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【インタビュー】「心の隙間を埋める一枚」尾崎豊をカバーした19歳の歌姫・番匠谷紗衣、メジャーデビュー! (2/3)



聴いて心地いい声を研究した

──ありがとうございます。あと、これも1個気になっていたんですけど、番匠谷さんの声ってすごく独特で。『ここにある光』の最初の「電車」っていうワードで、初めて番匠谷さんの声に触れる人って多いと思うんですけど、「何これ!!めちゃくちゃいい声。」って思うんですよ。

番匠谷紗衣:うそー?めっちゃうれしい!


──サビの部分の歌い方も印象的でした。意識されたことはあるんですか?

番匠谷紗衣:結構、抜くように歌うというのはこの曲で意識しました。


──確かに、メロディー的にもアレンジ的にも抜ける感じはありますよね。

番匠谷紗衣:だから、隙間を多く作りたいって思ったんですよ。


──例えば、具体的に言うとどの部分で?

番匠谷紗衣:一番はやっぱりサビとかですね。今まで通りの自分でいったら、感情移入しちゃうんで、めっちゃ激しく歌っちゃいたいところなんです。でも、この曲をちゃんと自分で聴き込んだし、2月ぐらいにはもう出来てた曲やったんですが、約1年ぐらいあったのでずっと聴いてた曲でもあったし。

この曲を聴いたときに、聴く側の気持ちをできるだけ、大縄跳びに例えたら、みんなが入ってくるそういうふうな空間をすごく作りたいって思ったんですよ。やから、それを意識したときに、歌い方は今まで通り、感情移入、感情に任せて歌うんじゃなく、できるだけ、聴いて心地いい声を研究して歌おうって思ったのはありますね。

▼『ここにある光』の歌詞を読む


──それは、2月に出来上がってからの時間、今日までの間に見つけてきた歌い方なんですか?

番匠谷紗衣:レコーディングするってなってから、めっちゃ研究しました。新しい挑戦ですね。


──自分の感情を逆に押さえる歌い方ですね。

番匠谷紗衣:抑え気味です。


──ライブでも抑え気味にいくんですか?

番匠谷紗衣:この曲に関しては、まだ、そんなにライブでもまだ歌っていなくて、まだ、全然ライブで完成されてない感じがあって。歌うたびに変わっていってたから。これからこのシングルとして出させていただくっていうことで、この歌い方をライブでもできるようになりたいなってすごく思っていて。

でも、インディーズ版として出させてもらっている『未完全でも』に入っている曲とかは、ほんまに感情のままに歌っていたりとか、曲によって変えたりしています。


──じゃあ、今まで、番匠谷さんの曲をずっと聴いてきた人だったら、逆に、「何か違う」って思うような感じなんですね。

番匠谷紗衣:思うと思いますね。それが新しい引き出しとなって、「こういう面もあるんや」って思ってもらえたら嬉しいし、この曲で初めて知ってくださった方も、『未完全でも』に入っている荒々しさやったり、そういう部分も聴いてもらいたいなと思います。


──今作の作曲は番匠谷さんってことですけど、アレンジに別の方も入られていたりするんでしょうか?

番匠谷紗衣:はい。作詞作曲、作詞が高橋久美子さん、作曲がトオミヨウさんっていう方で。


──前奏はもう、番匠谷さんのイメージでもともとあった感じなんですか?

番匠谷紗衣:これは、トオミヨウさんとアレンジをしました。アレンジっていうか、始めに私のこういう曲がつくりたいっていうイメージが、東京に来てすぐにあって。デビュー曲に向けてやったり、自分の代表曲となったり2月に東京ワンマンがあったんですけど、そこで最後に歌える曲とか、そういう1曲を作りたいと思っていて。元々イメージがあったんですけど、ギターでは表現しづらかったのでトオミヨウさんっていう、すごい素敵なプロデューサーの方と一緒に、“まず伴奏こういうイメージなんですよ”っていうのを伝えて、一緒に話し合いながら作っていった感じなんです。そこに、私が歌詞とメロディーを乗せていきました。


──この前奏、めちゃめちゃ良いと思うんですよ。もう、絶対良い曲!って思って聴き始められるっていうか。

番匠谷紗衣:うわー!!そうですよね。トオミさんマジック。


「裸足の足元で星のようにきらめく」の意味

──サビの表現で、「裸足の足元で星のようにきらめく」って言ってるじゃないですか。かなり素敵な表現だと思うんですけど何のことを表現しているのかが気になりました。
どういうイメージから生まれたフレーズなのかなっていうことも聞きたいし、そもそもどういう意味がこのフレーズに込められているのかっていうところを聞いてもいいですか?

番匠谷紗衣:今そばにいてくれている人をすごい思い返しながら、この曲は書いたんですよ。終電で帰っているときやったりとか、私が上京して始めて過ごす日々の中で、ふと、「めっちゃ寂しいな」とか、「1人ぼっちやな」って感じたときに、今、自分にあるものやったり、そばにいてくれてる人とか、一緒にいてくれてる人をすごい思い返しながら毎日過ごしていたんですよ。

だから、そうやって夢やったり、自分が思い描いていたことを忘れそうになるけど、足元にこそ大事なことがあるみたいな、そういう足元ですね、これは。


──足元って、どう捉えるかは人次第だけど、いい意味の足元というか、原点みたいな意味なんですね。裸足っていうこのワードに込めた大事な意味みたいなものはあったりするんですか? 

番匠谷紗衣:あります。私のイメージがキャラクターにもあって、グッズに使っているんです。それも裸足やったり。


──番匠谷さんがそのままマスコットになったようなキャラクターなんですね?

番匠谷紗衣:そうです。私自身も飾らずにいたいっていう思いがあったり、そういう風に一緒に制作してくださる方も、飾らずにいきたいっていうところを大事にしているって、高橋久美子さんとかも思ってくださっていて、そこから出てきたフレーズやったんですよね。


──大阪もわりと都会だと思いますけど、東京に出てきてすべて飾る女にならないでくださいね。(笑)そこがちょっと心配。

番匠谷紗衣:確かに。二十歳になったらどうなるか分からないですね。まだ、今のところ部屋で引きこもっているだけなんですけど。部屋に引きこもって、サボテン見たり、空見たりしているだけなんですけど…。これからですね。


──そうですね。二十歳になってできることが増えて、さらに東京っていう場所にいて。次の歌詞とかは全然違う歌詞になっていたりして(笑)

番匠谷紗衣:ブーツの、革靴のってなっているかもしれないですね(笑)


──(笑)!2番のAメロで「自分だけここで立ち止まってるみたいだ」っていうフレーズがあるじゃないですか。1番では、「走り続けていた」っていう意識もあるのに、2番では「立ち止まってるみたいだ」って。これはきっと番匠谷さんご自身のことを歌っているんだと思うんですけど、君に会ったことがきっかけで何かが変わったっていうことを表現されているのか、この心情変化について詳しく伺いたいです。

番匠谷紗衣:この「走り続けていたこと」っていうときの感情は、生き急いじゃっていて、環境が変わって周りのスピードがすごい早かったり、自分も追いつきたいって思って心が締め付けられていたり、固まっているような気持ちになって。そういうときに「君」に会って、自分はもう生き急いでしまってたんだなって気づいたっていう感じですね。

この2番の「立ち止まってるみたいだ」っていうところは、そうやってどれだけ前に進もうって頑張っても上手くいきへんときがあって、ここからもう抜けだされへんのちゃうかっていうような気持ちとか、自分にできることなんかないんちゃうかなとか、そういう風に思ったときに出てきたフレーズで。だから、部屋でここは1人で自問自答しているみたいな感じですね。がむしゃらに生き急いで何とか追いつこうと頑張っていたけど、「君」っていう存在に会って行き急ぎ過ぎていたんやなって気づいて部屋で自問自答しているみたいな。でも、大切なものがなくならないように、そういうふうに生きていくしかないっていうような決意に、最後なっているかな。


──すごくリアルな歌詞ですよね。

番匠谷紗衣:はい、上京したてのときの曲ですね。


──「大切が無くならない方に」って表現も素敵だなって思ったんですよ。「大切なものが」っていう言い方じゃなくて、「大切」っていう概念がなくならないようにみたいな意味ですよね、きっと。これもまた、音によくハマりましたね。

番匠谷紗衣:よかったです。ここは、一番始めにスーッと出てきた歌詞でしたね。
大切なものがあるのが当たり前じゃないんやなって思って、簡単になくなりそうになったりするんやなって。なくなりそうになって初めて気づいたっていうか。今まで、歌を通して出会ってきた人たちへの思いとか、そういうのが、絶対どこに行っても変わらないって信じていて、自分がそれを大きくしていいねん、もっと広がっていって自分が立つんやっていう。信じいた気持ちとか、何かできること、自分にできることあるかもしれへんって思ったりとか、そういうことを、自分が大切やと思っていることを曲にしとかなってそのときにすごい思ったんですよ。


──多分、多くの人は気づかないまま変わっていっちゃうと思うんですけど、1回立ち止まって、“忘れちゃいけないな”って思うような。
番匠谷紗衣:そんな感じです。だけど、全然、適当人間なんですよ。ほんまに、「食べることと寝ること命」みたいな、そんな感じなんですけど。友達は、私がこうやって音楽活動を頑張っている姿を見て、0点一緒にずっと学校で採っていた友達が、「今回も0点やわ」って言いながら、「紗衣だけ70点とか採りやがった」みたいな。だんだんがり勉みたいになってきてキモイんですけど!って思うみたいで(笑)


──ちゃんとできているのが違和感みたいな。(笑)

番匠谷紗衣:そうそう。自分でも違和感。だから、ふとした瞬間に、「日々勉強やわ」とか言ってしまうんですよ。それを、昔からの友達に言ったら、「キモ!」みたいな(笑)。


──ちょっと意識高い系になってきて。

番匠谷紗衣:「意識高すぎやろ」みたいに言われます。


──それ、友達には怒られそうですね(笑)。

番匠谷紗衣:そうなんです。私からしたら、みんなそうなっていってるんですけどね。みんな、すごいなって思います。みんな頑張っているなって。

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番匠谷紗衣(ばんじょうや さえ)。大阪出身20歳のシンガーソングライター。 自分の意思の表現としてアコースティックギターを持ち、様々なジャンルの曲をカバーしつつも、唄、言葉、音楽で自分を伝える為に14歳で詞曲を作り始める。路上ライブから、ライブハウスでの表現活動も始め、徐々に活動を全···

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