結果、浮気はイヤ!
──既にリリースされていますが、タイトル曲でもある『電光石火ジェラシー』について伺っていきたいと思います。この曲の始まりって、どこからだったんですか?
岩淵紗貴:『電光石火ジェラシー』ってタイトルから始まりました。
──「電光石火」と「ジェラシー」が組み合わさった訳を伺いたいです!
岩淵紗貴:嫉妬の気持ちって瞬発的につくなと思って。嫉妬っていわゆるマイナスな気持ちだし、友達と女子会をしたところで、実はなんかこういうのが悔しかったとか嫉妬しちゃったみたいなのって正直言いづらいじゃないですか。
──あります、あります!
岩淵紗貴:好きだったら嫉妬しちゃうのは仕方ないし、逆に嫉妬できるくらい好きだというのはマイナスなことでもないし。でもそれはやっぱ私だって言いづらいけど、具体的にちゃんと歌にしてさらけ出したほうがと思って。
──野球拳のフレーズが歌詞に出てきますよね、そこも印象的でした。
岩淵紗貴:どこまでが男女関係で、アウト、セーフなのかというと、人それぞれじゃないですか。私の友達看護師の人が多くて、さらにダメ男が好きな人が多いんですけど(笑)、相手とワンナイト的なの事もあったけどすごく話しづらかったみたいで、言ってこなかったんですよ。
好きだとそういうセーブって効かなくなっちゃうよねっていう気持ちを込め書いた曲です。
──昨年話題になった不倫然りですよね。
岩淵紗貴:でも、こんなこと言ったら駄目かもしんないですけど。仕方ないっすよね。
──私も仕方ないと思う(笑)。
一瀬貴之:確かに。
岩淵紗貴:別の曲にも入ってるけど、バレずにやってくれというやつ。知らなかったら幸せじゃないですか。
一瀬貴之:そうだね。
岩淵紗貴:バレるようにやっちゃう詰めの甘さがいらない。どっちかというと。
──『電光石化ジェラシー』と『釣った魚にエサやれ』と『浮気をするならバレずにやれよ』って、共通点ありそうな一連なの感じありますね。『釣った魚にエサやれ』はすごく情景わかるんですけど、個人的には他で遊んでるにしろ、エサはちゃんとこっちにもくれるタイプの人しか経験ないなぁと。
岩淵紗貴:それはもう一番良いパタ─ン!
宮原颯:いいのかわかんないけど!
一瀬貴之:自分はエサもらうんじゃから。
──なのでそれこそ『浮気をするならバレずにやれよ』はメッチャ共感。
岩淵紗貴:こう言ってるけど浮気を知った時はどこかしら傷つきますよね。何だかんだ「悔しい」みたいなかたち。「私じゃ物足りんのかい、このやろう」みたいな感じ。
──確かに傷つく。けど、「おなかすいたにゃぁ〜」って(笑)。嫉妬を通り越して萎える。
岩淵紗貴:でもありますよね、自分に見せない姿を別の人に見せてたという。うちのメンバーにもいますけど。猫語使う系の人(笑)。
──マジですか!
岩淵紗貴:私に誤爆してきたんで、スクショしました(笑)。
一瀬貴之:でもさ、俺こいつ(本多)よりマシと思うよ!?こいつさ、メッチャカッコつけるじゃん。
この前取材で、デートプランのアピールをしてくださいってのに対して「俺だったらバッチバチのプランでバッチバチに楽しませます!!」ってめちゃくちゃイキってて気持ち悪かったです(笑)。
岩淵紗貴:まだこいつのほうがいいと思う。
──それは、素??
岩淵紗貴:やっぱりよく見られたいという意地があるんじゃないですか。
本多響平:何か舞い上がっちゃうんですよね(笑)。
一瀬貴之:メチャハードルは上がるじゃん、バチバチのデートプランとか(笑)!
本多響平:そうそう。
岩淵紗貴:でも、ありますよね。何だかんだで男の人って、自分の彼女じゃない人に甘えたいというか。
──あるんですか。
岩淵紗貴:あれ見たときは、ちょっとおや?ってはなりますね。今さら私に出せないのかなっ?みたいな。
──男性陣はこの3曲受け取って、どんな気持ちに?
一瀬貴之:俺は一緒に作ってるんで、そういう気持ちで書いてます。
岩淵紗貴:イッチーはどちらかというと、嫉妬するほうじゃない?どちらかというとだめな自分を出して、甘える立場のほうだと思う、都合よく(笑)。
一瀬貴之:俺の何を知ってる!勝手なイメージで!ひどいバンドだ(笑)!
──宮原さんは?
宮原颯:個人的には「(浮気は)嫌だ」と言ってくる人の方が、まだいいです(笑)。「私は絶対浮気してほしくない」のに「バレずにやってね」みたいなメッセージが逆に怖いなと。
一瀬貴之:バレた時だね。
岩淵紗貴:(宮原は)女の子の気持ちよくわかるタイプだと思う。本当に
──本多さんは初めてお会いした数年前は恋愛に関して「まだ酸いも甘いも知らないんで」って感じでしたけど。どうでしょうこの曲たちを受けて。
本多響平:いまだにその土俵にも立ててないです(笑)。まだまだ現役チェリー。
一瀬貴之:チェリー健在。
降られるより振るほうがキツい
──あと、個人的に的に触れたかった曲は『美女と野獣の逆はないよね』です。岩淵紗貴:ないですよね。
一瀬貴之:ブサイクでもメチャクチャお金持ってたら、メッチャかわいい子とつき合ってるってあるもんね。女の子がメッチャくちゃかわいくなくて、それで男がメッチャイケメンというのは見ないよね〜。
岩淵紗貴:野球選手は女子アナ、サッカー選手はモデル。(笑)
一瀬貴之:大体それ。
──わかりやすい。
岩淵紗貴:自分が昔、ちょっと穴埋め的に合コンに誘われたことがあって、行ったことなかったのでどんなものかなと思ってちょっと行ってみたことあったんですけど。どんなに気を使って頑張ったところで、かわいい子というか、キラキラした感じの子たちに、男の人って目がいくんで。そうっすよね〜っていう。
──そんな曲ですけど意外と前奏とか男臭い感じのアレンジだったりするのがギャップに感じました。
一瀬貴之:確かにそうですね。
岩淵紗貴:サビは結構ライブを意識したよね。
──きっと女子がカラオケで歌いたくなる曲でもあると思います!
岩淵紗貴:確実に、男女がいる場所でMOSHIMOの曲は歌わないほうがいい(笑)。引かれちゃうと思うので。
絶対酔っぱらって女子会か何かで一番歌って欲しい。『いいじゃん』とかだったらまだ..(笑)。
──確かに、『いいじゃん』は男女どちらにも当てはまる感情という感じですもんね。
岩淵紗貴:それこそ『釣った魚にエサやれ』の延長線上じゃないけど、結局好きなんだという。だらだらしてる恋愛もまだ自分の中で居心地が良くて、手放せないものになっちゃってという。
不満はあるけど必要不可欠な存在だなと、どこかしら気づかされた自分がいて。そういう時があったなと思って作りましたね。
──どういうふうにこの主人公たちって終わり迎えるんだろうって気になります。
岩淵紗貴:大体振られて終わりますかね。
──聞いていいのかわからないですけど、何が理由で…?
岩淵紗貴:私の場合は「限界じゃないかな」みたいな感じだと思います。バンドって生活スタイルがある意味特殊だし、「合わないな」っていうようなことを言われちゃうこともありますし、私は特に好き勝手なタイプなので、仕方ないかなと思う。
一瀬貴之:大分優しく言ってくれてるんだ、相手は。
岩淵紗貴:そう。私が好きでちょっとわがまま言っちゃうというか、そういうのが負担になった時もあったみたいで。そいつより幸せな人生送ってやるぞぐらいに、今は思ってますけど。
とかいってアレですけど、振られるってある意味楽だと思うんですよ。受け身の立場なんで。振るほうが多分体力きついんじゃないかと思う。やっぱりお互いどっかしら情があってそれだけつき合ってきてるんで、向こうもいろんなことに対して決断をしてくれているんだと。
──その考え方は斬新です。
岩淵紗貴:振られると一方的に辛くて、それを受け入れて自分の中でそれを消化させきれば、“絶対自分のほうがもっと幸せになってやる”って負の気持ちをプラスに変えられるけど、やっぱり決断する人のほうが意外に悔しいんじゃないかなと思うときがありますね。
──そうだなぁ。そう思ったら、今まで振られたこととか、悲しいとか傷つくという感情とは別のものになっていきますね。
岩淵紗貴:そうですね。私はそういうのをエネルギーにすると意外に世界って広がってきて。2曲目の『ヤダヤダ』は、ある意味、恋愛じゃなくて精神性的なものが入っている曲かなと思います。
──岩淵さんはやっぱり、自分の中で負の気持ちを成仏させるのがうまいなぁというか。
岩淵紗貴:うまくないですね、結構やつ当たりしちゃったりとかありますから(笑)。
私たちは音楽を通してアウトプットできる立場にいるんで、曲になった部分を切り取ったらそう捉えられているだけです..。そんなに実際器用じゃないんで。
ほんと駄目なんですよ。ほんとにもう1人で家でお酒飲んで気持ちよくなって終わっちゃうみたいな(笑)。
──20代半ばを過ぎてからの女子あるあるな気がします(笑)。