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【インタビュー】根暗な歌詞も織り交ぜたキャッチ―なバンド、ネクライトーキーって? (3/3)




電車でみた光景を死体の山に例えた『こんがらがった!』

──じゃあ2曲目の『こんがらがった!』のお話にいきます。これを最初に聴かせていただいたときに、銃で撃たれるサウンドだなと思ったんですよ(笑)

朝日:(笑)

もっさ:最初の(笑)

朝日:すげえあれ、思った。

もっさ:ダダダダ、ダ、ダ、ダダダ…。



──そう思ったんですよ。で、歌詞も結構ネガティブなことをおっしゃってるじゃないですか。「駅のホームでは死体の山」っていうすごいフレーズがあると思うんですけど、これは駅の日常のことを見て思われたんですか?

朝日:駅って本当に様々というか、特に朝とかに行くとやっぱり出社とかですっごい疲れた顔の人たちが多いんですね。出社する人や夜勤から帰る人、学校に行く人とか、学校が楽しみな人、学校が全然楽しみじゃない人とか、いろんな人が交差してて。でも極端な話をすると、その駅の方に死にに来た人もいるかもしれないじゃないですか。思いとどまるかもしれないし、本当に死んで紙面を飾った人、新聞に載った人、そんないろんなことがある駅のホームって常々俺恐ろしいなって思ってて。学校が楽しみじゃない人ってのも絶対いっぱいいて。

いろんなことに抑圧されるとどんどん心が荒んで、学校って結構狭い空間じゃないですか。卒業しちゃうとなんであんな狭い空間で悩んでたんだろうみたいなことにもなるんですけど、いるときはいるときであれが全てで。そこで友だちから嫌われたとか好きな人に彼女ができたとか彼氏ができたとか。そんなんだけでも死にたくなるほど学校に行きたくなくなるみたいな。本当に死ぬつもりじゃなくてもどこかに行くのが楽しみな人ってそんなにいっぱいいるって思えなくて。そういう人たちってもう心が詰まってて、表情の暗い人がいっぱいいるなってのを見ると、ここって死体の山なんだっていう。自分も夜勤帰りとか、俺もその死体の一部だなって思ったりするんですよね。


──奥深いテーマだったんですね。あと「赤羽の君まで会いに行く」って書かれてるじゃないですか。ここを赤羽にしたのが気になったのですが…。

朝日:なんとなくです(笑)駅のホームとかあんだけ語ったんですけど、赤羽に関しては行ったことすらないっていう…。昔漫才で見たぐらいなんです。

もっさ:でも私も気になる。私も行ったことないから、赤羽ってほんま、「赤羽行きだ」って気になるんだけど、何にもないんだなーって。

朝日:俺、子どもの頃に見たコントで、よく分かんないおじさんが足に紐とやかんを結んで歩いてて。「誰や。赤羽からついて来てるやろ」みたいなコントで。おれ赤羽の情報ってそれしかないんです。(笑)でも「赤羽」ってワードをそれでめちゃくちゃ覚えて。


──「皆殺しのメロディだけだ」っていうフレーズがありますが、ここをもっささんがめっちゃキュートな声で言ってるのに「皆殺し」って言ってるんで、ちょっとパンチ効いているなと思いました(笑)

朝日:(笑)ここまでおもしろいことになるとは思ってなかったですね。

もっさ:楽しい気持ちで歌ってます!!

朝日:THE BLUE HEARTSっていうバンドの曲に、『皆殺しのメロディ』っていう曲があるんですがその曲がすごい大好きで。これ録る前にその曲を聴いてもらって、いい曲やろ!ってもっさに話したんです。実はその曲も結構ポップなんですよね。でもその曲を聴いてもらって、どんな感じになるかなと思ったらめっちゃあんな感じになったんで。

もっさ:(笑)結構THE BLUE HEARTSのは本当に殺しそう…じゃないけど(笑)

朝日:でも、THE BLUE HEARTSとかそういう自分の好きだったものとかもなんとなくがっつり入れてるんですけど。ドラムとかも結構THE BLUE HEARTSが好きだし、本当に好きなものをどんどん言いたいなって最近思ってて。その中で本当にTHE BLUE HEARTSの歌詞が好きだし、本当に信じられる歌詞を言葉を歌ってるから、曲を作るのに悩んでたときとかTHE BLUE HEARTSの曲をよく聴くんですね。やっぱり聴くと今必要なのってTHE BLUE HEARTSだけだなって思うし、「皆殺しのメロディ」だけだな。それをそのまま、全部歌詞にしてますね。


──ミュージックビデオも見させてもらったんですけど、「皆殺しのメロディだけだ!」の「だ」のところで、ちょっと飛び跳ねてません?

もっさ:レコーディングのときからしてたような気がします!

朝日:気付いてないらしいんですけど、レコーディングのときとか、エンジニアの人が「俺気づいたんだけどさ…」みたいに話かけてきて、「♪皆殺しのメロディだけぇ~だぁ!♪ってとき絶対跳ねてるから」って言ってましたもん(笑)

もっさ:レコーディングのときからなってるから、これ歌うにはこうするしかないんよ。


──ミュージックビデオに、赤いフォントで歌詞が書かれてるじゃないですか。あれって手書きなんでしょうか?

朝日:僕が書きました。結構大変でした。『めっちゃかわいいうた』っていうミュージックビデオをこの前出したんですが、その前までは全部自分たちだけでミュージックビデオは作ってて。『めっちゃかわいいうた』からは高校生の頃から付き合いがある映像関係の会社をやってた友だちに手伝ってもらって、そいつんちに寝泊まりして、ああでもないこうでもないって言いながら手書きで字書いていこうかってなったんで、俺もパッと書いたら「もっとかわいい字がいいな」みたいな。「丸文字書いて」って言われて。ああなりました(笑)

もっさ:頑張って丸文字やったんや。

朝日:そう。丸文字書いたことないと。



──最初もっささんの字だと思ってました。

もっさ:私の字は逆に前の曲の『涙を拭いて』の歌詞で使ってますね!

朝日:でももっさが書いたって思われたってことはちゃんとかわいい字が書けたってことか…!


──『こんがらがった!』の歌詞に「来週は台風がっつり来るから休めば?」ってあるじゃないですか。だけど今回のアルバム収録曲にも『タイフー!』って曲があると思うんですよ。朝日さんはすごく台風に思い入れがあるんですか?

朝日:ああ(笑)でも確かに子どもの頃って台風好きじゃないですか…?


──いや、好きじゃないです(笑)

朝日:俺だけか(笑)

もっさ:分かるけど。暗くなってきてさ、窓から覗いてしまう感じ?

朝日:普段は人が結構いる街にがらんとして、人いないみたいな。

もっさ:ざわざわして。

朝日:人が普段いる場所にいないっていうシチュエーションがすごい好きで。だから休日の学校とかすごい好きだったんですよね。平日の学校はすごい嫌いでしたけど。大阪っていう甘えた環境に生きてきたから。日本全国が台風警報で真っ赤なときに、大阪だけ全然みたいなことがあって。多分地形の関係で台風の被害は起きにくい。暴風警報は出るけどちょっと強い風と雨が降るくらいみたいな感じで、台風のいいところだけなんです。

もっさ:そうやな。私も被害受けたことない。

朝日:恩恵だけを受けてたので、台風は逆に学校が休めてワクワクできる日みたいな感じでした。


──「人がよく死ぬ街で」ってあると思うんですけど、ここのサウンドは回想してるシーンを表現している気がしました。

朝日:そういう雰囲気じゃないですけど、ここは明るい曲調で暗い言葉を言うっていうのは好きな手法ではあるんですけど、ここはちゃんと雰囲気を出したままその雰囲気の言葉を歌うっていうのでいいなと思って。単純にさっきの「駅のホームでは」っていう色んな人の心が死んでく中、なんでこんなに暗いんだろうっていうふうに思いながら書いた歌詞なんで、多分そのままの雰囲気になったんだと思います。


──もっささんは、『こんがらがった!』の歌詞をもらったときの印象はどうでしたか?

もっさ:最初からサビだけはめちゃくちゃ聴いてて、普通にめっちゃいいやん。じゃあ全貌どうなるんやろうっていって。届いてめちゃくちゃよかったんですけど、Aメロが二転三転してました(笑)

朝日:結構作り直したんですよ。

もっさ:作り直しが結構あって。最初のメロから3回ぐらい変わって。

朝日:うん。変わった。

もっさ:これのサビがめちゃくちゃ良かったし、リードトラックっていうか今回の盤のリードトラックにしようってなってたから、めちゃくちゃみんな思い思いに頑張りましたね。もっとよくなるんじゃないかみたいな感じで、歌を録る直前まで考えた曲やな。

朝日:全員で意見言い合ったから。そういう全員でいろいろ文句言い合って作った曲なんで、完成したときの印象がめっちゃ強かったから。達成感はすごい気持ちよかったです。


ネクライトーキーが選ぶピックアップフレーズ!

──UtaTenは歌詞サイトなので、この『ONE!』の中から1番お気に入りのフレーズを教えてください!

朝日:8曲目の『だけじゃないBABY』って曲なんですけど、これはネクライトーキーのメンバーが集まる前にいつかメンバーが集まったらこの曲をやろうと思って作ってた曲で。でももうその時点で26歳とか27歳っていう、新しく何かを始めるにはちょっともう怖い年齢で、それでも何かやろうっていう1人で作ってたときの曲でして。「誰かが言ったんだ「あるはずない」と 僕が遠くに見たオアシスは幻に終わったのかい? 「それなら別にいいや、諦めようか」 そうやって決めたのに 僕はまだここで何かを待ってんだ」っていう歌詞が好きです。27にもなってバンドを芽が出ずにやってて、もうやめようかなっていう気持ちもいくらでもあったのに、結局まだバンドやるんだなっていう歌詞なんですけど。

でも今回のアルバムをやっと全国流通盤で出せることになって、集まった新しいメンバーでこの曲を作り、また一緒に演奏してそれをレコーディングして。こうやって改めて生まれ変わったこの『だけじゃないBABY』を聴くと、ここの歌詞がすごく、待っててよかったなっていう頼もしい歌詞に見えてきて。その1個前の「絶望はいつでも昨日へ向かう心の中にあったんだ」から1番最後の歌詞の「光はいつでも明日へ向かう心の中にあったんだ」って変化をこのバンドメンバーと一緒に掴めたなっていうふうに思います。この曲が今はすごく気に入っています。



──もっささんはいかがですか?

もっさ:はい。じゃあ『明日にだって』の「そろそろバレるかな 友達にはなれないことも」っていうフレーズが好きです。理由は自分の冷たいところが1番出たなって思って(笑)


──(笑)

もっさ:歌詞は結構きれいに見せがちというか飾りがちやけど、なんか素じゃないですけど、自分の冷たい素がすごい出てるなって思ったから意外と好きななんです。

朝日:冷たいっていうか人間臭いよな。

もっさ:(笑)そう。こんなんバイト先の人に言われたら終わりやけど、バイト先の人とかと一緒に何もない感じで平穏無事に過ごしてるけど、友だちにはなれないなっていう冷たさがここに(笑)自分の中のそういうところが出てるのが好きです。


──ありがとうございます。じゃあ最後にこの『ONE!』がお2人にとってどんな1枚になったのかと、応援してくれてるファンの皆さんにメッセージをお願いします。

朝日:本当に後悔のないやり切ったなっていう。自分はこういうのが好きだっていう自己紹介が出来た部分もあるし、ネクライトーキーはこういうバンドなんだっていう自己紹介のアルバムになったなって俺は思ってますのでぜひ聴いて頂きたいです。1回通して聴いてもらえたらどんなバンドか分かるので、ぜひぜひよろしくお願いしますっていう感じです。

もっさ:1曲1曲の個性がめちゃくちゃあるので、全部好きになってほしいけど、みんなどの曲が好きなのかなっていう反応は楽しみですし、ほかのいろんな曲の愛が詰まっとるから(笑)そこからいろいろ広がってくれても嬉しいんじゃないかなとか思います。



TEXT:橋本美波
PHOTO:愛香

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