恋人、片思いの相手を想う人もいるかもしれない。
楽曲の中では、手に入らない人のようだ。


“夢のような人だから”

“夢のように消えるのです”


1度でも意識してしまえば止まらないというのが愛する想いというもの。
しかし、石神の想いとリンクするように無理矢理、相手を手に入れようとはしない。
だからこそ、彼が花岡靖子を身をとして守ろうとした理由にガリレオこと湯川学を含め警察は首を傾げる。
男女の間柄なのだから、恋愛や執着があってもいいのに、と。


“陽だまりみたいな その笑顔”

“生きる道を照らしてくれました”


彼女が彼の最愛であった理由、それは日常にすぐ埋もれてしまうような小さなことだ。
でも、それが彼の生きる上で本当に大切にしたいものだったのだ。

映画では最後の最後に、彼のシナリオが崩れる形で終わる。
彼が泣き叫ぶ姿には胸が痛むが、そんなEDをも包み込むように流れるのが『最愛』だ。


【その謎を、愛そう】


その謎を解いたところで、誰も幸せになれないと湯川は言った
湯川とは逆に、KOH+は物語そのものを歌で包み込んでみせた。

KOH+は文字通り、その謎を愛したのだ。

TEXT:空屋まひろ

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