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【インタビュー】シリーズに続く新たなH!dEの世界を描いた『STORIES』 (2/3)


相手を失うことをわかったうえで、残り1日をどう大切に過ごすのか



──『最後のキス』へは、愛する人と過ごせる時間が残り1日しかないという設定のもとでの、相手への愛しき気持ちを投影しています。

H!dE:きっとこの歌は、その人自身の心情や環境によっていろんな捉え方が生まれる楽曲だと思います。残り1日というのは失恋を控えた心情なのか、相手が亡くなってしまうからなのか、それとも地球が滅亡する1日前なのか。そこの捉え方はそれぞれであれ、相手を失うことをわかったうえで残り1日をどう大切に過ごすのか。そうなったときに、その人にとって大切なものへ気づいてもらえたら。そんな想いを、ここでは恋愛に例えて書きました。



──自分は、相手が亡くなってしまうのかなと思いながらこの歌を抱きしめていました。

H!dE:僕自身の中での明確な設定はありますが、そこはあえて述べるのは控えたいように、聞いた人たちなりにいろんな受け止め方をしながら、「その人なりに、大切な1日をどう過ごすのか」を考え、この歌を聞いて欲しいなと思っています。          

──アルバム『STORIES』には、明るく弾けた表情を持った楽曲を多く詰め込んでいる印象も受けました。

H!dE:これまではミドル調の恋愛ソングを中心にしてきたからこそ、今回はサウンド面でも新しいアプローチをしていこうと思ってのことでした。けっこうアッパーな表情も多いように、ライブで盛り上がる楽曲も多くなるから、これからのライブが楽しみにも思えています。


──先にも語った略奪愛をテーマにした『星の相合傘』も、とても明るくキラキラとした表情を持った楽曲。これ、略奪愛をテーマにしていることに気づかないと、とてもハッピーな、これからラブラブな関係になろうとしてゆく歌にも聞こえますからね。

H!dE:普通に聞いてしまえばとてもキャッチーな、本当に幸せな恋愛ソングに聞こえますよね。そこは、サウンド面での効果もあったなと思います。だからこそ、歌詞に詰め込んだ想いの真意までしっかり捉えていただけると、余計に収録した歌たちを楽しめると思います。



一人の子を好きになってしまったら、その共同生活はどうなるのか…。

──アルバムには、『もしも神様がいるなら』のような、踏み出したくても踏み出せない、そんな恋愛奥手な感情の主人公が出てくる歌もあります。そのピュアな心模様、すごくわかるという人も多いのではないですか?

H!dE:その手の表情こそ、これまでのH!dEらしさですからね。中でも『もしも神様がいるなら』にはそこが強く出てると言いますか、そのもどかしい心模様や、男女の気持ちの微妙なすれ違いは、これまでもよく書いてきた内容ですからね。


──ちょっと奥手な男性の心模様は、『メゾン』にも描き出されています。

H!dE:『メゾン』は、ちょっと切ない内容ですよね。恋愛を前提として共同生活を送る様を捉えた番組とかあるじゃないですか。あそこには「恋愛」という明確なテーマがありますけど。普通に、仲間や友だちが集まった共同生活だって、世の中にはあること。その生活の中、一人の子を好きになってしまったら、その共同生活はどうなるのか…。この後もずっとそこへ住み続けることを考えたら、仲間たちとの関係性も含め、「好き」という想いを伝えるのは難しいのではないか。そんな、ちょっと切ない想いをテーマにこの歌の物語を書いています。


──そのシチュエーションはもちろん、その状況の中で抱く主人公の想いがとてもリアリティを持っていると言いますか。「きっとそうなるだろうな」という有りえそうな感情を、H!dEさんは今回もいろんな歌の中へ記していますよね。とくに、恋愛に奥手な男性の心情を記した歌は、すごく「わかる!!」という気持ちにさせられました。


H!dE:僕自身が、恋愛に関しては奥手なタイプというか、素直に相手へ想いを伝えられなかった性格だから、自然とそういう心情が出てしまうんでしょうね。とくに女性は、同じような心模様を抱く人が多そうだなと思えるからこそ、きっと、聞きながら共感していただける歌もたくさんあると思います。まして、片思いは誰もが経験していること。そのときの心情を重ね合わせ聞いてもらえる歌も、このアルバムには多いなと思います。



あのときに好きという想いを伝えていたら…

──『ハッピーエンド』へは、恋愛映画のように実際の恋は上手く進まないよという皮肉も巧みに投影していますよね。

H!dE:『ハッピーエンド』の歌詞に記されたシチュエーションって、みなさんもいろんな恋愛映画の中で見てきた風景だと思います。それを題材にしたように、聞いた人たちにクスッと笑ってもらいたくて、この歌を書きました。だから、映画関係者にこの歌はあまり聞かれたくないです(笑)。



──『ロスタイム』は、サッカーをテーマに据えた楽曲として書かれています。

H!dE:僕自身がサッカーをやっていたからこそ、サッカーをテーマに楽曲を書きたいなと思っていました。そこで生まれたのが、ドリーマー。つまり、夢を追いかける人を題材に、最後の最後、その瞬間まであきらめない気持ちを『ロスタイム』には記しました。この曲は、サッカー場で流れているのを想像しながら作ったように、サッカーはもちろん、スポーツをしている会場で流れたら嬉しいですし、夢を追いかけている人の応援歌になってくれたらなとも思っています。


──『忘れ雪』は、とても切ない歌です。

H!dE:アルバムの中にはバラード曲も入れたいなと思い、制作したのが『忘れ雪』と『この先ものがたり』の2曲になります。しかも、切ないバラードを作りたいと思ったときに出会ったのが「忘れ雪」という言葉。そこから冬の季節を舞台に、叶わなかった恋のもどかしい想いを記しました。「あのときに、好きという想いを伝えていたら、今と状況は変わっていたのか」。そういう経験のある方も多いかなと思います。その気持ちを、冬の景色が見えるシチュエーションに投影して書きました。この『忘れ雪』、失恋している方にはとても心に響く歌になるんじゃないかな。



──『この先のものがたり』は、収録した楽曲の中で唯一、他の方が作詞作曲をした歌ですよね。

H!dE:これまでのH!dEにはないバラード曲を作ろうと思ったときに、あえて他の方に作詞作曲をお願いし、自分にはないテイストを持った楽曲に触れようと思いました。そこから、他の方にお願いをしたところ、自分だったら出てこない言葉やメロディーを持った楽曲が生まれたように、そこはやって良かったチャレンジになりました。

今回、僕が作詞作曲を手がけながらも、いろんな楽曲で作家の方と共作をしたのも、自分だけでは出てこない要素を加えることで、H!dEの持つ世界観に広がりや深みを持たせるためでした。結果、これまでの自分なら生まれなかった言葉使いやメロディー、楽曲の構成やコード展開も描き出せれば、僕自身もいろいろと新しい広がりをつかめたように、今回の挑戦をやって良かったなと思いましたし、その経験を今後に活かしたいなとも思っています。



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岡山県倉敷市出身。倉敷ふるさと大使。 恋愛小説のような連作恋愛ソング「うたものがたり」を届ける注目のシンガーソングライター。アニメーションと連作恋愛ソングを掛け合わせた「う たものがたり」シリーズの MV は 2,500 万回以上の再生回数を記 録!! H!dE 初のコラボ楽曲「 1 日遅れのバ···

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