2人の関係性とは
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歌詞中には“僕”と“彼女らしき女性”が描かれているが、“彼女”と断定できないところに面白さがある。この見解を裏付ける歌詞をいくつか挙げていこう。
一人暮らしの部屋で、目の前にあることに集中できないほど、好意を抱く女性のことを考えている“僕”の姿が目に浮かぶ「それに割れてしまった目玉焼きついてないなあ」。
自分という人間をもっと知って欲しいが、あまり会えないでいることから募る気持ち「腐るほど話したいこと沢山あるのにな 寂しいさ」。
自分が会いたい時に会えない、会いに来てくれない歯痒さが表現された「明日は2人で過ごしたいなんて考えていてもドアは開かないし」。
本当は“すぐに会いたい”と言いたいが、しつこい男だと思われたくないから、直接言えずにいる「今日は日が落ちる頃に会えるの?」。
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これらの歌詞は全て男性が女性を想う気持ちであり、相手の女性は実際には登場せず“僕”の妄想の中でしか描かれていない。
しかし、歌詞を見る限り“僕”が女性のことが好きという気持ちは、十分過ぎるほど伝わってくるが、女性側はあまり“僕”に関心がないように見受けられる。
このことから2人は、仲は良いが“僕”が一方的に好意を抱いている友達以上恋人未満に近い関係性ではないかと読み解いた。
隠されたメッセージ
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恋愛自体に興味がない、友達と遊んでいる方が楽しいという人が昔に比べると増えた。
1人の相手に好意を抱いて、この歌詞のように相手のことを強く思うといったことは素敵なことなんだというあいみょんからのメッセージが隠されているのだ。
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バラの花もないよ
汚れてるシャツに履き慣れたジーパンで
愛を伝えたいだとか
臭いことばっか考えて待ってても
だんだんソファに沈んでいくだけ
僕が明日良い男になるわけでもないからさ
焦らずにいるよ
≪愛を伝えたいだとか 歌詞より抜粋≫
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「バラの花」「汚れてるシャツ」「ジーパン」という単語からは昭和の雰囲気も漂い、昔流行したトレンディドラマの要素も入っている。この少し古臭さのある歌詞を逆に新しいと認識して好む人も多いだろう。
歌詞中の“僕”のように本気で1人の女性を思う男性を、女々しいと捉える人もいるだろうが、ここは“僕”に共感して、“ここまで相手のことを思う恋愛をしたい”と思って欲しいものだ。
いい恋愛や相手のことを大切に思う気持ちは自分に磨きをかけてくれる。
●あいみょん / 『愛を伝えたいだとか』
TEXT:蓮実 あこ