『コレでしょ』でみんなの定番になりたい
──今作の『コレでしょ』は恋愛における“陰”の部分を切り取った曲が多いですね(笑)コレサワ:そうですね(笑)明るい曲じゃないです。特に最初の方はそうかもしれません。
──『コレでしょ』のタイトルを含め、どういった想いを持って制作を始められたのでしょうか?
コレサワ:アルバムタイトルは収録曲が出来てから決めたので、あらかじめこういうコンセプトにしたいというイメージはなかったです。
私が歌ったらどれも女の子の歌になるんだろうなとは思っていたので、統一感が出るように心がけました。
“女の子の気持ちを歌うアーティストってコレサワでしょ!”っていう風に、みんなの定番になりたいなという思いを込めて「コレでしょ」というタイトルにしました。
ジャケット写真がお菓子のパッケージのようになっているので、みんながコンビニやスーパーに行ったときに、必ず手に取るお菓子のような存在として聴き続けてもらえるアルバムになって欲しいなって思います。
ジャケットを開くと、12粒の飴ちゃんが並んでいて、それぞれの曲にあった色味とか模様をしているんです。みんなが好きな味を見つけてもらいたいです。
──ほとんどが新曲ですよね!
コレサワ:新曲も多いけど、インディーズの頃からライブでやっていた曲を2曲程入れています。最近聴いてくれた人は新曲だと思うかもしれません。
──ちなみにどの曲ですか?
コレサワ:『悪いユメ』と『夜にして』です。「悪いユメ」は4年くらい前、「夜にして」は2年くらい前に作ったんですけど、どっちもライブでたまーにしか歌ってないです。
──じゃあ結構コアな方は知ってそうですね!
コレサワ:めっちゃコアなファンの方は知っていると思います。
──今回リード曲はどちらの曲になるのでしょうか?
コレサワ:『彼氏はいません今夜だけ』です。
──私も共感するポイントが沢山ありました(笑)!これは実体験ですか?
コレサワ:あらららら(笑)でも、嬉しいです!実体験が全てではないですけど、どこかしらには入っています。どこかは、聴いた人が想像してくれたら良いなって思います。
──女の子をこの歌詞のような気持ちにさせる男性って、結構多いと思います!
コレサワ:いますよね。恋愛を重ねるといつかこういう倦怠期みたいな時は訪れるので(笑)だからこの曲は、ある程度恋愛経験をしてきた人や、同世代の人に、“すごいいいね”って言ってもらえます。
──タイトルでもある、冒頭の歌詞「彼氏はいません今夜だけ」からパンチが効いていますね!
コレサワ:そうですね(笑)こういう気持ちになったことのある女の子って多いんじゃないかな。
でも、そういう話って表だって言えないから、ちょっとヒリヒリしたい気持ちのときにこの曲を聴いてくれたら、ぴったりのBGMになると思います。
──そういう気持ちのときに、この曲を聴いたらどういう判断をするんだろう… (笑)
コレサワ:これを聴いて逆に突っ走っちゃうか、気持ちを収めるかは聴いた人に任せたいと思います(笑)実際にこういう台詞を口にするのは、難しいじゃないですか?曲の中では、悪い事もずるいことも出来るのは曲の良い所だなって思います。
──あまり普段人には言えない自分の感情が書かれていて、共感できる身としてはちょっと恥ずかしく思う部分も(笑)。歌詞にある「あの質問されたらあたしなんて言うかな」のフレーズの臨場感なんかも良いですね!
コレサワ:めっちゃ嬉しいです~!!
──「ちょっとだけでいいからあなたと間違えたい」っていう言葉のチョイスも素敵です!!
コレサワ:嬉しいです!私もここのフレーズ気に入ってて。なんか間違えたいって切ないですよね?
──ちなみにコレサワさんご自身、ここの感情はわからなくもないですか?
コレサワ:そうですね。全然わからなくないです。
──浮気する程の理由があるのに、結局罪悪感を持ってしまうのは女の子の方なんですよね。
コレサワ:そうですよね。男はこういうときに、スパっとやっちゃうんだろうなって思うけど、女の子はダメな事をしている、これは間違いだって事をわかっていながら、そうしたいと思ってしまうときがあるんですよね。
そういうヒリヒリした所を、明るく歌っています(笑)
──この主人公の女の子が、今度どうなっていくのか気になりますね!続編に期待したいです…(笑)
コレサワ:そうですね。聴いた人が自由に想像してくれたらいいなーって思います!!でも続編も考えておきます(笑)
──サウンドは素敵なドラマの始まり!っていうような感がありますね!
コレサワ:世間的には受け入れられにくい歌詞だから、なるべく曲はポップに明るくしたいなって思って、明るくキラキラした楽しいサウンドにしました!
──でも、よーく歌詞を聴いたらまさかの…(笑)
コレサワ:そうそうそう!ちょっと誤魔化してるんですよ (笑)
──この曲の中で、コレサワさんが気に入っているフレーズはありますか?
コレサワ:やっぱり「彼氏はいません今夜だけ」っていうフレーズが好きなんですけど、「こんな気持ちにさせないで」っていうフレーズも好きです。ここだけテンションがしんみりするので、とにかく切ないです!
──結局は、ダーリンのせいにしちゃうっていう(笑)
コレサワ:そうなんです(笑)。そういう気持ちにさせる方にも問題があるから、「こんな気持ちにさせないで ダーリン」って思います。
──曲と歌詞が一緒に出てきたんですか?
コレサワ:そうですね。いつもサビとメロディは一緒に出てくる事が多いです。
──この曲はライブでやられているんですか?
コレサワ:ライブではまだあまりやっていないです。今回のツアーからたくさん歌っていきたいなって思っています!
──女の子たちがこの曲でどんな風にのるのか、楽しみですね(笑)
コレサワ:どんな感じになるんだろう(笑)のってくれたら嬉しいですね!
『いたいいたい』は自暴自棄の女の子
──2曲目の『いたいいたい』の歌詞に出てくる「どうしようなんて前みたいに悩んだりしないかもね」はどういう意味なんですか?コレサワ:この曲は、自暴自棄になっている女の子の曲なんです。
この歌詞の主人公は、昔はキスした後に、“どうしよう、このまま雰囲気に流されて先に進んでいいのか、進まない方がいいのか”って悩んで流されなかったと思うんですよ。
だけど今だったら、悩まずに流されちゃうかもっていう。
──この感覚を書きだせるのがすごいです!こういう感覚って忘れてしまったりもすると思うので…。
コレサワ:「昔ちょっとキスしたあいつ」をみんなが思い出してくれたらと思って書きました。
二十歳前後になると、キスに慣れてきてキスしてドキドキしてた頃のこと忘れてしまいがちだけど、思い出したとき胸のあたりがざわざわする相手がみんな一人はいるんじゃないですか?そういう人を思い出して懐かしいなって思えることもあるかなと(笑)
──ちょっとこの気持ちって思い出したくないな~って時もありますよね。
コレサワ:はい。その思い出したくない気持ちをあえて思い出させるいじわるな曲です(笑)
──『いたいいたい』を聴いて昔の恋愛を思い出してみると、あの時は“人生終わりだ!”って思うぐらいだったけど、今となっては“なんだこの程度か!”って感覚になっていることに気がつけますね(笑)
コレサワ:そうですよね。この先、誰とも付き合えない!とか思っていたけど、、、今となっては笑い話です。なんでも笑い話になるっていうのは、大人になったらわかるので、今の若い子も頑張っていろんな恋愛を乗り越えて欲しいです。
──5年後には笑い話になっていますし!(笑)
コレサワ:そうです!それにいっぱいあった方が、ネタも増えますし(笑)
『泣く門には福きたる』は皆が笑える曲
──『泣く門には福きたる』はめっちゃ良い歌ですね!メジャー2ndAlbum『コレでしょ』
コレサワ:嬉しいです。鬱をテーマにしたHulu(フールー)にて配信するドラマ『うつヌケ』(9/29スタート)の主題歌として書き下ろしました。
“鬱が抜けたあとの明るい感じを、ハッピーに歌って欲しい”とドラマサイドからリクエストを頂きました。ドラマでも泣いている人たちが多く出てくるので、そういう人たちが最後はちゃんと笑えるような曲を書きたいと思いました。この曲で良い事はあるからっていう事を伝えたいです。
──『泣く門には福きたる』っていうワードが良かったと思います。もうちょっと押しつけがましいタイトルだったら、拒否反応が出る方もいると思うし…。この歌詞なら、信じたいなと思わせてくれますね!
コレサワ:ありがとうございます!この曲を聴いて少しでも楽になって欲しいです。
──書き下ろしの背景を伺うと、歌詞に出てくる「ちょっと苦手だったあいつ」っていうのは人とは限らないのかなって思いました。
コレサワ:そうですね。作品の中でうつ君っていう小さいモンスターが出てくるんですけど、鬱を乗り越えた人たちの前にも現れたりするんですよね。
そのうつ君と向き合いながら生活をしていくので、それも取り入れられたらなって。もちろん人にも当てはまりますよ。嫌な人っているじゃないですか?そういう嫌な人の良い所をちょっとでも見つけた方が生活しやすいと思うんです。みんながちょっとでも仕方ないってやり過ごせる事が大事だなって。
──「美しいものを美しいと気づけますように」というフレーズについて伺ってもいいですか?
コレサワ:鬱になっているときって、景色がくすんで見えるらしくて、すごく派手な色のものを身に着けたり、持ったりすることがあると作品の中ででてきました。
だけど、鬱が抜けたあとにお花とか山を見て自然な美しさに対して“綺麗だ美しい”って気付けたことが嬉しいっていうシーンがあったので、書きました。美しいにも“うつ”が入っているし、俯いててもにも“うつ”があるし。自分の中で、ここはこだわりました。
──なるほど!あと私が好きなフレーズですが、「側にいてくれたら嬉しいな 後は任せて!」ってすごくカッコイイですよね〜。
コレサワ:鬱になってしまった人の周りにいて、その人を支えたい、と思ったときに、
“側にいてくれるだけでいいよ、任せて!”って言ってあげれたらって。
──「大事な人には正直でいたい」の部分は本当にそうだなって納得させられます!
コレサワ:当たり前のことですけど、言われないと忘れちゃうこともあるので。
花言葉から生まれた『パープル』
──『パープル』に出てくる「思い出はずっとお揃いでしょ」っていう表現がいいですよね。こういう考えをすればいいのか!って思えます。コレサワ:ありがとうございます!この曲は、離れ離れになってしまう恋人同士や、友達をテーマに、ロート製薬さんの「肌ラボ®」キャンペーンソングとして書き下ろしました。
そのWeb CMでは、ゆりやんレトリィバァさんと竜星涼くんが学生の役を演じているんですが、私はその4つめの企画でうたを担当しています。卒業式の風景をテーマにした映像だったので、離れ離れになってしまう恋人、友達同士どちらにも当てはめられるように作りました。
──卒業ソングのような感じもしました!
コレサワ:そうなんです。ピアノを入れていたりして、卒業式っぽくしています。
──タイトルの『パープル』の意味はなんですか?
コレサワ:アネモネの花言葉に、「あなたを信じて待つ」っていうのがあって。「アネモネ」っていうタイトルが合うなって考えてたんですど、その花言葉はよく調べたらパープルの色をしたアネモネだけで。
色ごとに意味が違って、悪い意味を持つアネモネもあったので、色だけとって「パープル」にしました。紫の色って可愛くも見えるし、切なくも見える色だと思うからこの曲にあっているんじゃないかなって。
素敵な夜が欲しいの!
──『夜にして』の「あたしの一番好きな物は君に絶対あげないけど あたしの一番嫌いな物を君はいつでも全部食べてくれるね」の部分はめっちゃ共感できます!!コレサワ:(笑)優しい男の人は好きだけど、たまにはリードして怒ってほしい。素敵な夜にしてよっていう女の子の気持ちを歌にしました。
──結局、自分ちょっとわがままだなって思っちゃいますよね。
コレサワ:はい(笑)男性ディレクターから“怖いね”って言われました(笑)確かに愛情が捻くれているというか、怖い女の子かもしれないですけど私は可愛らしい子だと思っています。世の中の男性は、女の子に素敵な夜をプレゼントしてあげているのかな?って思ったんです。
──この『夜にして』は1曲目の『彼氏はいません今夜だけ』に通ずるものがありますね。
コレサワ:そうですね。言わないでもわかってほしい!っていうめんどくさいけど可愛い乙女心をうたっています。
──そして、8曲目の『東京コロッケ』はなんだか凄い曲ですね!
コレサワ:これはある日夜中に東京コロッケが食べたくなった時の勢いだけで作った曲です。この曲はすぐにできましたよ!
──これを曲にしちゃうのがまた…すごい(笑)
コレサワ:気分転換にやっちゃいました!(笑)今回のアルバムはめんどくさい女子ばっかだけど、この子は素直なんですよ、ただコロッケが食べたいという…。
彼女がいる人に惚れてしまった『悪いユメ』
──『悪いユメ』はどんな曲ですか?コレサワ:これは彼女がいる人を好きになってしまった女の子の曲です。
──グサグサ刺さってくるワードが書かれていますよね。
コレサワ:浮気相手になった事がある人はわかってくれるかな?って思います。この子はこの夢から覚めないと幸せにはなれないから、いつか覚めて欲しいなって。
──この子は浮気されたのではなくて、自分が浮気相手?
コレサワ:聴き方によって相手の家ともとれますし、その子の家ともとれますし。どっちにしても、とにかくオンリーワンにされてない女の子の曲なので。辛いですよね、好きな人に、好きな人がいるっていう。