2014年に誕生したアイドルユニット「清竜人25」はご存じですか?
アイドルグループの中におじさんが一人入っていて、数多いアイドルグループのなかで存在感は飛び抜けており、かなりの話題となっている。その中心のおじさんが、清竜人だ。
このユニットは清竜人が自らプロデュースしていて、本人もメンバーの一員であり、残りは女性メンバー7名(現在は1名が活動休止中)で成り立っている。
楽曲はこれまでシングルを3枚リリースしていて、全てカラフルでとってもポップだ。
実はこの清竜人25は、女性メンバーが全員、清竜人の妻であるという設定になっている。シングルのPVの内容も、結婚式、新婚生活の様子、はたまた夫婦の馴れ初め...などを描いたものになっていて、この徹底ぶりが実に面白い。この型破りなアイドルの形を作った清竜人が、次はどんな手でくるのかと楽しみでもある。
さて、そんな清竜人はアイドルのプロデュースをやっているだけではなく、もちろんソロとしても活動している。彼の3rdシングル「痛いよ」は、清竜人25からは想像できないほどの繊細さを感じることができる楽曲で、その音楽的センスに惚れ惚れする。
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平然と振る舞うぼくも 内心は穏やかじゃないよ
全神経を尖らせて 君を探ってるの
乱れる呼吸 泳いでる目 はぐらかす表情
一挙手一投足が恐くて仕方ないんだよ
きみが作る しぐさひとつで ぼくはいつも 胸が痛いよ
気に入ってるその洋服も ヘアースタイルや厚化粧も
思い出話も 価値観も 喜怒哀楽も
変なくせのあるキスも ベッドで喘ぐ声も
僕以外の誰かにも見せていたんでしょう
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どうしようもなく相手のことが好きだという表現の歌詞はどこにでもあって、さまざまな人に歌われている。
ただ、清竜人の言葉選びは本当に長けている。
歌詞を眺めているだけではっとさせられる。
相手の何気ない言動と過去を重ねて、知りたくないようなことを探ってしまったり、想像したりする男の気持ちが、とてもリアルに浮かぶ。
彼の歌声は、脆さすら感じるほど透き通っているのに、このリアルな詞が聴く人の心の中に強く入り込んで、消えない。
もちろん楽曲のセンスも、イントロのピアノでの始まりから、後半に向けての弦楽器の音を交えた盛り上がり方も鳥肌ものだ。
清竜人25から知って、彼のソロでの楽曲を聴いた人は、本当に同一人物なのか?と思わず感じてしまうかもしれない。そして清竜人25での彼の予想外な発想力と同様に、ソロでの楽曲も素晴らしい清竜人は、間違いなく天才だ。
そう、私も妻になりたいほどに…
TEXT:斎藤陽菜