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Acid Black Cherry、『さよなら』に込めた本当の気持ち

静かなメロディライン、恋愛を織り込んだ感傷的な内容などが、ポピュラー音楽におけるバラードナンバーの特徴である。

当初はシングル化の予定はなかった?


静かなメロディライン、恋愛を織り込んだ感傷的な内容などが、ポピュラー音楽におけるバラードナンバーの特徴である。しかし、アーティストにより曲調の区分が分かれることがあり、ジャンルを問わず作品が出てきてしまうことから、その存在は多岐に渡るようだ。

Acid Black Cherry8枚目のシングルとなる『優しい嘘』もそんな楽曲の1つで、バラードの特徴がありながら作詞者にバラードとして捉えられていないナンバーである。

マイナーバラードと表現されるこのナンバー。マイナーコードから取られているのであろうがファーストアルバム『BLACK LIST』に収録されず、シングル化の予定もなかったと言われるなど、マイナーと取られかねない悲しい経歴を持っている。

優しい嘘


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愛してた・・・柔らかなその声も
愛してた・・・少しクセのある髪も
愛してた・・・淡い栗色の瞳も
愛してる・・・今でもまだ愛してる

目を閉じると 君が笑って
あの日の様に 抱きしめたくて
輝いてた 季節が終わり
振り向いても 君はいない
≪優しい嘘 歌詞より抜粋≫
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自分の好きなところを、ここまで挙げてもらえると相手としては嬉しいもの。しかし、これが自分を振った相手であったらどうだろう。

未練を惜しみなく吐露する様は、いっそ気持ちが良いくらいだが共感はできない。結局、わがままで相手を傷付けたのは彼だ。

今、彼女への想いに縛られて動けなくなっているのだとしても自業自得と言える。だからなのか、これを聴いていると彼女に許しを求めているかのように思えてくる。

優しい嘘をついていた彼女


許しを請う、祈るという行為には救いを求める他に、決意表明の表れとも言う。

宗教により祈りの概念は異なるし、彼がしたことが簡単に許されることはない。しかし彼は、そう告げることで彼女に気持ちを表したかったのかもしれない。

彼への愛情を示す形として、『優しい嘘』を吐いていた彼女。そんな彼女へ向けて彼は最後、告白の締めくくりに別れを告げる。

彼には、痛み続ける傷がある。彼女を思い出す資格などないと、攻め続ける傷が。それを背負った彼が気持ちを表すには、“さようなら”と言うことしかできなかったのだ。

●優しい嘘


"いま"、伝えられることを

これを聴き終わったら、メールでも電話でも大切な人に素直な気持ちをぶつけてみよう。嘘を吐くことでしか、本当の想いを言えなくなるその前に。

大切な存在は、まだ手の届くところにあるのだから。

TEXT:空屋まひろ

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