ヒロアカの世界が伝わる歌詞
Make my story 歌詞Lenny code fictionがこれまでにリリースしてきたシングル曲は、全てアニメ作品のタイアップがついており、ロック好きだけではなくアニメファンからも支持を得ている。
そんなLenny code fictionが4枚目にして、週刊少年ジャンプで連載中の少年漫画『僕のヒーローアカデミア』の第3期第2クールのアニメ主題歌を担当することになった。
人気アニメ 僕のヒーローアカデミア
大人気TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』通称“ヒロアカ”は、世界人口の約8割が超常能力という個性を持つ超人社会のなかで、その個性を持っていない主人公が最高のヒーローを目指して成長していく姿を描いている。Lenny code fictionが歌う主題歌『Make my story』に散りばめられた、彼等とアニメキャラクターが抱える感情の欠片を拾い集めるとしよう。
目指すは最高のヒーロー
何千回も涙拭いても止めれないし
簡単な日々だと期待はしてない
Follow my way悔しさまで連れて
Follow my way更に先を目指す
≪Make my story 歌詞 より抜粋≫
主人公の緑谷出久(ヒーロー名・デク)は、生まれた時から個性という力を所持しておらず幼馴染の爆豪勝己(ばくごうかつき)に、馬鹿にされ、いじめられてきた。
そんな悔しい想いや無個性だという事実と向き合いながらも、憧れのヒーロー・オールマイトから個性を授かり、最高のヒーローを目指していく姿がこのフレーズで感じとれる。
加えて第3期第1クールでは、個性をデクに授けたオールマイトが、最大の敵オール・フォー・ワン率いるヴィラン連合に連れ去られた勝己を救い出すために、オール・フォー・ワンと激闘することになってしまう。
見事勝利を果たしたオールマイトだが、闘いの末に力を失くしヒーロー活動を引退。その原因が連れ去られた自分のせいではないかと、陰ながら悔やむ勝己の気持ちも反映されている。
描かれる二人の真っ直ぐな意思
Make my story
僕が唯一僕である為の
誓いの様な決意の様な想いといつも生きていたい
きっといつか泣きそうな日は来る
そんな時に振り返れば進める道を作っていたい
≪Make my story 歌詞 より抜粋≫
そして、Lenny code fictionが担当する第3期第2クールでは、オールマイト対オール・フォー・ワンとの激闘も終え、ヒーローの仮免試験を受けるストーリー。
苦い思い出を乗り越え、新たな道を突き進んでいくという二人の真っ直ぐな意思が伝わる。
Lenny code fictionというバンドの決意
1番でヒロアカの世界を作り上げ、2番ではLenny code fiction自身等の感情も重ねて表現しているように感じる。また、ヒロアカの世界で見られる、ヒーローになるためにがむしゃらに突き進んでいくその描写とLenny code fiction自身の走り続ける姿が投影されているのだ。
何千回も何も知らないあいつらに
散々な言葉で頬をぶたれてきた
Have it your wayここまでの苦心は
Have it your way君にはわからない
成功より実際は失敗を連れてきて
I know what I have to do now
どんなに限界を追い越すと決めても
ダメだった日々もある
≪Make my story 歌詞 より抜粋≫
バンドで夢を追うことと地道な努力
バンドで夢を追う事を、馬鹿にしてくる人も多くいる。バンドに限らずだが、夢を追うという“無謀な挑戦”を笑う人間が存在してしまうのが、今の世の中だ。Lenny code fictionもきっとそんな世の中に押しつぶされそうになった日々もあったのだろう。
彼等はまだ20代前半でありながらも、多くのフェスやアニメタイアップを飾る程の力強い勢いがあるし、実力もある。だがその若さゆえに嫉妬し、心無い言葉を放ってきた者もいたのではないか。
だが、そのときに感じた痛みを受け入れながらも、夢を貶してきた奴らを挑発するように語るリリックはさすがだ。夢を追いかける人は必ず努力をしている。Lenny code fictionもその一人で、彼らが地道な努力をしてきたからこそ歌える力強いものがある。
Make my story
大事な事ほど伝えるのは
少し怖いし苦手だけど わかってていつも想っていた
僕が唯一僕である為の
何もかもが心にあって消えずに僕を作っていた
≪Make my story 歌詞 より抜粋≫
歌詞の通り、大事な事を誰かに伝える事ほど難しいものはない。熱い言の葉を紡ぐことが恥ずかしいだとか、女々しいだとかそういう風潮がある。でも、誰かが先頭に立って心を照らして救ってくれる音楽があっても良いはずだ。
Make my storyが心を救ってくれる
そういった想いを引き連れていくのがLenny code fictionだ。何かに諦めそうになったときや、負けたくないという心情になったときに、『Make my story』が救ってくれる。彼等は、ただ無責任に「頑張れよ」と投げかけるのではなく、心の奥底に抱えるリアルな心情を歌詞に表現することで、聴き手と同じ目線にいる。
だからこそ、聴き手は自分自身の言葉として受け止め、自分自身に励まされるのである。
Lenny code fictionの真っ直ぐで煌めいた想いを聴いて、自分自身の物語を作っていってほしい。
TEXT:橋本美波
片桐 航を中心に滋賀で結成された4人組ロックバンド。 Vo.片桐が映画から影響を受け、「欲望」「反骨」「愛おしさ」のような誰しもが持つ感情にフォーカスを当てた歌詞とバンドアンサンブルを軸にした楽曲が魅力。それらを表現し観客と共有するようなライブを追求している。全国ツアーの開催や大型···