信じていた彼女の裏切り
男女が同棲を始めると見えてくるお互いの嫌な部分。嫌な部分だったら、直すように努められるので気持ちの修復も可能だが、一緒に住んでいる部屋の中で、浮気現場を目撃してしまうと恋愛感情も一瞬で消え失せてしまうだろう。
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あぁもう疲れきって玄関開けたら
束の間の休息 津田沼の六畳間で
愛しいあの子 つまりは未来の妻
キスからのお帰りって言って 優しく微笑んでご飯にする?
お風呂にする? それともアレ?あれ?誰?あなたは誰?
≪鬼 歌詞より抜粋≫
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仕事から帰ってきて、いつも通り部屋で待つ彼女が優しく出迎えてくれる―はずだった。
部屋には見知らぬ男の姿。慌てる彼女。2人の様子からして、まだ彼が帰ってこないと思っていたのだろう。“男と一緒に住んでいる”なんて伝えてないその男の前で、自分ことを赤の他人に仕立て上げる彼女の姿に怒りを覚える彼の心情が描かれている。
女の恐ろしさが表現された歌詞
サビは隠れんぼを連想させる歌詞と一度聴いたら忘れられないキャッチ―なメロディが印象的だ。----------------
もういいかい もういいよ ここだよ
もうずっと ここにいるよ
もういいかい もういいよ ここだよ
もうずっと ここにいるよ
ねぇねぇ 早く見つけてよ
ねぇねぇ 早く捕まえて
ねぇねぇ ずっと離さないで
ねぇ 手の鳴る方へ
鬼が来る 鬼が近づいてくる
見つけたって声がして
君の手が優しく肩に触れる
≪鬼 歌詞より抜粋≫
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ずっと一緒にいたいと思っていた彼女の浮気現場を目撃して、彼女の裏切りにショックと怒りの感情しかなかった彼だが、彼女への未練もあるのだろう。
特に、「ねぇ 手の鳴る方へ」は子供の遊びのかけ声にある「鬼さん こちら 手の鳴るほうへ」とリンクし、彼がいながら他の男と浮気してしまうような彼女であっても自分の元に戻ってきて欲しいと願う彼の心情も伺える。
彼女が謝り、もう一度やり直そうと再び同棲生活を始めた2人であったが、以前のように純粋な恋愛感情を抱くことができなくなった彼。
“また、いつ彼女が浮気するか分からない”という疑心暗鬼の目で見てしまう彼女を「鬼」に例えて、いつもと同じように接してくる彼女への恐怖心や猜疑心を表現しているのだ。
女は男よりも隠すことがうまい。
あなたの周りにいる優しくて親切な女の本性の奥底にも、「鬼」が潜んでいるかもしれない。
TEXT:蓮実 あこ